文春オンラインのコミックカテゴリー(文春コミック)上で2021年1月より連載された『怪談和尚』は、怪談話と説法を組み合わせた「怪談説法」で人気の三木大雲住職の著作『怪談和尚の京都怪奇譚』をコミカライズした作品です! 連載の人気を受け2021年8月5日に単行本第1巻が発売されました!
この記事では『怪談和尚』の怖いだけにとどまらない魅力を紹介していきたいと思います!
現役住職が語る怪談×説法でつづるホラー短編集
『怪談和尚』は京都にある蓮久寺の現役の住職である三木大雲住職が実際に相談を受けた話や、自身の経験をもとに描かれたホラー短編集です。「オレオレ詐欺」「レンタル彼女」といった昨今の話題がテーマが沢山盛り込まれたモダンホラーと言っていいでしょう。
©怪談和尚/文藝春秋
作画は妖怪マンガの巨匠水木しげる先生の下で修業し、そのタッチを模した画風で現代にいく千もの妖怪を呼びもどしてきた森野達弥先生が務めており、そのいぶし銀のような絵柄が恐怖心を加速させます。
©怪談和尚/文藝春秋
そして本作はなんといっても「怪談説法」。単なる怪談ではなく「説法」であることが一番の特徴になっています。単に怪異が出てきて怖かったというだけではなく、そのエピソードが起こったことの意味や教えを和尚が説いてくれるのです。
その言葉ですべてが解決するわけではありません。しかし考え方や生き方、生死感が変わるきっかけを与えてくれるのです。
©怪談和尚/文藝春秋
『怪談和尚』はそんな怖いけれど心に染み入る怪談×説法マンガなのです。
ホラーが最も怖いのは我が身に起こるかも?と思わされるとき
ホラーを怖いと感じるポイント色々あるでしょう。絵柄が怖いとかストーリーが凄惨だなど数えればきりがありません。しかし最も怖いのはそれが我が身にも起こるかもしれないと思った瞬間ではないでしょうか。
©怪談和尚/文藝春秋
今作の主人公として訪れた人の話を聞き、時には自らの体験を語る三木大雲住職は現役の住職です。本作の数ある身の毛もよだつようなエピソードは、実際の相談が元になっています。
©怪談和尚/文藝春秋
そして説法では京都日蓮宗布教師会法話コンクールの最優秀賞を受賞。ホラーの語り手としても関西テレビの番組「稲川淳二の怪談グランプリ2014」で優勝している実力の持ち主。
その口から発されるエピソードはまるで目の前で体験した人の話を聞いているかのよう。怖い場面はどこまでも怖く、逆に人情を感じられる部分は涙さえ誘うのです。
リアルな体験談に高い話術。それらを余すところなく伝えるいぶし銀の画力が合わさり極上のホラーが作り出されているのです。もしかしたら自らにも降りかかってくるのではないか……と思わせるのに十分すぎるこの説得力にぜひ注目してください!
YouTubeでも怪談説法を楽しむことが出来る!
「文春オンライン」において現在『怪談和尚』の連載は終了していますが、第3話まで試し読みすることができます。
また三木大雲先生はYouTubeチャンネルを持っており、そこに数多くの怪談説法をアップしています。その中にはマンガの元になったエピソードもあります。
実際の和尚の声を聞き、今一度マンガを読み直すことで違いを比べて楽しむこともできるのではないでしょうか。ぜひこの怪談説法の威力を体感してください!
いつかは体験する「恐い」話
OGP及び記事内画像は文春編集部許諾の元掲載しています。快く許諾していただきありがとうございます。
©怪談和尚/文藝春秋