気付けば秋も終盤に差し掛かり、冬が近づいてきました。
今年は自宅で過ごす時間が増え、外出時はマスクを着用するようになったので、季節を感じる瞬間が少なくなってしまいましたね。あっという間に過ぎ去る季節に、寂しさや焦りを感じているのは私だけではないはず。そんな方々にお勧めしたい作品が『ぽんこつポン子』です。
移り変わる季節の匂いや音をたおやかに読者に感じさせてくるこの作品を読むことで、鈍くなってしまった季節の感覚がきっと蘇ってくるはずです。
「ぽんこつポン子」ってどんな作品?
近未来の日本、さびれた田舎町に一人で住む老人のゲンさん。彼のもとに派遣されてきたメイドロボットがポン子でした。
ロボットとはいえ、旧式タイプのため失敗ばかりのポン子。
老後を静かに暮らそうと思っていたゲンさんは、ポン子に振り回されるばかり。頑固な老人とぽんこつロボット、二人の新たな生活が始まります。
丁寧に描かれる季節の移ろい
この作品の魅力の一つは、季節の移り変わりが丁寧に描かれている点です。
🏖夏まっさかり!
🦗夏の終わり
🌾実りの時期
移り変わる季節を見ていると、ポン子たちの生活が身近に、そして豊かに感じられます。また、不思議と子供時代の思い出が蘇ってきて、郷愁さえ感じてしまいます。
ポン子の街にも秋到来
2020年10月に発売された7巻では、本格的な秋の季節がポン子たちの街にも訪れます。
🌕お月見
🍠芋ほり
夜が冷えてきた時の匂い、土の手触り、外で食べた焼き芋の味。昔経験した秋の思い出が蘇ってきます。
🍂秋は生活の中にも
季節を感じさせてくれる描写は、秋のイベントごとだけではありません。
紅葉に降り注ぐ冷たい雨。引っ張り出した暖房器具。沈むのが早くなった夕陽。
私たちは季節の中で、季節と共に生活していることを、この作品は思い出させてくれます。
『ぽんこつポン子』を読んで、街を散歩しよう!
季節の過ぎゆくスピードに焦りや寂しさを感じている方は、『ぽんこつポン子』を最新刊の7巻までぜひ読まれてみてください。移り変わりゆく季節の中で私たちは生活していることを、この作品は実感させてくれます。
そして、『ぽんこつポン子』を読み終わった後は、外を散歩されてみることをお勧めします!季節を感じる感覚が養われた私たちなら、今まで気付けなかった秋の風景にきっと気付けるはずです。
見えていなかっただけで、季節はいたるところで感じられる。『ぽんこつポン子』は私たちに、今ここにある季節を見つけさせてくれる作品です。