『星明かりグラフィクス』で美大マンガの一角に大きな爪痕を残した山本和音先生の新作『生き残った6人によると』第1巻が2021年9月15日に発売されました!
その緻密かつキャッチーな絵柄で描きだされるのは迫りくるゾンビの群れ! そして追いつめられた男女によるアクションあり恋愛ありの青春群像活劇です!
ゾンビから逃げ、偶然集まった男女による共同生活
何気ない一日だったはずのその日。主人公水上 梨々(みずかみ りり)が道を歩いていると、突然、頭上の高架からバスが落ちてきます。そのバスは空港から来たもののようで、梨々を飛びこえ地面に激突し横転して止まりました。
「生き残った6人によると」
ハルタにて連載中です pic.twitter.com/ruZufxO1zi— 山本和音 (@menoirokaeru) August 24, 2020
横倒しになったバスからは、血まみれだったり四肢が途切れていたり、見るからに普通ではない人たちがワラワラと踊り出てきて梨々に襲いかかってきます。そうやって理由も原因もなく街に突然「ゾンビ」が発生しました。
フルアナログで描いています。 pic.twitter.com/MAVlAkCcP3— 山本和音 (@menoirokaeru) June 17, 2021
梨々は運良く近くのショッピングモールに逃げこむことができ、そこに居たのは逃げ遅れた9人の男女。生き残るために限界ギリギリで、殺伐としたサバイバル生活が始まる……かと思いきや、モール内は食料や生活必需品には困りませんし、幸いにもゾンビは排除できているようで意外と平和が保たれています。
そして若い男女が集まってしまったことをいいことに、違う意味でドキドキ感あふれる共同生活が始まってしまうのです。
「生き残った6人によると」第1話(1/11) pic.twitter.com/BfvfVCL31H— 山本和音 (@menoirokaeru) September 11, 2021
ゾンビの存在が浮き彫りにする各々の本当の思い
ゾンビに襲われてショッピングモールに逃げ込むというのは、映画『ゾンビ』からつちかわれてきたお約束のひとつ。危機におちいった男女が吊り橋効果で恋に落ちるのもハリウッド映画などではよくある話です。
今月(7月15日発売の)ハルタで新しい連載が始まります
ゾンビが出てきます pic.twitter.com/uN6NJLQjch— 山本和音 (@menoirokaeru) June 30, 2020
しかし物語冒頭から男女の数がそろったからといって「合コンみたいだなーと思って」という発言が出てきてしまうのは、普通のゾンビものではなかなか考えられません。その上、隔離された空間で実際に誰が好きだとか嫌いだとか恋愛にうつつを抜かしていく様子は、まるでテレビの恋愛リアリティーショーのようです。
そう嘆く主人公にある人物が答えます。
いくらモール内が平和だと言っても、ゾンビの危機が去ったわけではありません。ガラス1枚はさんだ外側に恐ろしいゾンビたちが存在していることによって、各々の隠された本性を露見させ、どこまでも真に迫った群像劇となりえます。それが恋愛という方向に流れたからといって、いったい誰に非難する権利があるでしょうか。
命が危機にさらされている今だからこそ集まった男女は恋をし、誰かと一緒になりたいと強く願うのです。それは生物の本能がそうしろとささやいた結果なのです。
表紙!
生き残った6人によると1巻
9月15日発売です
よろしくお願いします! pic.twitter.com/UuJH0bO0L1— 山本和音 (@menoirokaeru) September 8, 2021
テンプレをなぞるように始まったのにちっともテンプレに収まらず、逆にゾンビを群像劇のスパイスとして使う、この絶妙なバランスにぜひ注目してください!
『生き残った6人によると』は「ハルタ」で絶賛連載中!
『生き残った6人によると』は「ハルタ」で絶賛連載中です! 公式サイトから1話の試し読みができます。また2021年10月15日にはすでに単行本第2巻の発売が予定されています。
生と死、ゾンビと人間の間で、生きる意味と本当の愛を見つめなおす主人公たちのサバイバルの顛末を追いかけてみてください!