新型ウイルスの感染拡大により、当たり前だったことが当たり前でなくなっていく...そんな言い知れぬ不安に心身疲弊している方も多いはず。その証拠に「コロナ疲れ」という言葉が生まれ、不覚にも危機意識が薄まってしまっている方もいることでしょう。
そんな中、わたし達が今一度、危機意識を持つきっかけをくれる作品が無料公開されました。
架空の都市で感染拡大とロックダウンが起こる『#リウーを待ちながら』。「正しく怖がる」ための知識をくれる作品です。4/10まで8話が無料公開中。https://t.co/DhaUFwfbEr— ヤングマガジン白木 (@ym_shiraki) March 28, 2020
アウトブレイクとロックダウンを描く
アウトブレイク(感染症集団発生)、ロックダウン(都市封鎖)...。少し前までは無縁だったことの言葉もすっかり馴染みのあるものになってしまいました。
朱戸アオ先生が描く『リウーを待ちながら』は、架空の都市を舞台にとあるウイルスのアウトブレイクからロックダウンを描いた医療サスペンスマンガです。
主人公・玉木涼穂は、自衛隊の駐屯地がある市内の病院に勤務する医師。
ある日、玉木のもとに病院の前で倒れていた自衛官が運び込まれます。玉木の救命によりなんとか一命を取り留めるものの、突然吐血し容態が悪化。その後、一方的に自衛隊病院に引き取られてしまいます。
不審に思い、自衛隊病院に患者について電話で問い詰めますが、「そのような事はお答えできません」と一方的に電話を切られる玉木。
その後、院内のスタッフが同じ症状を発症し急死。さらには同じ症状の患者が急増し病院に押しかける事態に...。病因はわからず、抗生剤は不足し事態は悪化の一途をたどります。
アウトブレイクの本当の怖さ
『リウーを待ちながら』は、全3巻でウイルスの感染拡大から終息までを描きます。ウイルスによって突然日常が奪われていく様子は、今わたしたちが置かれている現実とどこか重なります。
ですが、本作ではマスクや食料の買い占めは一切起きません。それどころか、次々と人が亡くなり、悲しむ時間もなく淡々と日常が失われていく様子が描かれています。
大切な人の死を悲しんだり、自分の行動を後悔する時間などなく拡がる感染...『リウーを待ちながら』を読んでいるとアウトブレイクの本当の怖さを感じます。
ちなみに、タイトルの『リウーを待ちながら』の"リウー"というのはアルベール・カミュの小説に出てくる主人公の医師の名前からとったのだそう。
小説には本作にも繋がるとある病が出てきます。詳しくは、朱戸アオ先生の公式ブログにある「「Final Phase」「リウーを待ちながら」についての覚書、あるいは「医療漫画家」と言われる漫画家になるまでの話。」をご覧ください!
正しく怖がる知識をくれる
アウトブレイクからロックダウンまで達した時に崩壊する社会の様子や、その時に人々はどんな行動をとり何を思うのかが丁寧に描かれた『リウーを待ちながら』。
正しく怖がる知識をくれる本作は、今一度わたしたちの危機意識を強めてくれます。「コロナ疲れ」が出てきているこの機会に、ぜひ読んでみてください。
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