式の前日

穂積/著

『式の前日』二人が迎える16頁の「前日」。人は歳の数だけ物語を持っている

式の前日』は『僕のジョバンニ』連載中の穂積先生のデビュー短編集で、表題作は結婚式を控えた女性を男性視点から描いた物語です。

2020年6月18 日現在、SHOGAKUKAN COMICで無料試し読みができるので、ぜひ読んでみてください!

結婚式前日の女性

表題作の『式の前日』は、翌日に結婚式を控えた女性が、当日のことで見落としたことがないか不安になったり、ドレスをもう一度合わせたりしながら、心の準備をしていくお話です。

席次表は問題なかったか、料理は違うもののほうがよかったかと細かいことを気にする女性に対し、男性側は「何度も考えて決めたじゃん」と淡々と返します。ごはん何がいい?と女性が聞いても「なんでもいい」と張り合いがない答えをしながら、直後に「なんでもうまいじゃん」と答える男性。

最後の最後で二人の関係性が明らかになるのですが、その瞬間に二人の間の長い時間と信頼関係が感じられてウワっとなります。

単行本の最後の短編が式の後日譚になるので、合わせてお楽しみください!

重なり切らない人の関係性

『式の前日』ではほかに、離れて暮らす父との関係、双子の兄弟のお話、妹を想う兄と子どもを置いて消えた母のお話、孤独な小説家などさまざまな人々の暮らしが描かれています。

どの物語も「二人」の関係性を軸に物語が構成されています。孤独さを持ち合わせながらも誰かとどこかで繋がっているような、重なり切らない人間関係が表現されているかのようです。

指先の描写力

デビュー作とは思えない画力の高さなのですが、穂積先生の絵で素晴らしいのは「指先の表情の細やかさ」です。開いた指先だったり、握った拳だったり。登場人物の感情は、顔の角度や目線でも伝えられているのですが、特に指先がすごい。言葉になっていない分、人々の複雑な感情や人物の性格が、動作と指の動きで表されているように感じるのです。

これから読まれる際にはぜひ、繊細な指の描写にも注目してみてください!

🧑デビュー作から光る人間描写!👩

式の前日 (フラワーコミックスα)
穂積/著

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