ギガントマキア

三浦建太郎/著

数億年に一度繰り返される地球規模の大災厄の彼方。その変わり果てた世界を舞台に語られる生命群の激突。神話の巨人を擁する帝国に、ただ一組の男女が挑む。男の名は「泥労守(デロス)」、女の名は「風炉芽(プロメ)」。彼らの目的と、この世界の成り立ちとは…? 圧倒的な想像力と筆力で描かれたSFロマン開幕!!

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【自分だけの武器をとれ】 これは1人の戦いの物語。 時間も場所もわからないどこか。 ある巨大な国家が辺境の小さな地域を飲み込まんとする。 それに抗うのは1人の戦士だった。 人間の歴史はグローバリズムの拡大の歴史でもある。 経済も権力も宗教も、はじめはこの世の片隅で生まれたものが、ほかを淘汰し、吸収し、成長して大陸を渡り歩くようになった。 それによって多くの恩恵はあった。 医療、教育、社会効率などなど。文明という光はあまねく全てを照らし出し、密林の奥地も砂漠のテントも同じ光で満たされた。 「だが、だからこそ失われたものがあるんじゃないか?」 この作品は筋肉と骨のゴツゴツが見えそうなほど力強い声でそう問いかけてくれる。 密林の奥地の歌も、砂漠のテントの言い伝えも、その人々にとっては価値のあるものだったんじゃないか? そしてそれは個人のレベルでも言える。 時代や社会、常識や空気、自分より大きなものに自分の方向や形を決められてしまうこともある。 自分の中にある密林やテントに、文明の光が侵入することがある。 もしもそれを拒むなら、自分だけの武器を取って欲しい。 密林の木々を弓に変え、砂漠の鉄で槍を作り、大きな流れに逆らって欲しい。 僕はこの作品からそういうものを受け取った。 そしてこの作品が好きになった。

2019年08月19日

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