内気な女の子が陽気な宇宙人の女の子と運命の出会いを果たす物語、『星屑テレパス』。まんがタイムきららにて、大熊らすこ先生により連載されています。
大熊らすこ先生『星屑テレパス』は第1巻好評発売中!
宇宙を目指す少女の夢溢れる青春物語、お陰様で売り切れている書店さんもあるようです…!
取り寄せや通販なども是非ご活用くださいませ!! #星屑テレパス pic.twitter.com/SLVLIH3o9L— まんがタイムきらら編集部 (@mangatimekirara) August 6, 2020
内気な女の子には夢がありました。その夢はまさに宇宙規模!そんなに大きな彼女の夢は、本当に叶うのでしょうか。それはこれから出会う、1人の女の子が教えてくれるかもしれません。
宇宙人の女の子と出会う
高校に入学する1日前。鏡の前には新品の制服を抱きかかえる不安げな女の子がいました。彼女の名前は海果。この物語の中心人物です。
海果は人と上手に話せない内気な女の子。優しく話しかけてくれたクラスメイトに対して、ありがとう、の一言すら上手に言えません。みんなが普通にできることが自分にはできない。内気な性格に悩む海果は、密かにとある決意をするようになりました。
それは、宇宙で友達をつくること。
地球で友達ができないなら、宇宙で友達を見つければいいじゃない。そう決意したのです。この思い切りのよさに、物語への興味がグッと惹き付けられました。しかし、なかなか険しい道のりになりそうですよね。
それこそ宇宙人の友達でもいない限りは…。
筆者の心を読み取ったのでしょうか。そんな心配は無用だ、と言わんばかりに1人の女の子が現れました。名前はユウ。底抜けに明るい彼女は、元気よく名乗り上げました。自分は宇宙人だ、と。
進学という転機に、宇宙に夢見る内気な少女は宇宙人の女の子と出会ったのです。
ちゃんと言葉にする勇気
ユウと仲良くなりたい。海果の気持ちを汲み取るように、クラスでオリエンテーションが始まりました。内容は2人1組で行う宝探しゲーム。ここで海果とユウは初めて行動を共にします。
2人きりで歩く廊下。積極的に探し歩くユウと、物静かな海果。友達になるチャンスを無駄にしてはいけない、そんな緊張感が海果の沈黙から伝わってきます。
緊張する海果に、歩調を合わせてくれるユウ。
ああ、もうすぐこの時間も終わってしまう。
そんな寂しさがよぎったとき、ついに海果は沈黙をやぶりました。
海果が語ったのは名前、身長、趣味、特技。そして自分の夢。不器用ながらも、一生懸命に言葉を繋げます。その勇気は、ユウにも伝わりました。
本作は海果を通じて、自分の気持ちを言葉にすることは難しいけど大切だ、と教えてくれているのだと感じました。そして言葉にすることは海果の成長につながり、物語を先に進めるのです。
鍵を握るのは「おでこぱしー」
本作の鍵を握るのは「おでこぱしー」という特殊能力です。おでことおでこをくっつけると考えていることが伝わる不思議な力(テレパシー)であり、ことあるごとにユウは「おでこぱしー」を使ったコミュニケーションを取ろうとします。癒やされる…。
口下手な海果は何度もこの能力に助けられてきました。
そして言葉でなくとも伝える手段があるからこそ、言葉で伝える大切さが際立ちます。
テレパシーも言葉も大切な部分は一緒、ユウはそう言いました。
海果が本当の意味で成長するために必要な考え方が詰め込まれている「おでこぱしー」。この能力への理解は、本作の魅力を何倍にも深めてくれるものでした。
海果が紡ぐ、次の言葉は
宇宙人のユウと出会うことで、妄想を思い描くだけだった海果は本当の夢と向き合えるようになりました。悩み、挑戦し、少しだけ目標に近づく。当たり前だけど難しい挑戦はこれから先も続きます。
不器用なりに前に進む海果をみて、明日も少しがんばろうと思える。勇気が貰える1冊でした!