アマネ†ギムナジウム

古屋兎丸 / 著

『アマネ†ギムナジウム』美少年の人形と創作者が織り成す切なくて美しい物語

俳優の菅田将暉さん主演作『帝一の國』の原作を手掛けたマンガ家・古屋兎丸先生の作品は、高い画力と耽美な人物描写が特徴的です。

その古屋先生の作風を存分に発揮した作品『アマネ†ギムナジウム』は、多くのマンガ家に影響を与えた萩尾望都先生の代表作『トーマの心臓』に登場するヨーロッパの学校「ギムナジウム」を題材にしています。

登場人物とあらすじ

主人公・天音はアマチュア人形作家兼派遣OL。

人と関わる事が苦手で、いつも中学時代に描いた妄想を詰め込んだ「アマネ†ギムナジウム」と名付けたノートを読み返してはいつか自分のギムナジウムを創作することを夢見ていました。

ある日人形作家の師匠である画材屋の老人・徳一に人形制作用の粘土を譲り受けます。さっそく自分のギムナジウムを創作すべく、7体の少年の人形を作りあげた天音。

その粘土には不思議な力があり、作った人形にキスをすると突然動き出したのです!

人形である彼らは、自分が人形である事を知らず天音の考えたキャラ設定と世界観の中で生きている様に振舞います。

そこで天音は自宅に彼らのギムナジウムを作り、その中で生活をさせる事に。

優等生でリーダー格のフィリクス

美形だけど言葉遣いや態度が荒いヨハン

強がりだけど泣き虫なダミアン

知的好奇心旺盛なメガネキャラのオットー

フィリクスに劣等感を抱くゼップ

天然パーマで子犬の様に可愛らしいテオ

不思議な力を持つエルマー

そんな、個性溢れる彼らとの奇妙で楽しい共同生活がはじまりました。

しかし楽しいと感じていたのも束の間、人形達はノートに描いた設定通りに動く為、次第に天音が過去に描いていたドロドロした人間関係に変化していきます。

また、ノートに描いていたストーリーの結末は大きな悲劇へと続く内容であり、天音の深層心理に関わりがある事が次第に見えて来るのでした。

創作と人の心

人が創作するという行為は、一種の精神的な癒しである一方で、突き詰めるといずれ自分の心と向き合っていく為の手段でもあると思います。

果たして天音は創作を通じて一体どんな想いと向き合うのでしょうか。

『アマネ†ギムナジウム』は、織物の様に丁寧で美しく想いと物語が編まれている作品です。

最終巻では古屋先生と萩尾先生の対談も収録。読み応えがあり、両者のファン必見です。

『アマネ†ギムナジウム』はpixivコミックで読む事が出来ます。

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