明日、私は誰かのカノジョ

をのひなお/著

『明日、私は誰かのカノジョ』6巻発売!愛憎渦巻く"歌舞伎町"  誰もが姫になれるその場所で垣間見る恐怖

"明日カノ"の愛称で親しまれ、現代ならではの男女の歪な関係性に切り込んだストーリーで人気を集めている『明日、私は誰かのカノジョ』。毎週金曜日にマンガアプリ「サイコミ」にて最新話が更新されるのですが、その衝撃的すぎる展開に読者はもちろん...

あの人気お笑い芸人パンサー・菅さんもいち早く感想をツイートするほど。そして、もはや"明日カノ"のことしかツイートしなくなってしまった菅さん...。1人の男性をここまで狂わせた『明日、私は誰かのカノジョ』の最新刊となる6巻が発売されました。

明日、私は誰かのカノジョ(6) (サイコミ×裏少年サンデーコミックス)
をのひなお/著

舞台は愛憎渦巻く"歌舞伎町"

明日、私は誰かのカノジョ』は、東京を舞台に「彼女代行」や「パパ活」「整形」といった現代ならではの男女の特殊な関係性に切り込んだ恋愛群像劇です。各章ごとにキャラクターの目線が変わるので、この作品だけで様々な心情を読み解けるところが魅力的です。

最新刊6巻では、5巻から開幕した第4章『Knockin’on Heaven’s Door』が描かれています。物語の舞台は愛憎渦巻く新宿・歌舞伎町、そして描かれるテーマは「ホスト」です。

誰もが「姫」になれる場所の華やかさと恐怖

純粋な女子大生・萌は、歌舞伎町でストロング缶をストローで飲みながら無邪気に笑う女の子・ゆあと出会います。ゆあに誘われて萌がホストクラブへと足を踏み入れるところから第4章『Knockin’on Heaven’s Door』がスタートします。

今まで体験したことのないホストクラブの煌びやかな世界に気後れする萌でしたが、そこで物腰の柔らかいホスト・楓と出会います。楓と出会い、生まれて初めて自分が主人公になったような気分を味わう萌。6巻では、ホストクラブとは無縁だった女子大生がゆるやかに、だけど確実にホストにのめり込んでいく様子を描いています。

(左)萌、(右)ゆあ

最初は、ゆあの口から発せられる「萌たゃ〜!(萌ちゃんの意)」「うちの担当が〜(指名したホストのこと)」といった独特な用語をきっかけに、ゆあが足繁く通う歌舞伎町やホストクラブに興味を掻き立てられるのですが、物語が進むにつれて誰もが「姫」扱いされるこの世界の華やかさ、そして当然ながらその華やかさは「お金」の上で成り立っているのだというリアルを私たちに突きつけてきます。

女性をもてなしてくれる魅力的な男性たちが揃うホストクラブ。無理のない範囲で金額設定をして楽しめるならば、日常では味わえない特別な一時を体験できるので、そこには悪も恐怖もありません。ですが、身を削ったお金を全て自分の担当ホスト・ハルヒに注ぎ込むゆあ。楓の接客という名の「優しさ」に魅了され心惹かれていく萌...。彼女たちが自制心を失い色恋に没頭していく過程に恐怖を感じるのです。

6巻ではゆあと萌はもちろん、萌を虜にした楓の"しごでき(仕事ができる)"な神接客にもぜひ注目してくださいね。

6巻はゆあの担当・はるぴが目印!

歌舞伎町を巡る歪な人間模様を描いた『明日、私は誰かのカノジョ』6巻。

ホストクラブの内情や、彼らに熱狂する客たちの間にあるルールについて緻密に描いているところも本作の見どころの一つ。6巻の表紙を飾るのは、ゆあが"はるぴ"と呼ぶ担当ホスト・ハルヒ。

連載時から70頁超えのページ修正に加え、初期のゆあとはるぴのストーリーを描いた「わたしがわたしになった日」が収録されています。

華やかさ、残酷さ、そして恐怖が詰まった『明日、私は誰かのカノジョ』6巻の扉をぜひ叩いてみては?

男と女

明日、私は誰かのカノジョ (全6巻) Kindle版