お礼は見てのお帰り

石川優吾/著

朝8時30分、プラットホームに入ってきた電車の起こした風が、電車を待っていた女のスカートを巻き上げた。振り向いた彼女は周囲で茫然としている男どもに「こういうときは礼を言うものだ」と言い残してひとり電車に乗り込むのだった。その後も彼女は、浮浪者を元気づけ、お婆さんを引きかけた暴走族をやっつけてしまう。彼女は一体何物?

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