『インハンド』は『リウーを待ちながら』の作者である朱戸アオ先生の作品です。
同作者の『ネメシスの杖』(『インハンド プロローグ1』)、『インハンド 紐倉博士とまじめな右腕』(『インハンド プロローグ2』)の続編にあたるマンガで、2019年には山下智久主演で実写ドラマ化もされています。
科学的なアプローチによって数々の怪事件を解決に導く天才寄生虫学者の活躍をぜひ!
天才寄生虫学者が怪事件に挑む!
箱根の植物園を買い取りそこを自宅兼研究所としている寄生虫学者・紐倉哲(ひもくら てつ)。
彼は乱雑で自己中な性格の変人ですが、科学者としての能力は抜群で、その力を大好きな寄生虫の研究に注いでいました。
しかし、内閣府の牧野巴(まきの ともえ)に借りのある紐倉は、彼女が持ち込む医療に関する事件の調査に協力させられることに…。
『インハンド』は、そんな変人天才科学者と、元医師で常識人の助手・高家春馬(たかいえ はるま)が数々の怪事件に挑む姿を描いた物語です。
炸裂する紐倉節
普段から歯に衣着せぬ物言いをする紐倉。
彼の発言は一見過激に見えますが、その内容は、はっとさせられたり、新たな視点を得られたりするものが多いです。
例えば、ドーピング問題に関する議論で、健康や平等性が損なわれるからドーピングはいけないという意見に対し、そもそも過度なスポーツは健康に悪い、トレーニング環境の差によっても平等性は損なわれているのではないか、という反論をしています。
この議論を聞くと、ドーピング問題はズルいからダメという単純なものではないのだと考えさせられます。
それ以外にも、科学技術の悪用や遺伝子操作といった現実でもよく話題になっている問題について紐倉は言及しており、その内容は興味深いものばかりです。
もちろん寄生虫に関するおもしろい話もたくさん出てきます!
そんな紐倉節にあなたもやみつきになるはず!
科学だけでは割り切れない人の想い
紐倉は様々な難事件を科学的なアプローチによって解決に導きます。
思いもよらぬ角度から事件が解決に向かっていく展開は見ていて痛快です。
しかし、そこには善悪で語れない犯人の葛藤や被害に遭った者の悲哀といった、事件を解決しても消えない人の想いが存在しており、そんなどうすることもできない人間の感情がありありと描かれているところも本作の魅力です。
そして、紐倉自身も右腕にまつわる過去を割りきれずに抱え込んでいます。
違法行為に手を染めてでも目的を果たそうとする行動力や、意外なほど広い人脈などはその過去と関係しているようですが、詳しく語ろうとはしません。
彼はかつて何をしていたのか、失った右腕にはどんな事情が隠されているのか… 気になるところです。
そんな謎多き寄生虫学者・紐倉の活躍をぜひご覧ください!
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