アンタイトル・ブルー

夏目靫子 / 著

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祝!2巻発売『アンタイトル・ブルー』 元神童画家と名前を出せない天才が画壇を震わす物語

夏目靫子(なつめゆきこ)先生がマンガアプリ「Palcy(パルシィ)」で連載中アンタイトル・ブルーの2巻(紙書籍版)が2021年9月22日に発売されました。おめでとうございます!(※電子書籍版は2021年9月13日に先行発売済です)

アンタイトル・ブルーはスランプで筆を折った画家・あかりが謎の青年・と共謀し、ゴーストライターとして画壇で活動し始めるアート×サスペンスもの。画家の葛藤や情熱といった感情がリアルで、ハラハラするのに面白い!

アンタイトル・ブルーのあらすじ

かつて神童と呼ばれたものの筆を折り、家族を養うため美術予備校で働く主人公・あかり。ある日、何度も描いた大好きな浜辺でケガをした青年・臣と出会います。

アンタイトル・ブルー

コートを着たままずぶ濡れで海から現れ、通報すれば自殺するとほのめかす臣。常識で考えたら不審者です。しかしあかりは放っておけず、家に連れて帰りました。なんて良い子…!

家に着いた途端に臣が倒れてしまったので、あかりは彼の身元が分かるものを探すことに。するとなんと財閥との関係を匂わせるものが…!?

アンタイトル・ブルー

一方、目覚めた臣は家を勝手に歩き回り、あるモノを見つけました。彼に気づいたあかりは怒りますが、臣は謝るどころか絵を描き始めます。やっぱり通報しなよ!という展開ですが、あかりは臣の天才的な絵の才能を見せつけられ、目が離せません。

アンタイトル・ブルー

そんなあかりに臣は提案します。

臣が絵を描き、画家・荻原あかりの名前を貸して世に出す」「代わりに名誉とお金をあかりが受け取る」。つまりゴーストライターの取引です。あかりは困惑しつつも、画家の夢を諦めきれず臣と共謀する道を選びます。

ゴーストライターなんて周りにはバレないの?2人の嘘はどうなっちゃうの?臣は何者?など、物語には謎がいっぱい!2人には嘘には家族やお金も絡み、エモーショナルな人間ドラマとしても楽しめる作品に仕上がっています。

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根底にあるのは絵への情念

アンタイトル・ブルー「何者かになりたかったけど、なれなかった人」の胸にとりわけ刺さるものがあります。なぜなら主人公・あかりは挫折を経験し、それでも立ち上がった人間だからです。

アンタイトル・ブルー

あかりの胸にあるのは「画壇にもう一度自分の足で立ちたい」「臣の隣に立ちたい」という思い。と同時に「ゴーストライターとしては嘘をついても、絵に対しては真摯でありたい」という願いでもあります。葛藤しつつも前に進むあかりの姿は熱く、眩しいです。

絵に限らずクリエイターの葛藤や苦しみを描いたストーリーはどうしても重くなりがちですが、あかりは迷いながらも乗り越えていくため、読んだ後はむしろ爽快感が残ります!

言葉にあてはまらない2人の関係性

あかりと臣のラブとは言い切れない微妙な関係性も『アンタイトル・ブルー』の魅力。物語を読み進めると、2人は偶然出会っただけの共犯者ではないことが分かります。

アンタイトル・ブルー

友達と呼ぶには親密で、恋人というには微妙な距離感の2人。恋愛関係というよりはライバルに近く、「これだ!」と一言で表すのが難しい関係性です。だからこそ『アンタイトル・ブルー』を読むことで2人を知り、読者それぞれの心の中で咀嚼してほしいです。

二度見してしまう!絵柄のギャップ

夏目先生は『アンタイトル ・ブルー』と同時に雑誌「BE・LOVE(ビーラブ)」で『おこしやす、ちとせちゃん』も連載中です。こちらは京都を舞台に子ペンギン・ちとせちゃんがお散歩する癒しのショートストーリー。

おこしやす、ちとせちゃん

一方、『アンタイトル ・ブルー』はシリアスシーン多めのサスペンスドラマ。特に2巻では不良マンガに迷い込んだかのようなシーンやモブキャラも登場します。

同じ作者さん!?と初見で驚いたちとせちゃん読者は私だけではないはず。と同時に、絵やキャラといったマンガ作りの引き出しの広さも伝わってきます。おこしやす、ちとせちゃん』未読の方は是非「Palcy」などで読んでみて下さい!

同じ作者の別の作品も読むことで、先に読んだ作品との違いや新たな良さに気づく楽しみも味わえますよ!

👆『おこしやす、ちとせちゃん』1話を読む

2人の吐いた嘘の行方は?

1巻ラストは聖という謎の青年が登場し、あかりに「お前嘘吐いてるだろ」と迫るヒキの強いコマで終わりました。続く2巻では聖があかりの弟・透真に急接近するなど不穏な動きを見せ、終盤では臣の父があかりと臣の前に現れます。

順調と思いきや、綻びを見せ始める臣とあかりの関係性はどうなってしまうのか?気になる2巻の続きは、マンガアプリ「Palcy」で無料チケットを使って読めます!

👆1話をPalcyで試し読み

芸術の秋にぜひ、『アンタイトル ・ブルー』で日本画界の熱いドラマを楽しみましょう!

🖌『アンタイトル ・ブルー』は「Palcy」で連載中

アンタイトル・ブルー (全2巻) Kindle版

OGP及び記事内画像はPalcy編集部許諾の元掲載しています。快く許諾していただきありがとうございます。
©夏目靫子/講談社