落語が結ぶ、幼い狸と謎の美女
「まめだ」は、退屈な生活を強いられる狸の里を出て大阪へ来たばかりのメスの若い狸。
「人間を化かしてやる!」と意気込んだものの、変身しても、葉っぱを物に変えても次々に人間に見抜かれてしまう。ついには黒髪のショートカットが美しい女性に、近寄っただけで狸だと一瞬で見抜かれ、まめだは酷く落ち込むのだった。
気をとり直した次の日に、落語の寄席(よせ)に人だかりが出来ており興味深く覗くと、昨日の黒髪の女性が「大黒亭文狐」という名で一席設けており、まめだは彼女の落語に圧倒され、化かされてしまうー!
人を化かしたいたぬきの女の子が、逆に美人師匠に化かされちゃう話① pic.twitter.com/oMzblLk4cZ— 𝙏𝙉𝙎𝙆@しっぽな1巻9月6日発売! (@tnsk) September 6, 2019
まめだは文狐に弟子入りしようとするのですが、そこでもひと悶着ありーーと、ドタバタと序盤は始まります。
また、TNSK先生の絵柄が可愛らしいので、「落語」という一見すると難しいジャンルに引き込まれるには充分すぎる導入です。
まめだや「しらら」のような可愛い系のキャラが可愛いのはもちろん、普段はクールな文狐が、落語を始めると表情豊かになるギャップが最高です。
「笑われる」落ちこぼれから「笑わせる」落語家への成長物語
まめだは落ちこぼれであるが故に、馬家にされて「笑われる」ことが「得意」とまで言ってしまうからこそ、人々を「笑わせる」文狐を見て憧れるという文脈の綺麗さが1巻の時点で太い芯としてあり、「化かしてやる!」という言葉が「笑わせてやる!」に変わってゆく物語なのかなと。
1巻では、まめだが落語の席に着く気配すら見えないため、この先に落語家になっていくであろう彼女の成長を追っていけるのが楽しみです。
師匠の文狐は「化け狐かもしれない」という点すら明言されておらず、かなり謎が多い人物(?)なので、師弟共に深堀りがどんどんありそうです。
2巻以降はストーリーの動きが、キャラクター達の活き活きとした動きと同じくらい大きいのもになると期待してしまいます!
電子書籍だけの豪華版がオススメ!
石黒正数先生や幸村誠先生がイラストを寄稿した「電子特装版」が出ているのも珍しい試みかな、と。
続きましての『うちの師匠はしっぽがない』1巻電子限定特装版ファンアートは、望月けいさん(@key_999 )! 超絶スタイリッシュ…ッ!です!#しっぽな
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落語の基礎知識なくてもまったく問題ありません😚 pic.twitter.com/OvF5zrEaM3— アフタヌーン (@afternoon_manga) September 8, 2019
アフタヌーンの公式アカウントでも何点かイラストが公開されており、しかも1巻から特装版が出ているので、編集部の期待もビシビシ感じます。
紙で買ったんですが、これは電子版もほしいです…!
まめだの可愛さと文狐の美しさに夢中になること間違いなし!ぜひ手にとって2人(?)の師弟関係が進展していくのを追っていきましょう!