まじめな会社員

冬野梅子 / 著

『まじめな会社員』に遅れてきた青春の行く末。憧れと現実の境目をあてどなくさまよう生き地獄コメディー!

読み切り『普通の人でいいのに!』が大きな話題になり「コミックDAYS」歴代トップのPVを獲得。そんな冬野梅子先生の最新作『まじめな会社員』の単行本第1巻が2021年12月8日に発売されました!

東京に生きる30歳の派遣社員はコロナの蔓延する今の時代になに思うのか。いっけん平穏な日常エッセイマンガですが、くりだされる鋭利な観察眼は毒にも薬にもなる。そんな多面性のあるマンガです!

単調で楽しくない毎日に突然訪れた運命の出会い

主人公、菊池あみ子は東京で生活する30歳。契約社員としてアプリのメールサポートの仕事をしており、単調で楽しくないけど特別不満もありません。

彼氏はもう5年いません。アプリを使い積極的に出会いを求めてはいるものの、いざ男性と食事に行くと出てくるのは定型文の会話ばかり。定型外で出てくるのは「帰りたい」という本音くらいです。

一人でどこにでも行ける一人前になったのに、この何か足りない感じ

そんなあみ子は、参加した読書会で気になる相手に出会います。相手は普段から読んでいたWEBサイトで書評を書いていた男性。読書会で取りあげられていた海外マンガの解釈が合致した瞬間、彼女の心は名画「アダムの創造」のごとく命を吹きこまれるのです。

大人になっても青春ってあるんだ!

連絡先を聞き、ひとり家路につく彼女の足取りは軽く、気持ちは高揚しているのでした。明るい未来の訪れを予感するあみ子でしたが、先ほどの男性にはすでに特定の相手がいたのでした……。

思い当たるところの多すぎる刺激的な名言の数々

日常エッセイのように、リアルな社会人の生活を描く『まじめな会社員』が非凡なポイントは鋭い観察眼であり、それを表す刺激的なセリフの数々でしょう。

社会人として常に正解をもとめられるなか、「振る舞いのトレンドをおさえる方が簡単で、物事の意味を考えるより見返りが大きい」と割りきっていたり、会社でつつがなく過ごしていくうえで「波風立てずに働きたいなら、外見以上に目立ってはいけない」「いっそのこと「変人・菊池さん」に徹した方がコスパがいい」なんてセリフが出てきたり。

誰もが一度は頭をよぎったことがあるけれど、なかなか面と向かって言うことができない率直すぎる言葉にあふれているのです。そんな解像度の高いセリフの数々にはどんな人でもヒザを打ってしまうこと間違いありません!

賛も否もまきこむ圧倒的なリアリティ

前作の読み切り『普通の人でいいのに!』もそうだったように、冬野梅子先生の作品は必ずしも共感一辺倒で出来ているわけではありません。感想のなかには「なにもわからなかった」「共感するところがなかった」なんていう声もありました。

今作においても、あみ子は東京という大都会に住み、イベントや読書会に気軽に通い、いきつけの喫茶店もあります。そんな生活は縛られるものがなく自由で青春を謳歌しているようにも見えます。しかしあくまでも彼氏がいないアラサーの平凡な派遣社員であり、普通であることから抜け出せない真面目なだけの人物という描き方をされているのです。

そんなギャップが存在することによって、読む人によって見え方や感じ方がおおきく違い、様々な感想を生みだす多面性に繋がっています。

その上、前述したように圧倒的な解像度で描かれるそのセリフや描写には、誰しも目線を外すことを許されない強さがあり、抱いた感想が賛であれ否であれ、なにかしら心を動かされてしまうのです。

ぜひ自分自身の目でこの「働く! 生き地獄コメディ」と称されたマンガを読み、みなさんの心にはどう映るのか感じてみてください!

年開け2022年1月12日には第2巻が発売予定!

『まじめな会社員』は「コミックDAYS」にて連載中! 毎月第2第4火曜日に更新予定です。第1話、第2話及び、最新の2話は無料で読むことができます。誰よりも先に読みたい方は「コミックDAYS」をチェックしましょう!

また2022年1月12日にはもう単行本第2巻の発売が予定されています。第2巻では前述した読み切り『普通の人でいいのに!』も収録予定です。まじめなだけの会社員の恋の行くすえをぜひチェックしてください!

まじめな会社員(1) (コミックDAYSコミックス)
冬野梅子/著

OGP及び記事内画像はプレスリリースより
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003495.000001719.html