現在、週刊ヤングマガジンで連載中の『アンダーニンジャ』は、あの人気作『アイアムアヒーロー』の花沢健吾先生最新作。
主人公雲隠九郎を中心に、現代を生きる忍者たちの生活と戦いを描いているのですが、これまでの忍者マンガと比べとてもリアルなのです。フランスやスペインをはじめ海外でも注目を集めている本作、今回はその魅力に迫りたいと思います!
舞台は現代、職にあぶれたマイペース忍者 雲隠九郎
太平洋戦争終結後、各国兵士も恐れる武装集団だった「忍(NIN)」組織はGHQによって解体される。しかし忍者は今も生きていた、その数20万人。忍の技術を如何なく発揮し暗殺に従事する者や一般人に紛れ国民を監視する者、そして中には職にあぶれる者もいた。
雲隠九郎は、17歳で無職の末端忍者。暇を持て余す九郎は職を探すでもなく、同じアパートの住人達と昼から酒盛りをしたりゆる〜く暮らしていました。そんなある日、自室で手製の吹き矢で遊んでいた九郎にキャリア忍者の加藤から「忍務」が与えられます。
九郎の忍務は近所の講談高校へ潜入すること。一見なんの変哲もない忍務。しかしこの忍務を引き受けたことで、物語の歯車がゆっくりと動き始めます。
生活感と殺伐さが同居する、リアル忍者マンガ
忍者と聞くとどんなイメージを持ちますか?全身黒装束?火や水を自由に操る?カッコいい服装にド派手な忍術が昨今主流の忍者像ではないでしょうか?
この物語に出てくる忍者は違います。宅配業者、役場の職員、ホームレスなど、一般人に溶け込み生活感溢れる日々を送っています。しかし、いざ戦闘が始まると日頃の姿とはガラリと変わります。徒手空拳・仕込みナイフ・超小型拳銃を駆使し、冷徹に敵を無力化していくのです。
また、作中に登場する透明パーカーなど最先端忍具の近未来感も絶妙。他にも、時折語られる歴史の影で忍者が暗躍したエピソードが、妙な現実感を持っています。こうして描かれるリアルな現代忍者の生き様が本作の魅力です。
まだ謎多き世界観、九郎は忍務を完遂できるのか?
日常生活で時折超人的な身体能力を見せる九郎ですが、忍務を引き受けた後も相変わらずマイペースな日々を送ります。忍務の準備をするそぶりを見せない九郎は、忍務を完遂できるのでしょうか?
そもそも講談高校潜入の真の目的は何なのか。なぜ雲隠一族は落ちぶれたのか。そして、国家転覆を目論む「アンダーニンジャ」とは...
まだまだ謎だらけの世界観をベースに、ゆるめの日常と突如繰り広げられる戦闘が、あなたを物語に引き込んでいくこと間違いありません。