ヒトゴトですから!

ユニ/著

「採用候補者を試そうとする会社は避けるべき」元人事のマンガ家・ユニ先生にインタビュー

(c)ユニ/祥伝社

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マンガjam」で連載中の『ヒトゴトですから!』。同作は「人事×百合」をテーマに、主人公の小森が先輩の山野辺に指導されながら、人事の仕事に挑む様子が描かれます。

作中の「面接官にとって大切な能力」についてのエピソードがTwitterで投稿されると、RT数は2,000、いいね数は6,000を超え、多くの人に読まれました。本記事では作者のユニ先生にインタビューし、マンガ家になられる以前に人事として働かれていた際のお話と、同作の制作背景について伺いました。

面接官にとって最も大切な能力とは?

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「楽しく仕事に向き合えるきっかけをつくりたい」

ーーインタビューをご快諾くださりありがとうございます!ユニ先生はマンガ家になる以前、会社員として人事部で働かれていたそうですね。

はい。会社員として採用担当として働きながら、働く女性同士の恋愛を描いた同人誌を趣味でつくっていました。働くお姉さんがとにかく大好きで…(笑)。仕事がある程度落ち着いてから、大学院への進学を考えるようになり、今は大学院へ通いながらマンガの仕事をしています。

ーー大学院にも通われているんですね。『ヒトゴトですから!』の「人事部×百合」というテーマを設定された背景について教えていただけますか。

きっかけは仕事でもどかしい思いをたくさんしたことです。活躍できる人材が適切な役割を担えていなかったり、経営陣の想いが社員に伝わっていなかったり、管理職と部下の軋轢が起こっていたり…。


どうせ働くなら、楽しく仕事したいじゃないですか。けれど仕事は「人」で成り立っているので、人間関係が円滑な環境でなければ楽しめません。そこで「異なる価値観を持った一人ひとりが楽しめる仕事のあり方」を考えるきっかけを持ってほしい想いがあったんです。

ーー仕事で抱いた違和感が、物語の種になっているんですね。

印象深い出来事として、人事部の同僚がLGBTの活躍を推進する取り組みをしておきながら、飲み会で独身の男性に向かって「もしかしてそっち系?」とからかっていたことがありました。当時は矛盾した言動に怒りを覚えました。


LGBTや障がいを持つ人々が特殊なわけではなく、そもそも人間は一人ひとり違いますよね。それを「当たり前」と考え、相手を肩書きやカテゴリーで括るのではなく、個人と捉えられる人が増えれば嬉しいです。

ーー言動の受け手に対する想像力を持つことは、人間関係においてとても大切だと感じます。今回、Twitterで投稿されたエピソードも、人事として働かれていたときの体験が元になっているのでしょうか。

はい。私が採用担当をしていたとき、採用候補者の方と向き合う上で気を付けていたことを描いています。一人ひとりの良い部分を見出して一緒に働きたいのであれば、面接を「相手を選別する場」と捉えるのは、合理的ではないですよね。


実際に私が対応した採用活動で、入社された方にコミュニケーションの丁寧さを評価してもらえたり、結果的に辞退された方も数年後にまたエントリーしていただけたりと、企業と個人の信頼関係を築くきっかけとして機能していると感じていました。

ーー反対に採用面談に臨まれる方は、企業の担当者が誠実な対応をしてくれるかどうかに着目すると、いい就職活動ができそうですね。

何だか真面目な話ばかりしてしまいましたね。『ヒトゴトですから!』は基本的にコメディなので、気楽に読んでいただけたら(笑)。主人公が女性好きの女性という点以外は、お仕事マンガに振り切っています。普段は百合を読まない方にも、ぜひ読んでいただけると嬉しいです!


こういうご時世なので、働く意義について考えることも多いと思います。私も今までマンガにたくさんの気付きや元気をもらってきたので、読んでくださった方が少しでも前向きになれるきっかけを提供できれば嬉しいです!

あとがき

『ヒトゴトですから!』には、ユニ先生が大学院で勉強した内容も盛り込まれているそうです。「今後も興味がある分野の学習にどんどん取り組みたい」とお話しされていました。けれど、ときどき原稿とレポートの締め切りが重なってしまって大変なのだとか。そのようにお忙しいなかインタビューをお受けいただき、本当にありがとうございました。

今回のエピソードは、人事の仕事をされる方にとって参考になるだけでなく、就職活動をする上でも大切な観点が描かれており、とても素敵だと思いました。本編が気になった方は、ぜひ以下のリンクから読んでみてくださいね。