1分でわかる『のんのんびより』
舞台は家の戸締まりが不要なくらい平和な田舎町
主役は同じ学校に通う、学年の違う5人の生徒たち
彼らが学び、食し、遊び倒す。それだけで私たちは癒やされる!
作品概要
『のんのんびより』は、月刊コミックアライブで連載されている作品です。2010年3月に単行本の第1巻が発売されて以来、10年以上もの間続刊を出し続けており、マンガに癒やしを求めるファンたちに愛されています。
舞台はとある田舎町。旭丘分校という学校に通う、学年が様々な4人の少女たち(と1人の男子生徒)が中心となって物語が進行します。全校生徒がたったの5人しかいない田舎の学校を中心に、デパートなし、カラオケなし、コンビニなしの環境で生活を送る彼女たちのスローライフを楽しむ作品です。
あらすじ
とある田舎町の学校・旭丘分校により、物語が幕を開けました。
小学5年生の蛍がクラスを見渡すと、「この問題全然わからん…」と勉強を放棄しようとしている中学1年生の夏海。ちょっかいを出してくる夏海を邪険に扱う姉の小鞠。問題集と向き合いウンウンとうなずく彼女たちのお兄さんがいます。
彼女たちが通う学校は全校生徒がたった5人。1クラスのなかで学年の違う子供が同じ授業を受けるような、田舎の学校なのです。
「ウチもう問題集できたー」と声を上げるのは小学1年生のれんげ、彼女を含めた5人でこのクラスの紹介は終わりました。そして「誰かボール遊びにいきませんかっ!!」という夏海の号令を聞き、一斉に校庭へと向かいます。
今日もまた、彼女たちの穏やかな日常が始まるのです。
登場人物
宮内 れんげ(みやうちれんげ)
旭丘分校に通う小学1年生。あだ名は「れんちょん」。学校の中で最年少の女の子です。「のん」「なのん」「ん」「な」などの聞き慣れない語尾を操り、自らの世界観を展開しています。
独特な感性の持ち主で、実家に住み着いた狸に「具」と名づけたり、姉のひかげを描いた似顔絵に「苦悩」というタイトルをつけたりと、常に周囲の一歩先を歩いている様子。
ときおり小学1年生とは思えないような本質的な疑問を投げかけたり、中学生でも言葉が詰まるような正論をぶつけてきたりする味わい深いキャラクターです。
一条 蛍(いちじょうほたる)
旭丘分校に通う小学5年生。あだ名は「ほたるん」。小学5年生にして大人と見間違われるほど身長が高く、大人びた女の子です。両親の都合により最近引っ越してきたばかりで、それ以前はずっと東京に住んでいました。
身長が高いからか、東京に住んでいたという境遇のせいか、旭丘分校の中でもひときわ大人びています。その小学生離れした容姿は、一穂に「それより君は本当に小五ですか」と言われるほど。
本人や周りにはバレていないものの、小鞠のことが大好き。その愛は、自宅でおびただしい数の「こまぐるみ」を製作してしまうほどです。
越谷 夏海(こしがやなつみ)
旭丘分校に通う中学1年生。あだ名は「なっつん」。物事が難しい方向に転じそうな気配を感じたらとりあえず外に出て遊ぶことを提案するほど、考えるのが苦手で遊びが大好きな女の子です。
彼女の手にかかれば何でも遊びになります。タマネギでキリギリスを釣ったり、干すための柿に顔を彫ってみたり、ただの粘土遊びに独自のルールを勝手につけ加えてみたり。とにかく遊び上手な女の子。
本作全体を通したムードメーカーです。
越谷 小鞠(こしがやこまり)
旭丘分校に通う中学2年生。あだ名は「こまちゃん」。女生徒の中では最年長のお姉さんにもかかわらず、身長が140cmに満たないために周りからは妹のように愛されている女の子です。
大人への憧れから、なにかと背伸びしたり自分が姉であることを強調したりするものの、海に行けば迷子センターに連れて行かれ、出店に行けば「お嬢ちゃん」と言われてしまう始末。
身長を気にしている一面も、とばっちりで夏海と一緒に怒られたりする一面も、全て読者の癒やしとなるので何も問題ありません。
越谷 卓(こしがやすぐる)
旭丘分校に通う中学3年生。夏海と小鞠の兄であり、旭丘分校に通う学生の中で最年長な男の子です。
彼以外が女子生徒で構成されている旭丘分校において圧倒的に存在感がなく、そもそもセリフが割り振られていません。ときおり思い出したようにぞんざいに扱われてしまうキャラクターですが、魚の下処理ができたりギターが弾けたりと器用なため、読者にとっては強烈な存在感があります。
宮内 一穂(みやうちかずほ)
旭丘分校でれんげたちのクラスの担任を務める先生。宮内、という名字からわかるように年の離れたれんげの姉です。
見た目も性格もゆるゆるとした印象で、常に覇気がありません。細目なためわかりにくい、というのをいいことに課題を解かせている最中に居眠りをしてしまうようなマイペースさがあります。しかし子供たちを連れて沖縄に旅行に出た際は年長者として集団を俯瞰し、頼れる一面も見せました。
宮内ひかげ(みやうちひかげ)
旭丘分校の卒業生で、現在は高校1年生。一穂の妹であり、れんげの姉。
中学までは地元で旭丘分校に通っていましたが、今は東京の高校に通っている女の子です。夏海や小鞠とは共に旭丘分校に通っていた時期もあるため、1人だけ先に東京に出たことで「都会人風」を吹かせています。しかし蛍が引っ越してきてからはメッキが剥がれ、やはり田舎の血筋が濃いという事実を思い知らされてしまう愛されキャラです。
加賀山 楓(かがやまかえで)
旭丘分校の卒業生で20歳の女性。あだ名は「駄菓子屋」。実家を引き継ぎ駄菓子屋を経営しています。
そっけなくぶっきらぼうな態度をとるため、れんげには不良だと思われている様子。しかし実際はそんなことはなく、なんだかんだ悪態をつきながらもれんげのためにバイクを出したり料理を作ったりと、世話焼きな一面があります。子供の頃は宮内姉妹に代わって子守をしていた経験もあるため、一穂やひかげがいるような場面でも、れんげは楓についていくようになりました。
富士宮このみ(ふじのみやこのみ)
旭丘分校の卒業生で、現在は高校3年生。
越谷家の隣に住んでいるため、学校を卒業した後でも気軽に遊びに来るような間柄です。普段は物腰が柔らかく、一歩引いた距離から旭丘分校のメンバーを見守っています。しかし時に強引な部分もあり、妹のような越谷家の2人や、年齢の近いひかげに対してなにかと有無を言せない一面も。
作品の魅力
『のんのんびより』の魅力は、超がつくほどの田舎で繰り広げられる何気ない日常です。
芸術の秋にはお絵かきをしたり、休みの日になれば駄菓子屋に遊びにいったり、ちょうどいい草むらを見かけたらタマネギでキリギリスを釣ってみたり。
そして時には、慣れない電車に揺られてながら海水浴に出かけることも。
とにかく平和で穏やかで、ゆるやかに日常が流れていきます。
彼女たちの姿こそ、私たちが想像する理想的な田舎暮らしを体現している、と言えるのではないでしょうか。
例えば、スマホやパソコンは便利でなんでも知ることができる一方で、知らず知らずのうちに情報を摂取するという行為に縛られてしまいがちです。そんな日々に疲れ切った私たちの頭には、田舎でマイホームを構えて伸び伸びと暮らしたい、そんな夢を思い描く瞬間が多くなります。
大人も子供も、時には快適な暮らしを手放して大自然に身も心も委ねたい。そんな私たちの理想が、彼女たちの暮らしには込められています。
忙しい現実から背を背けるのはあまりに難しく、挑戦しようにも中々実現できません。
それでも本作は、日々の息苦しさを感じ始めたアナタを田舎の暖かさで包み込む、そんな優しい作品なのです。
名言
アニメ情報
『のんのんびより』は、これまでにTVアニメ第1期とTVアニメ第2期が放送されています。2020年1月にはTVアニメ第3期の放送が予定されおり、タイトルは「のんのんびより のんすとっぷ」に決定しました。
第3期「のんのんびより のんすとっぷ」
STAFF
原作 | あっと |
監督 | 川面真也 |
シリーズ構成 | 吉田玲子 |
キャラクターデザイン | 大塚 舞 |
音楽制作 | ランティス |
アニメーション制作 | SILVER LINK. |
(一部抜粋、敬称略)
CAST
宮内れんげ | 小岩井ことり |
一条 蛍 | 村川梨衣 |
越谷夏海 | 佐倉綾音 |
越谷小鞠 | 阿澄佳奈 |
越谷 卓 | ??? |
宮内一穂 | 名塚佳織 |
宮内ひかげ | 福圓美里 |
加賀山楓 | 佐藤利奈 |
富士宮このみ | 新谷良子 |
(一部抜粋、敬称略)
第1期「のんのんびより」
第2期「のんのんびより りぴーと」
映画情報
2018年8月25日より、のんのんびよりシリーズの劇場版アニメ「のんのんびより ばけーしょん」が公開されました。現在は全ての映画館で放映が終了しており、dアニメストア、Netflixなど、各種動画配信サービスにて視聴できます。
イベント情報
「にゃんぱす祭り ばけーしょんなのん!」
「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」のスペシャルイベントにあたる「にゃんぱす祭り ばけーしょんなのん!」が、2019年5月11に「横須賀芸術劇場 大劇場」で開催されました。
イベントにはTVアニメでそれぞれのキャラクターの声優を担当したキャスト陣が参加し、劇場版やこれまでのアニメ作品を振り返るトークイベントを展開。最後にはTVアニメ第3期にあたる「のんのんびより のんすとっぷ」の制作が発表されました。
劇場版 のんのんびより ばけーしょんスペシャルイベント にゃんぱす祭り ばけーしょんなのん!とっても楽しかったんなー。
ウチ、おもいでたくさん作れたん!帰ったらこれも絵日記に描くん。
おうちにかえるまでがイベントってねぇねぇが言ってたん。
みんなにまた会えるん楽しみなんなー!#なのん pic.twitter.com/Jgw6q0w5F1— 「のんのんびより」公式PRツイッター (@nonnontv) May 11, 2019
受賞歴
「にゃんぱすー」【金賞】2013年アニメ流行語大賞(ガジェット通信主催)
作者情報
著者:あっと
『のんのんびより』の著者。前作である『こあくまメレンゲ』の頃から「月刊コミックアライブ」で連載を続けてる作家です。『のんのんびより』の設定は『とことこ』という読み切り作品から引き継がれており、自宅の周辺や祖父母の家がモデルとなっている、と語られています。