私は文房具が好きです。
使うのは勿論、眺めているだけでも楽しいです。
それを特に公言している訳でもないのに、何故かよく人から文房具をプレゼントされる機会が多く、それが自分好みのデザインや色のアイテムだったりすると「私の好みを相手は考えて選んでくれたんだなぁ」と感じ取れて嬉しくなります。
文房具に込められた想い
『きまじめ姫と文房具王子』の主人公・姫路かの子も、文房具好きな青年のと出会いがきっかけで恩師から贈られた万年筆に込められた「想い」を知ることとなります。
かの子は大学の恩師・伊勢崎教授に片想いしていましたが、結婚する事を知った事をきっかけに伊勢崎に打診されていた京都の大学への講師としての就職を決めました。
その際の餞(はなむけ)にと贈られたのが「ペリカン」というメーカーの「101ラピスブルー」という希少価値の高い万年筆。
それを知った文房具マニアの同大学講師・蜂谷に譲って欲しいと懇願されます。研究室の相部屋の相手でもある蜂谷は初対面であるかの子に対し
部屋に溢れた文房具を触るなと言ったり、万年筆が欲しいという理由だけでかの子に交際を申し込んだり
と文房具に関してエゴイストな面を見せつけ最悪な第一印象を与えました。
不快に思いながらも、失恋を忘れる為にと蜂谷に万年筆を譲ってしまうのですが、そこに彫られた「K」のイニシャルと、メーカーが「ペリカン」をモチーフにした由来から伊勢崎のかの子に託した想いを理解して万年筆を返します。
その一件でかの子は蜂谷と信頼関係を築いていき、文房具の世界に一歩足を踏み入れていきます。
歴史と、文房具と
いくつかある作中の文房具に込められた「想い」のエピソードで、個人的にとても気になっているものがあります。
それは、吉田茂がサンフランシスコ講和条約で署名する際に使用した万年筆について。
定説によるとシェーファーというメーカーのデスクペンであると言われているそうですが、かの子は何か吉田茂自身が何かしらの思惑があって選んだ万年筆なのではないかと想像します。
これについて本編ではまだ答えは出ていません。
ネットで何でも簡単に調べられすぐに答えを知ることはできるでしょうが、インターネットではなく物語として、かの子がどんな答えを導きだすかを見届けたいと思います。
進化する現在の文房具についても学べます
既存の文房具の歴史を紹介し知的好奇心が満たされるのも魅力ですが、本編では蜂谷が顧問を担当する「文具研究会」に所属する学生達が「新しい文房具を作る研究」に日々奮闘する様子が描かれています。
現在の時代を反映した文房具を知ることが出来るのも興味深く、見てるこちらもどんな文房具が生まれるんだろう とワクワクさせられるのも楽しさのひとつです。
今回「忙しさに負けない文房具」をテーマとしたコンペに、研究会が一丸となり挑戦しています。
「忙しさに負けない」とは何だろう?と考える機会があり、キャラだけではなく私達読者にも考えさせられる内容となっています。
デジタルの普及により以前より文房具に触れる機会は少なくなったかもしれません。
けれど、これからも文房具は無くならないで側に存在し続けて欲しいアイテムです。
『きまじめ姫と文房具王子』で文房具の今と昔を知り、いつもより少しワクワクした気分で文具屋に足を運んでみませんか?
✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊✍️🏆🎊
現在、ヤングジャンプが40周年を記念して総額1億円の漫画賞を開催中です。デビューするチャンスは誰にでもアル!