みなさん、SFはお好きですか!?
🤔「いや、ちょっとわからない...」
😟「興味あるけど、敷居が高そう...」
そんなあなたに、おすすめの作品があります。聖悠紀(ひじり ゆき)先生の『超人ロック』シリーズです。
SFファンと そうでない人に
これは、『超人ロック』の第1作に添えられていた言葉。すべての人に向けた作品であるという、聖悠紀(ひじり ゆき)先生のメッセージが込められています。
『超人ロック』は1967年に誕生し、今も連載が続いています。そう、”超”長寿作品です。
オタクファースト世代はもちろん、筆者のような(エヴァの洗礼を受けた)オタク第三世代が読んでも衝撃の面白さです。世代は関係ないのです。『超人ロック』を語るときには、我々の時間軸をいったん忘れようじゃありませんか。
この記事では、SFファンと、そうでない人に向けて『超人ロック』の魅力を解説します。
『超人ロック』のあらすじ
主人公の名前はロック。逆立つ緑髪が印象的な美男子です。ロックはエスパーであり、あまりの強さから「超人」と呼ばれ伝説のように扱われています。そしてなんと、数千年の時を生きています。
宇宙の栄枯盛衰に関わってきたロック。舞台のスケールは大きく、物語は太陽系の外にまで拡がっています。
スケールが大きいので、地球も伝説のような扱いに▼
エスパーの能力は、例えば姿を自在に変えたり、念力で物を持ち上げたり、傷を修復したり、というものです。「チートじゃねぇか!」と思うかもしれませんが、ロック本人いわく「普通の人間」です。
実際、ロックも人間と同じように葛藤したり悩んだりするので、能力を抜きにすれば普通の人間と同じですね。
怪我の修復はできますが、負傷はします▼
ファンの力で後押しされた、聖悠紀先生と『超人ロック』の関係
聖先生が『超人ロック』を描いたのは、1967年17歳のときです。若い!掲載されたのは肉筆回覧同人誌でした。1975年にコミックマーケットが始まる以前から、日本ではマンガを自ら描きみんなで読む文化が既にあったんです。
『超人ロック』を発表した同人グループ「作画グループ」の代表・ばばよしあき氏は当時を振り返ってこう語っています。
絵としては、まだ多少の荒さはあったものの、巻頭カラーでの意表をつく主人公ロックの登場はその作品を見た者すべてが驚かされ、大きな話題を読んだ。
聖先生は、1971年に「別冊少女コミック」(小学館)にて商業誌デビュー。この頃、「女性漫画家にしては車の絵がうまいので、車は男性アシスタントが描いたのだろう」と言われることも。聖先生の描く絵は、流麗なキャラとシャープなメカを両立していました。
『らぶれたぁ作戦』『うちの兄貴』といった少女漫画を描きながら、マンガの仕事以外にも『超電磁マシーン ボルテスV』や『闘将ダイモス』といったアニメーションのキャラクターデザインもしていたのです。マンガ界の超人ですね。
聖先生の描くメカはいいぞ!▼
そんな中、聖先生に再び『超人ロック』を描いてもらうべく、ロックを愛するファンの方々が「聖悠紀を弾圧して超人ロックを守ろう会」を発足させます。(言葉の強さに愛を感じますね!)
「聖悠紀を弾圧して超人ロックを守ろう会」⁉️
何ですかこれ…💦💦💦 pic.twitter.com/Qi6JE9AvAe— Sarah🔥 (@SarahHUANG2) April 21, 2017
1977年にみのり書房の伝説のオタク雑誌「月刊OUT」で特集を組まれ、同誌の別冊「ランデヴー」にて『超人ロック』の連載がはじまります。ここで『超人ロック』、ついに商業誌デビューです。
以下は「月刊OUT」での『超人ロック』紹介文です
君は超人ロックを知っているか?なに、知ってる?そいつは頼もしいね話があいそうだ!えっ、君はそんなの知らないって?まあそう威張るなよ。こいつを知らなきゃモグリだよ。SFファンの君ならロックを知ってるかって事は、メシを食うより死活問題だぜ!
『超人ロック』は聖先生のデビュー作でありながら、ファンの後押しによって紡がれてきた作品なのです。
『超人ロック』の楽しみ方
結論からいうと、「お好きにどうぞ!」です。
なぜそういえるのか、説明しますね。
💚『超人ロック』はエピソード毎に完結するので、どこから読んでも楽しめます
50年以上続いている作品です。当然、「今から読むの大変そう!」と気になりますよね。でも、安心してください。超人ロックはエピソード毎に完結するので、どこから読んでも楽しめます。
例えば、いま連載されている作品から読んでも、『超人ロック』の魅力はすぐに伝わるでしょう。現在、「ヤングキングアワーズ」にて『超人ロック カオスブリンガー』、「月刊コミックフラッパー」にて『超人ロック ロックインザボックス』を連載中です。
💚『超人ロック』の扱うテーマは普遍。いつ読んでも楽しめます
『超人ロック』には、時事ネタがありません。冒頭で紹介した「SFファンと そうでない人に」というメッセージのとおり、誰にでも楽しめるように設計されています。
例えば筆者は第1作の「ニンバスと負の世界」から読んだのですが、まぁ見事にハマりました。キャラたちの気持ちもスッと入ってくるし、フフっと笑えるし、エェッ!と驚きました。
時代を感じさせない。むしろ時代という尺度は『超人ロック』には当てはまらないのでしょう。
「ニンバスと負の世界」は『超人ロック Classic 上』に収録されています▼
💚『超人ロック』は奥が深い!何度読んでも楽しめます
『超人ロック』は、ひつまぶしです。
つまり、1回目・2回目・3回目と視点を変えることで、違った感動を味わえます。
まず、1回目はストーリー。たとえ分からない言葉があったとしても大丈夫!物語の骨子は掴めます。エンターテインメントに身を委ねてください。
2回目は伏線回収。『超人ロック』という作品は、1回目を読んだら必ず読み返したくなります。「え!あの人が実は!」「ここがこう繋がるのか...」という展開なのです。1回目の前提知識を携えて、コンプリートの旅に出発しましょう。
3回目は、俯瞰。超人ロックは、年代が前後に飛びます。いまどのあたりを読んでいるかを、ストーリー年表で確認してみてください。
聖悠紀先生を応援して『超人ロック』を語り継ごう!
年に一度訪れるロックの日(6月9日)の翌日、2020年6月10日に聖先生はツイッターにてパーキンソン病であることを公表しました。
ke_fan pic.twitter.com/gt2KHwjF2M— 聖悠紀 (@Y_HIJIRI) June 10, 2020
ファンの公式ハッシュタグ「#locke_fan」では、日々ロックへの愛が投稿されています。
永遠の命を持つキャラクターを生み出した作品の命もまた永遠です。
ぜひ超人ロックを読んで、これからも語り継いでいきましょう。
【最新作をチェックしたい方はこちら】(※記事執筆時2020年6月22日時点)
「ヤングキングアワーズ」にて『超人ロック カオスブリンガー』連載中
「月刊コミックフラッパー」にて『超人ロック ロックインザボックス』連載中
【初期作をチェックしたい方はこちら】
オマケ
聖悠紀先生がキャラクターデザインをされた『超電磁マシーン ボルテスV』は海を越えフィリピンでの国民的アニメとなっています。荘厳な教会でフィリピンの方々が歌うボルテスVの主題歌、是非聞いて下さい。絵の魅力も、きっとフィリピンの皆さんを惹きつけた理由の大きな一つに間違いありません。
🧹🐈🍫🦊🌸🧹🐈🍫🦊🌸🧹🐈🍫🦊🌸
たんげむずっ!『ふらいんぐうぃっち』津軽弁クイズ開催中だっぺ!
国際人を目指すなら必ず身につけたい!青森の魅力が詰まった『ふらいんぐうぃっち』津軽弁クイズを開催中!全問正解目指して挑戦してけ!
ログイン・新規会員登録は不要です。今すぐ挑戦!