鞄図書館

芳崎せいむ/著

宇宙の真理が詰まった『鞄図書館』本好きのための物語

鞄図書館』は世界中すべての本が収まった喋る鞄と、鞄を連れて歩く司書さんが出会うさまざまな物語を描いた短編集です。実在の本の物語と『鞄図書館』の物語がリンクしていて、まるで無数の物語が複雑に編みこまれているような壮大さが魅力です。

図書館にあるのは宇宙の真理

古今東西あらゆる本が入っている『鞄図書館』では、火事で焼失してしまった歴史上の図書館に収められていた書物や、危険な魔導書なども保管されているほか、個人が書いた出版されていない本も取り扱っています。

司書さんは時空を行き来しながら、人だけでなく人知を超えたものたちにも本を貸し出します。本を借りたい人、返したくない人、見つからない本を探す人たちなどが現れ、本の貸し借りを通じてさまざまな人たちの人生が結ばれていきます。

鞄図書館のルール

  • 喋る鞄はゲーテが好き

  • 古今東西のあらゆる本が揃っている

  • 1人1冊最長1年間借りられる(1年後にもう一度借りることも可能)

  • どこにいても返却の時に司書さんは現れる

  • 鞄の中には無限大の図書館が広がっている

  • 鞄には命綱を伝って入らないと出てこられなくなる

  • 時間と空間のはざまをぬって生きている

  • 紛失した本の弁償代金は本を借りた人間が労働で支払う

  • 鞄図書館の本はこの世からは消えない

※新ルールが追加されることもあり

鞄が好きなゲーテの名言

喋る鞄はドイツの詩人・ゲーテが好きで、よくその言葉を引用しています。200年くらい前に生きたゲーテの言葉が、今も残って伝えられてるってすごいですよね!

『鞄図書館』が教えてくれたゲーテの言葉の一部をまとめてみました。

何事につけても希望するのは絶望するのよりよい。可能なものの限界をはかることはだれにもできないのだから(1巻7ページ)

ひとりの人を愛する心はどんな人をも憎むことができません(1巻29ページ)

利己的でない好意的な行いが最も高い 最も美しい利子をもたらす(1巻88ページ)

人間のあやまちこそ 人間をほんとうに愛すべきものにする(1巻97ページ)

何かを理解しようと思ったら遠くを探すな(1巻108ページ)

喜んで事をなし、なされたことを喜ぶ人は幸福である(2巻92ページ)

よいものを享受するのが喜びであれば、よりよいものを感ずるのは、より大きな喜びである(3巻19ページ)

実り多いものだけが真実である(4巻54ページ)

物語が現実と絡み合う

物語を通じて時空を超える人も現れ、『鞄図書館』で借りられる本はただ読まれるだけでなく、時に積極的に人の人生に関わります。

ある物語を読んでいる時に感じる感情や体験って、現実と変わらないんですよね。『鞄図書館』に出てくる登場人物たちは、実在の物語を通じて自分の物語を紡ぎ、それが読んでいる私たちの物語の一部にもなっていて、まるでこの世界にあるすべての物語が連鎖して一つの宇宙を創っているかのようです。

物語の終わりごとに、登場した実在の本も紹介されているのですが、『鞄図書館』の司書さんからオススメの本を紹介されるような気持ちになります。

宇宙の真理へようこそ

本は人の心を強く豊かにし、孤独な魂を愛し励ましてくれるもの。『鞄図書館』を通じ、ほかにも多くの素晴らしい書籍に出会い、宇宙の真理と人間の知性に触れられること間違いなしです!

鞄図書館 (全4巻) Kindle版

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