教育番組の体操のお兄さんが、優しい笑顔を振り向きながら大人の闇と悲哀を訴えるブラックコメディ『うらみちお兄さん』。そんな今話題の『うらみちお兄さん』を手掛けた久世岳先生の最新作『ニラメッコ』をご存知でしょうか?
2017年に行われた「第3回 次にくるマンガ大賞」ではWebマンガ部門で1位に輝き、2021年7月5日から待望のTVアニメの放送がスタートするなどの大人気作『うらみちお兄さん』。そこでお馴染みのシュールな笑いを感じさせながら『ニラメッコ』は「お笑い芸人」をテーマに知れざる苦悩や葛藤を描いたは夢に向かってがんばる全ての人へ贈る人生讃歌が描かれています。
今回は、そんな『ニラメッコ』のあらすじや魅力をご紹介します。
若手芸人たちの生き様を描く
ニラメッコというコンビで活動する、若手お笑い芸人の水吉令(みなよしりょう)と相方の朝木和(あさきやまと)。自分たちを含めた芸人5人でシェアハウスを送る彼らは「人を笑わせたい」一心で今日も舞台に立つのですが、容赦ない現実が彼らに襲い掛かります。『ニラメッコ』では、そんな5人の若手芸人たちの知られざる一面や葛藤を描きます。
ただ純粋に人を笑わせたい彼らの苦悩と青春
元キックボクサーという異色の経歴を持つ水吉、そして何故かいつも犬に吠えられる朝木のほか同居しているお笑い芸人たちの個性豊かなキャラクター性が魅力的な本作ですが、一番注目して欲しいのはただ純粋に人を笑わせたい彼らの苦悩と青春です。
本作では、若手お笑い芸人ならではの先が見えない不安、ネットの誹謗中傷といった心理的な苦悩を鮮明に描いているのですが、その度に相方と支え合う姿や更なる高みを目指して仕事に邁進する姿に胸を打たれます。
その一方で、実は事故物件であるシェアハウス先で巻き起こる幽霊騒動や朝まで飲み明かす彼らの日々からは、夢追い人ならではの「青春」とまるで彼らのコントを見せられているかのような「笑い」を感じます。
久世岳先生が描くそれぞれの「笑い」
「笑い」を求めて足掻く彼らの葛藤と青春を描いた『ニラメッコ』。第1巻の発売を記念して公開された作品紹介PVには、大人気声優・遊佐浩二さんや津田健次郎さんが出演しています。関西弁でテンポよく話し、よりキャラクターをリアルに感じられる作品紹介PVは必見です。
『うらみちお兄さん』で描かれるシュールな「笑い」。そして『ニラメッコ』で描く「笑い」と向き合う姿。久世岳先生の手によって描かれる全く違った角度の「笑い」にぜひ注目してください。