左ききのエレン
毎日たくさんの投票ありがとうございました!
名セリフ27個の中から、投票によって選ばれた上位15個を発表します。
それでは結果発表です!
- ※投票期間:2020/11/25(水)〜12/8(火)
結果発表
「私は”服を着て歩く”しかできないから
その世界一になるの」
5巻40話 あいつはもっとウザかった
モデルとしての圧倒的な才能があり、トップレベルの天才であるあかりが、いろいろとやっているが、どれもたいしたことがない光一に放った言葉。
本物の天才であるあかりの圧倒的自信が印象的な台詞です。
「クソみたいな日にいいもんつくるのがプロだ」
3巻23話 ガッツしかないんで
「体調最悪でも、2日寝ていなくても、友達に裏切られても、女にフラれても、その中で歯くいしばってひねり出した仕事がお前の実力の全てだ」に続く台詞です。
万全なんか一生来ない。左ききのエレンの登場人物は、常に制約がいくつもある中で仕事をしていきます。特に会社員である光一にとっては、この考え方はとても重要です。
会社を離れる神谷が最後に伝えたかったのは、どんな状況でも、いいものを作るというプロ意識だったのです。
「トロフィーを飾るな!!!過去の仕事を後生大事に残すな!!
明日死ぬつもりでつくる…ただそれだけの事がなぜ出来んのや!!?
何か残して死ね」
14巻120話 この仕事をなめるな
営業を無視して修正しなかった光一を厳しく詰める柳。デザイナーとして死ぬ気でモノを作れというと正論でもあり、厳しすぎるシーン。
一見、人でなしのようにも見えますが、柳の、デザインに対しての本気の想いが見れる場面です。
「何かにならなきゃ・・・退屈で・・・生きていけねぇよ・・・」
1巻6話 何かにならなきゃ
高校生のころの光一が、エレンにアーティストで残るのは万が一の確率であり、目指すべきではないと言われた時の返答のシーン。
絵は下手であり、才能はない、周りの天才・本物たちを見ながら、光一は「オレはオレが諦めるまで諦めない」という気持ちで人生を歩んでいくわけですが、物語のテーマの一つである「凡人は凡人であることへ焦ったり劣等感を感じるが、それにどう向き合うべきか」というのが提示される、重要な場面です。
「描けよ!」
3巻19話 その先があるんだよ
作品でのメッセージで、とても強いものが、この「描けよ!」です。
圧倒的才能を持つエレンですが、父親のことで心に傷を負い、描くことをやめてしまっていましたが、この光一のメッセージにより、エレンの物語が再始動します。
天才ではない凡人の光一をはじめとして、左ききのエレンのメイン登場人物は、みんな全力で行動し、全力でモノを作っています。そこに天才だろうと凡才だろうと関係ない。天才でも描かないと何もはじまらない。
とにかく「描けよ!」が作者の心からのメッセージなのではないかと感じます。
「完成や」
14巻121話 同じクズだよ
大型優良案件のロゴづくりを光一にさせ、徹底して却下を出し続けた柳。それに文句も言わず、淡々と案をだし続け、最後の案でお互いに納得がいくものが出たシーンです。
怒涛のやり直しのシーンが続いたあとに、大コマで、台詞なしに二人の表情だけが出てきて、最後には顔が全部見えないシーンで完成だというシーンは、モノを作っている人にはぐっと来てしまうのではないでしょうか。
「大人になる事よりも クリエイターになる事を 選んだんだ」
14巻115話 その先があんのかよ
過労で倒れた光一に対して、神谷は気にせずにプロジェクトをすすめる。それに対して沢村は神谷に対して厳しく叱責します。
沢村は過去の反省から、会社員として健全に働くことを推奨していますが、神谷はモノを作るクリエイターとして全力で生きることを選択します。
現代の「正しい働き方」ともいえる風潮(=大人)に対して、クリエイターとして本気で生きること、という選択肢を取っていたはずだ、ということをいうシーンです。
「ぼく人間ちゃうわ デザイナーや」
3巻25話 先輩を倒すために
目黒広告社のエースである柳は、周りのメンバーにも、制作会社にも、上司にも過剰なほどに厳しく、人間性としては最低のキャラとして描かれます。しかし、一方で、すべてを捨てて、デザインに捧げる姿には、読者として衝撃を感じます。
人間であることすら否定して、デザイナーであろうとする柳は、決して天才タイプではないものの、稀有なプロフェッショナリズムを持ったキャラなのです。
その柳の人間性を捨てて異常なほどデザインに身を捧げるのがとてもよく伝わるシーンです。
「クリエイターとして生きるならつくったものだけで勝負しろ
この世界にがんばったで賞なんて無いんだからな」
5巻38話 反省だけなら猿でもできる
あやのが光一に、クリエイターとしての対等さを伝えるシーン。優れたアイデアが出せるなら立場に関係なく従うし、それができないなら立場に関係なく従ってもらう、それが対等だとあやのは言います。
この台詞は光一に大きな影響を与えたと思われ、のちに光一も言うようになります。
「時間も場所も領域も超えて──何かに人生を捧げた人間達はつながっているんだ」
8巻62話 チェルシーの夜⑤
エレンとジェイコブスの対決の最中、有名になれば母親が会いに来てくれると思っており、幸せになりたいだけだと泣くジェイコブスに対して、エレンが手を差し出すシーン。
絵を描くことしかできなく、天才ゆえの孤独感が強かったエレンが、「何かに人生を捧げた人間達はつながっているんだ」という、大きな変化が見られます。そして、「描けよ」となります。
作品の重要テーマである、本気で命を懸けて取り組め、ということは孤独なことではなく、その先ではつながっている、という希望があるいうメッセージが強く伝わる場面です。
「元々持ってるカード 新しく手に入れるカード 捨てなきゃいけねえカード
その組み合わせで勝負する人生ゲーム...
ズルいカードなんてあるか」
4巻29話 ズルいカードなんてあるか
クライアントと問題を起こした原因の人物についてコネ娘と言った流川へ「コネなんてただの一枚のカードだ」という沢村。
左ききのエレンに出てくる人物は、天才だったり、凡才だったりする。エレンやあかりは”才能しかないクズ”であり、サポートする人物がないとうまく立ち行かないし、凡人たちはその才能がなくてもあるものを使って立ち上がろうとする。
天才も凡人も、今持っているカードを使って勝負しないといけない、という台詞にぐっときます。
「お前の人生…私にくれよ」
7巻53話 私にくれよ
エレンと口論になるさゆり。そこで、今までの計算高い自分を捨て、ありのままの感情をぶつけ合っている最中での、エレンが人生を自分にくれと提案します。
エレンは、自分は絵を描く才能しかなく、そこでしか生きられないのに、光一、琴美などの凡人が安っぽく戦友を気取ってくることに絶望し、さらにあかりが変わってしまったことでさらに孤独を感じていた中で、エレンにとっての最良のバディが見つかる重要なシーンです。
左ききのエレンでは、バランスが悪い天才たちの横には、常に冷静で有能な相棒がいるのですが、二人が感情をぶつけ合ったあとでこのシーンが来るのが感動的です。
「照らされてる星をうらやむな…照らされる事を待つな…
スターを照らす側の人生だってあるんだ」
2巻12話 照らす側の人生だってあるんだ
スタークリエイターへの憧れがあり、まさに天才である神谷に対しての下っ端根性が抜けない光一。それに対して、神谷が放つ言葉がこれです。
仕事において、天才による天才の仕事は一部であり、それが主ではありません。多くはチームで、大量の人間が関わってやっています。天才に憧れ、スターになりたく、自分のことばかりの光一に対して、仕事のスタンスについて厳しく伝えるシーンです。
仕事の技術を教えるトレーナーとして優秀な神谷が珍しく、心を教えるシーンで印象的です。
「佐久間はぼくより…努力しただけや…」
10巻85話 ワクワクするぞっ!!
佐久間威風の写真を見に来た柳一が、作品に衝撃を受けたあとのシーンです。
威風は共感覚がある自分のことを特別だと思っていますが、それは違っており、単に努力をしただけだど考える柳。すべてを捨てている自分の努力量に自信があり、デザインのためには横暴な振る舞いもする柳だが、完全に努力で負けたと感じている、柳らしからぬ場面です。
作画では目は見えませんが、口元は笑っており、より自分よりも高いレベルでの努力をしているものへの畏敬の念を感じます。
威風も柳も天才ではないからこそ、並ならぬ努力をすることで、一流の人間になっているのです。
制作協力:アル開発室 マンガサポーターズ (@つか @和乃 @よね @つっきー @みやお @とらい)