『ふしぎの国のバード』の最新刊8巻が2021年4月15日に発売されました!
東京から始まった旅も東北地方の秋田県に入り、いよいよ北海道の蝦夷が近づいてきました!8巻では、幸運にも結婚式を明日挙げるという娘に出会い、婚礼の儀に参列することを許されたバードたち。「婚姻は家族を編み、家族は文明の根となる」と語るバードが見た伝統的な結婚式とは⁉日本の地方文化に触れる巻となっています!
『ふしぎの国のバード』とは
ディスカバー・ジャパン これは、古き良き日本文化を取り戻すための物語。時は明治初頭、東京から蝦夷までの地図なき道を旅したイギリス人がいました。その名はイザベラ・バード冒険家。彼女の目的はただ一つ、滅びゆく日本古来の生活を記録に残すことでした。通訳の伊藤鶴吉(イト)を一人連れ、日本人すらも踏み入ったことのない奥地への旅を記した旅行記です。
本作品は実在する旅行記、「日本奥地紀行」を元にこの作品が初のコミックスとなる実力派新人佐々大河先生がコミカライズ化した作品で漫画誌ハルタ(KADOKAWA)にて連載されています。
1話試し読みはこちらからどうぞ!
実際にあった「嫁盗み」の風習
現代社会においても婚姻に関する風習はその土地の文化を強く反映しているのではないでしょうか?バードが出会った婚礼前の娘は、家柄の違いで結婚を許されなかった2人が、男性と共に駆け落ちする途中、途中で見つかってしまいましたが、そのまま心中されては家名が汚れるということで結婚が許されたのでした。
朝な夕なに先祖を祀り 自らも死して後 子孫から供養されることにより 幸せが永久(とこしえ)に続くと信じます
家の繁栄をたゆまず守っていくことが何より大切で、夫婦だけの問題ではない婚姻の意味。肩を寄せ合い、協力して生きていかなければいけない時代において、相手よりも家族を重んじるというのは当たり前でした。
現代において自由な恋愛が当たり前なのは、時代の流れだけでなく、個人が経済的に自立できるようになったことで、家族という帰属意識を薄めていったという背景もありそうです。
【4月15日発売】『ふしぎの国のバード』8巻(著・佐々大河)
秋田に着いたバードたちは、宿屋の娘の結婚式に参列することに! 古い伝統が残る東北地方の婚礼は、英国人の目にどう映るのか?
女性冒険家イザベラ・バードの日本文化紀行。
しきたりの中で家族の絆が紡がれる最新刊! pic.twitter.com/4PEAlUPWzD— ハルタ (@hartamanga) April 12, 2021
物語は秋田市を抜けて道なき道へ
脊髄に持病を持つバードが厳しい旅路のなかで無事に函館に着くためには、タイムリミットがありました。秋田市を抜け、命からがら増水した川を渡ったバードたち。限られた食料で、青森を目指します。東北の山林をではどんな出会いが待っているのか?明治初頭の地方の日本文化を伝える作品は少ないので、今後の展開が楽しみな作品です!
海外での日本を知る描き下ろし番外編
バードが日本に来る前、パリ万博に招かれた一行の一人、曲芸師・松井源水の話が巻末に書き下ろされています。パリ万博について調べてみると、そこには将軍慶喜の弟・昭武が貴賓として招かれており、日本の資本主義の礎を築いた渋沢栄一も随行していました。奇しくも一行がパリ万博でヨーロッパを訪れている間に、大政奉還が行われたという当時の激動する日本情勢も知ることができました。
世界の中での日本を知る、『ふしぎの国のバード』に出てくる主要な人物は実在する人ばかりなので、マンガをきっかけに深堀してみるのもおすすめです!
日本を俯瞰から見てみる
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