デリバリーおじさん

岡悠/青野てる坊

48年間の人生が乗った名言が散りばめられた『デリバリーおじさん』惜しまれながらも堂々完結!

おじさん派遣業の「デリバリーおじさん倶楽部」に登録している48歳のおじさん、佐々木浩平。『デリバリーおじさん』とは、依頼人の悩みを聞いたり一緒にカラオケに行ったりするお仕事。いかがわしいサービスは一切なし。

少年ジャンプルーキーの2017年5月期ブロンズルーキー賞受賞からデビューした話題作『デリバリーおじさん』。おじさんの48年間の人生の重みが仕草や言葉にあふれていて、ワンシーンごとに胸に響く。今ならジャンププラスで完結まで無料で読めるので、まずは試し読みして欲しい。繰り返し読みたくなるほどハマること間違いなし!

岡悠/青野てる坊
デリバリーおじさん

デリバリーおじさん (ジャンプコミックスDIGITAL)
岡悠/著,青野てる坊/著

48歳のおじさんはまだ夢の途中

48歳にもなってアルバイトみたいな不安定な仕事をしているおじさん。読み進むうちに、おじさんが若い頃から変わらず、俳優という夢を追っていることを知る。『デリバリーおじさん』の仕事をつづけているのも、演技に活かしたいという想いからだった。

ある日、おじさんを呼び出したのは自分の夢に悩む一人の若者だった。内定も決まって安心したところで、自分には「俳優になりたい」という夢があったことに気づく。しかし、安定した職に就き普通に幸せになって欲しいと望む母は断固反対。父を亡くし、女手一つで自分を育ててくれた母を想い、自分の夢を押し通すことができずにいる。

おじさんは自分の経験を若者に語り始める…。

読み返して気づくおじさんの言葉の真意

完結まで読んでからもう一度読み返すと、おじさんが発するセリフが人生に裏打ちされたものだということに気づかされる。

「悩める人を応援する人間がひとりここにいるよと、少しでも行動で示せないか」

おじさんにも応援し、支えてくれる人の存在があった。

「大切なもののためなら、プライドを捨て頭を下げられる男だってカッコイイと…私は思うんだ」

何度も頭を下げてきたと語るおじさんが、地面にめり込むほど頭を下げるほど大切なものはあるのだろうか。

夢の途中にある人に贈りたい一冊

人物の表情から言葉には表しきれない感情がにじみ出ていて、デジタルで描かれたとは思えないほど熱量のこもった絵!コマの振り方にも丁寧に気を遣って作画されているのが感じられる。

「誰も理解はしてくれないとしてもなお、人生は孤独じゃないということです」

10月4日にデジタル版販売開始!

ジャンププラスで最終回が公開された日の24時半から原作の岡悠先生、青野てる坊先生がツイキャスライブを配信。深夜にも関わらず、延べ800人近くの人が集まり、「最高でした!」「素晴らしかった」などのコメントのほか、単行本化を期待するファンの声も多く集まり、あたたかい盛り上がりを見せた。次回作についても話が進んでいるようなので、先生方のTwitterをフォローして最新情報もチェックしたい。

2019年10月4日には『デリバリーおじさん』のデジタル版コミックスが販売開始!よかったらデジタル版も、デリバリーして下さいね!

デリバリーおじさん (ジャンプコミックスDIGITAL)
岡悠/著,青野てる坊/著