どうして男の子にどきどきするの?
どうして惹かれてしまうの?
足りないところを補おうとする生物としての本能?
だったら、人間じゃなくてもよくない?
あ、でも男の子ってちょっと宇宙人みたい…。
文芸部員たちの読み合わせ
放課後、文芸部では女子高生5人が本の読み合わせを行う。どれも、有名で崇高な本だ。性的な表現も多いが、芸術にまで高められた性的表現は美しいらしい。
そんなある日、菅原新菜が放った一言が何かを動かした。
「私が『死ぬまでにしたいことは』セックスです。」
文字の世界では知っていた“性”のこと…。でも、リアルな世界では知らない“性”のこと…。
文芸部員たちは、“性”への知識も経験も乏しい。そんな中で、もがきながらも一生懸命に青春時代を生き抜く。
“性”について真っ直ぐに向き合うこと
このマンガは、5人の女子高生が恋愛を通して、“性”と真っ向勝負していく物語です。
“男性”と“女性”の身体的な違いは? たとえば“男性”と“女性”の考え方の違いって何?
“性”について自分なりの答えを導き出す努力をします。多感な時期なので空回ることもあるけれど、立ち向かうことを止めません。
“性”を意識してしまうこと
小野寺和紗は、幼なじみの典元泉のことが好きなのですが、幼い頃の好きと“性”を意識したうえでの好きが混ざってしまいます。
小野寺和紗は、“性”を意識してしまうことに強い罪悪感を抱いてしまいます。本当に誰かのことを好きなら、“性”を切り離して考えないといけないんだ...。それが、人を愛するということだ...。多くの方が共感できるところではないでしょうか?恋愛と“性”は密接に関わっているのです。
そこにメスを入れ、切れ味を作ったのがこのマンガの特徴であると思います。
本の役割
自分が知らなかった感情に名前をつけてくれる。それが本を読む大切さです。5人の女子高生らは文芸部員であり、放課後に様々な本を朗読していきます。彼女らにとって本は武器なのです。読書をすることで、他者だけでなく自分自身が抱く感情を学んでいくのです。
例えば、作中で「星の王子様」という本の解説があります。「星の王子様」を読んだことがない人のためにもわかりやすく本の解説をしてくれているため、身構える必要はありません。
最後に
中身はコミカルで読みやすく、クスっと笑える場面がいくつもあります。
同時に、高校生という多感な時期であるからこそ“性”というワードから逃げるべきではないと思うでしょう。
しかし、高校生だから“性”に立ち向かうのでしょうか?
否!!
社会人になっても、勇気をもって立ち向かうべきワードであると思います。
ぜひ、この機会にこのマンガを手にとって読んでいただきたいです。