東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

黒丸 / 著

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【黒丸先生インタビュー】『東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー』作品に込めた想いから誕生秘話まで!オンライン座談会の全貌を公開!

警察通訳人という職業にスポットを当て、マイノリティをテーマに国際事件を扱うこれまでにない警察マンガ東京サラダボウルー国際捜査事件簿ーをご存知でしょうか?

著者は実写ドラマ・映画にもなった『クロサギ』シリーズを描かれた黒丸先生。単行本第1巻が2021年11月22日に発売されることを記念して、黒丸先生が登壇されるオンライン座談会が00:00 STUDIOにて去る2021年11月5日に開催されました!

本記事ではその座談会の様子を詳しくお伝えします!

イベント登壇者の紹介

黒丸先生

8月18日生まれ、岐阜県各務原市(かかみがはら)出身。

1999年からマンガ家として活動を開始。

代表作に夏原武さん原案の『クロサギ』シリーズがあり、シリーズ累計発行部数は800万部を超え、実写ドラマ・映画化もされた大ヒット作品。

『クロサギ』シリーズ完結後は、『UNDERGROUN‘DOGS』(アンダーグラウンドッグス)全3巻、『絶滅酒場』全5巻を発表。現在はマンガアプリPalcyにて6月から『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』を連載中。

担当編集者:かすやさん

黒丸先生を口説き、作品の立ち上げから伴走をしている担当編集者。見た目の可愛らしさからは想像もできないほど、担当作品に対する熱量が凄い。

司会進行:Micha

アルライター。

2021年9月より少女・女性向けマンガアプリPalcyでPRコーディネーターとして本企画を始め、パルシィ作品のPRに関する企画推進を行う。

『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』とは?

日本語が通じない外国人に取り調べや捜査をする際に活躍する警察通訳人。中国語を担当している有木野了(ありきのりょう)はある日、緑髪がトレードマークの女性警察官の鴻田麻里(こうだまり)と出逢います。

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

警察内では国際捜査のこぼれカスと言われる小さな事件を担当する鴻田は 自分の目で見るまで納得しない警察官。そんな鴻田の捜査に巻き込まれて、仕事に一線を引き感情を交えない有木野もだんだんと行動を共にするようになります。

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

さまざまな事情で日本にやってきて犯罪に巻き込まれた、または起こしてしまった外国人の想いをこぼさぬよう事件と向き合うこれまでにない警察マンガです。

『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』ができるまで

イベントの前半はまず黒丸先生と担当編集者のかすやさんの出会いから、作品立ち上げまでのお話を伺いました。

黒丸先生はこれまでの作品から青年誌でご活躍されているイメージが強いですが、少女・女性マンガアプリPalcyで連載をすることになった経緯を教えてください。

くだけるプリン』を読ませて頂いた際に、女性の感情をとても繊細に描かれる方だなと感じていたので女性向けに何か描かれないかなと思い、私からご連絡をしました。

そして黒丸先生に女性の感情やキャラクターの感情を繊細に描く作品をやりませんかとご相談したところ…

じゃあ警察もので!と言ったんですよね(笑)

警察ものというのは初めから決まっていたんですね!

そこで、これまでにある警察ものの作品をマンガに限らず全てリストアップしてお渡しをしました!そして黒丸先生にここにはないテーマでやりましょう!とお話していたところ、国際捜査ってあまりないぞ、となった次第です。

警察ものはデビュー前からずっとやりたかったテーマなんです。

でも取材も大変だし、既存の警察作品とどう差別かするかも大変だなとわかっていたのでこれまで逃げてきてました(笑)

でもかすやさんから描きませんかというお話をもらった際に、私の描きたいキャラクターをお伝えしたらこれが活きるのは警察ものだね!となりスタートしました。

そして、外国人犯罪を扱う国際捜査だから現代の多様性にも寄り添えるキャラクターなのではないかと思い、マイノリティーというテーマも出てくるようになりました。

マイノリティーといテーマは初めから狙っていたわけではなく、警察ものという題材が決まった際にこれならば現代の世の中こうした想いをすくい上げることができるのではとなって作品が走り出しましたね!

警察通訳人という職業は元々ご存知だったんでしょうか?

知ってました。太田垣康男先生一平という警察マンガがあるんですが、日本に住む外国人がボランティアの日本人に通訳で助けてもらうというエピソードがあるんです。たった1話でしたが、それが非常に印象に残っていて、そういう職業があるのではと調べたのがきっかけでした。

国際捜査を扱い、メインキャラクターが2人いる作品と考えたとき、どちらかは警察通訳人である方が多様性というテーマに対してもすくい取れることが多いのではと感じました。

こうした話を連載開始となる半年前から始めていき、ネームを貯めながら準備を進めていきましたね!

読者から寄せられた質問に答えます!

イベント後半は、Twitter で事前に集めた黒丸先生にこれ聞きたい!という質問を時間の許す限り黒丸先生にお答えいただきました。

本作でいちばん思い入れがあるキャラはだれですか?

やっぱりまだまだ主人公2人、マリちゃんとアリキーノですね。連載が長く続けられれば、脇キャラでもそういう人物が生まれてくるかも。

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

漫画を描いていて楽しい時と辛い時はどんなときですか?

辛い時は、反響が無い時! 楽しい時は、反響がある時!

パルシィのファンレター機能に寄せられたメッセージは本当に励みになります!

アリキーノは中国語がペラペラですが、黒丸先生がペラペラしゃべることのできる言語は?

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

日本語オンリーですね(笑)外国語はひとっつもできません。あ、猫語は少し理解できます!

キャラ作りで一番気をつけている事ってなんですか?

作りすぎないこと!

作品が進んでいく中でキャラクターの内面もできてくると思っています。

キャラクターのモデルはいるんでしょうか?

性格などは特にいませんが、鴻田さんの髪色はビリー・アイリッシュさんがモデルになっています。「きれいだな~!緑髪いいじゃん!時代は緑だ!」と思って(笑)

単行本1巻の表紙でも鴻田さんの髪の緑色がちゃんと出ているかを一番気をつけました!

サソリを食べたことありますか?

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

作中に出てきたようなお店が実際にあり、そこへ友人と行ったことがあります!サソリは目の前に突き出されましたが、どうしても食べられませんでした…でも、豚の脳みそは食べられましたよ!

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

前作の『クロサギ』の黒崎の誕生日は2月14日ですが、今作『東京サラダボウル』の2人の誕生日は決まっているのでしょうか?

全く決めてませんでした。これを機に決めようかな…(笑)

アリキーノはみずがめ座っぽい。

ちなみに黒崎の誕生日も私が決めたんじゃなくて、ドラマ化にあたって脚本家さんが決めたものなんです。でも超甘党だからお似合いだなと思ってその設定をいただきました!

鴻田さんは服装を「踊る大捜査線か!」と怒鳴られていましたが、他にも刑事ものオマージュがあるのでしょうか? 先生の好きな刑事モノ作品も知りたいです。

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー

世代なのもあって、『踊る大捜査線』はリアルタイムでめっちゃハマりました。

あと『警視庁失踪人捜査課』というドラマがありまして(2010年/テレビ朝日/沢村一樹主演)これがすごく好きでしたね~。

大変手堅く作られたしぶい警察ドラマで、キャストも豪華で(しかも全員超しぶい)、

自分的には傑作と思ってるんですが、今のところ「知ってる!観てた観てた!」という人に会ったことがありません。 スペシャルドラマは1度作られたんですけどね。私は続編まだ待ってますよ~!

黒丸先生の休日の過ごし方を教えてください!

天気がよければバイクに乗るのが好きです!

先生の人生のモットーなどありましたら、教えていただきたいです!

ちゃんと食べ、ちゃんと寝るくらいしか…これってモットーですかね?基本的には作業も夜型にならないようにしています。

作品制作の裏側について色々と語ってもらいました!

話は広がり、『東京サラダボウル』の作品制作に対する裏話や黒丸先生の作品制作に対する信条などに迫ります!

『東京サラダボウル』での外国籍キャラクターのセリフを作成する際、翻訳ソフトなどを利用されているのでしょうか?日本語のセリフを考えるのとはちがった苦労や先生独自の工夫があれば知りたいです!

これはもう完全に翻訳者さん任せです!私は一切関わっていません。というのも、口語が多いのでネイティブの方が読んでも違和感ないようにしていただきたかったんです。なので、キャラクターの性別やセリフの背景などを全て加味して翻訳をして頂いております。翻訳者さんとのやり取りは、かすやさんが全て担当してくれています。

現在は中国語、タガログ語、ベトナム語、英語が本編で出てきてますが、それぞれの言語に担当の翻訳者さんがいらっしゃいます。セリフを全てExcelデータにまとめ、セリフの背景や物語の結末まで説明をした上で翻訳をお願いしております。

ということは、黒丸先生は日本語で台詞を考えて、かすやさんが翻訳作業をされているということでしょうか?

そうですそうです!かすやさん、いつもありがとうございます!

今後の展開では中国人以外の事件も取り扱いたいと思っていますが、言語が増えるほどかすやさんのお手間が増えますね。(笑)

コミックスといえば、登場人物紹介なページがあるのが大多数だと思われますが、黒丸先生のコミックスには一度もそのようなページはなかったと記憶しています。

これは、何か信条的なものによって載せていないのでしょうか?

それともなんとなく載せる気がないということなのでしょうか?

この質問は面白いなと思いました。自分では気づいてなかったんですが、そういえばそうだなと。

先ほど話した、キャラを作りすぎない誕生日決めてなかったとも通じるところがあるのですが、キャラクター作りは苦手な方なんです。

私のキャラ作りは新しくできた友達を知っていくような感じで、最初にぱっと会ったときのこんな人という印象があって、そのあとは物語を描きながらキャラクターの中身を深掘りしていくような感じです。


私にとってキャラクターは、始めは知り合ったばかりの人というイメージ。何が好きで何が嫌いなのか、家族構成はどうなっているのかなど、仲良くなっていく過程で知っていくものだと思っています。これって実際の友人関係でも同じですよね。


それが自分にとってのキャラ作りの面白さで、物語を描くにつれて、知らなかった一面がちょっとずつ見えてくるのが楽しい!なので登場人物紹介をあえて書こうということが、いままでなかったのかもしれません。

マンガをおもしろくするために心がけていることがあれば教えて下さい!

これは難しい…!!私も知りたい(笑)

作品のおもしろさの概念は色々あるのですが、黒丸先生の場合はパズルのようにお話を組み立てられているので、トリックなど含めそのパズルがカチっとはまった瞬間におもしろい!となるような気がしています。

緻密に作るのは強みだと思っています。なので物語が破綻するということはないですね。ただそれって弱点でもあって、緻密に作ることで大人しくまとまってしまったり、丹念に作りすぎるがゆえに長くなりすぎてしまうこともあります。

パズルのように綺麗にまとまるようなものが好きなんですが、あえて最後にパズルをド突いてどこかズレやキズを作るのが必要だと感じています。

綺麗にしすぎない、というのがコツかもしれないですね。

今回のイベントアーカイブはこちら

今回のオンライン座談会はアーカイブもあります。当日のワイワイとした楽しい雰囲気や、黒丸先生が最近おもしろかったエンタメ作品など記事では紹介しきれなかった秘話をぜひアーカイブでご視聴ください✨

👉アーカイブはコチラから

単行本第1巻は2021年11月22日発売!

待望の単行本第1巻は2021年11月22日に紙・電子同時発売されます!

黒丸先生もお気に入りの単行本帯は今回登壇をしてくれた、かすやさん渾身の作品です!ぜひチェックしてみてくださいね。

第1巻の続きが気になるときはマンガアプリで読めます!

『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』は少女・女性マンガアプリPalcy(パルシィ)で連載中です。さらにコミックDAYSでも同時掲載中ですのでお好きな方のアプリで連載を追いかけてみてはいかがでしょうか?

👉少女・女性マンガアプリPalcyで『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』を読むならコチラ

👉コミックDAYSで『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』を読むならコチラ

『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』は毎週日曜に更新中です🗼🥗

東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー(1) (パルシィコミックス)
黒丸/著

OGP及び記事内画像はPalcy編集部許諾の元掲載しています。快く許諾していただきありがとうございます。
©黒丸/講談社