モナリザマニア

ヨシカゲ/著

本物そっくりに描いて何億円!?絵画の良さは『モナリザマニア』で学んだ

「この絵が100億円!?なんでこんなに高いのか意味が分からない」

美術館に行って絵を見ても「ふ〜ん」とか「上手いよね」ぐらいとしか思えない自分。これって僕の感性が乏しいの?

なぜこの絵が何億円もの値段がつけられたのか僕には理解ができない。

「有名な人が書いたから?」

「人気があるから?」

でも、なんでこの絵がこんなに良いと言われているのか知りたいし、美術館に行ったときもっと楽しめるようになりたい!と思っている自分がいる。きっとそんな風に考えているのは僕だけではないはずです。

ゴッホの良さってなんだろう。モナリザの凄さってなんだろう。

知りたいけど専門用語で難しいこと言われてもよく分からない。そんな人にオススメしたいのがヨシカゲ先生の『モナリザマニア』です。

ヨシカゲ/著
モナリザマニア

モナリザマニア 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ヨシカゲ/著

気がついたら絵画に夢中になっていた

『モナリザマニア』は、マンガを通して制作者や絵について学ぶことができます。学ぶといっても難しい言葉も長い説明もありません。

それなのに読み終わった後では絵についての見方が大きく変わっていることに気づきます。私もゴッホの章を読み終えたあと、ネットでその絵を検索しマンガで書かれていることと照らし合わせて何度も見返しました。

ちょっとした知識を持つだけで今まで見ていた絵とはまったく違うものに見えた自分に驚いたのです。

これがゴッホの絵の良さだ!震えました。モナリザって面白い!もっともっと絵について知りたい。

気がついたら制作者や絵についての背景、どういった感情でこの絵を描いたのかを調べていました。

『モナリザマニア』は決して絵のウンチクを紹介するマンガではありません。藝術大学を目指す浪人生がある画商に出会い、100万円で「贋作(ニセモノ)」を描いてみないかと話を持ちかけられることからこの物語が始まります。

本物の「モナリザ」をルーブル美術館に売りつける!?

藝術大学への進学を目指す主人公のカワセミ。技術はあるのに独創性がないため、4度の受験に失敗。藝大に受かることで自分に才能があることを認めてもらいたかった、そんな思いも届かず諦めようとしたそのとき、1人の画商と出会います。

その画商はメル・ゴードン。元ルーブル美術館学芸員でもあるメルは、カワセミの才能を見抜き、「贋作を描く気はねぇか?」と話を持ちかけます。

メルのいう才能とは、アーティストの持つアート性ではなく、ビジネスワークとしての才能。それは、「技術・知識・観察眼」の3つ。これは贋作師として最高の才能だといい、カワセミにはそれがあると言います。

「(贋作は)億を動かす絵を描ける」

そう語るメルの目的は“本物”の「モナリザ」をルーブル美術館に売りつけること。いまルーブル美術館に展示されている「モナ・リザ」は偽物だと考えており、カワセミを描くあらゆる絵画の贋作を利用することで本物を手に入れようとするが…。

3冊読むだけで絵に対するあなたの見方は変わる

このマンガで出てくる絵は「モナリザ」だけではありません。ゴッホやアクション・ペインティングで有名なジャクソン・ポロックなど、多くの有名画家の代表作が登場します。

贋作を作るには描き方(技法)だけに限りません。画家は何を思い、どう考えその絵を描いたのかなりきること。カワセミも画家になりきることで、絵を描いていきます。

僕は絵画というものは絵だけを見て評価するものではないということを、この『モナリザマニア』を読んで学びました。

画家自身の人生を知り、時代背景を知り、なぜそんな描き方をしたのか考えることでその絵の深みが増し、面白さや良さを知ることができるのです。

『モナリザマニア』を読むことで今までとはまったく違った見方になり、絵を見ることが楽しめるようになります。

完結となる3巻が9月4日に発売されたばかり!たった3冊読むだけで、知識が増えるだけじゃなく、絵画に対する好奇心が止まらなくなること間違いありません!

モナリザマニア (全3巻) Kindle版