進撃の巨人

諫山創 / 著

コマ投稿OK

進撃の巨人の無料キャンペーンで試したかったこと

『進撃の巨人』が、大規模な無料キャンペーンを行い、非常に話題になりました。

正確に言うと、新刊が100円で、その他の巻は、一定期間、無料で閲覧できるというキャンペーンです。

『進撃の巨人』全巻99%OFF 最終回まで一緒に読もう!キャンペーン【期間限定|連載10周年感謝企画】

そして、マンガの情報サービスである「アル」は、ブログサービスである「note」と一緒に、このキャンペーンに参加していました。

「進撃の巨人」10周年を記念して、お題企画「#進撃の巨人10周年」を開催します!

そこで、なぜそういう企画をやったのか・・・の意図を紹介します。

無料キャンペーンは効果がある

まず、無料キャンペーン的なものは、いろいろな電子書籍ストアで行われています。

これは「電子書籍であれば、無料で1~2巻を配布しても、コストがあまりかからない」という点と、「無料でも読んでもらえれば、そのあとに継続して読んでもらえる可能性が高い」ということから、ポピュラーな販促として使われています。

また、Twitterで、1話を無料で公開するという手法も増えています。タイトルをうまくつけて、Twitter上で読めるようにしたことで、気軽に広まったり、RTで拡散したりするので、こちらも売上貢献が高いようです。

というわけで、マンガにおいて、無料で一部を読んでもらい、ファンになって、そこから単行本を継続的に買ってくれるようになる、というのはかなり広まっています。

というので、進撃の巨人もこの無料キャンペーンの一つだったわけです。

※余談ですが、これほど売れる作品で、完結間近に、ここまでのキャンペーンをやるのはかなり大胆な施策なので、ずっと進撃の巨人を担当している編集者の方は、飛び抜けてマーケティングセンスがあると思います。

無料キャンペーンで足りないところ

そして、今回、ここまで大幅なキャンペーンを聞いた時に、「こんな話題作が、大胆なキャンペーンをやるのだから、読んだ人だけで閉じるのはもったいない」と思いました。

一方で、無料キャンペーンの効果は実証されているので、これの中身をこねくりまわすのはいけていません。おそらく、その場合、企画者だけが自己満足するものになってしまいます。

なので、「無料のキャンペーンの効果を一切邪魔せずに」「よりキャンペーンの効果を低コストで長期間続くものにできないか」と思って考えて、提案したのが、「進撃読書会」です。

この企画を簡単にいうと「無料期間中に、読んだ人が、ブログサービスであるnoteに感想や考察を投稿してもらう」というものです。インターネット上に、記事として残ることで、数年後にもそのコンテンツが読める。当時の興奮がそのまま残るのではないかと考えたのです。

Twitterで盛り上がると瞬発力はあがります。しかし、1年前のツイートを見ることはなかなかしない。最終回前の、大盛りあがりの興奮を、記事で残すことができたら、無料期間が終わっても、連載が終わっても、継続的に魅力を伝えられるのではないか・・・と思ったのです。

実際の結果

実際の結果はどうだったかというと、、

「#進撃の巨人10周年」の新着タグ記事一覧

こちらを見ていただくとわかるのですが、2019年09月26日現在で200件以上の投稿があります。

どれも、かなり気合のはいったレビューだったり、好きなところを書いていたりします。

進撃の巨人の大ファンである私からみても、かなり読み応えのある記事もあったりして、非常に楽しめました。

ちなみに、アルとしては「企画を提案し、文章を書いたりするところを協力する」ということであり、お金をもらった仕事ではなく、あくまで「こういうの試したらどうですか?」という提案をしただけです。

noteには、アルのコマ投稿を貼り付けられる機能があるので、その意味でも、使ってもらえるチャンスがあるので、それだけでもメリットでした。

作品の魅力を継続的にするには

無料キャンペーンは「知らない人に知ってもらう」というのが目的だと思いますが、今回のように、ストックされる情報として、読者の投稿が増えていくと、どういうことかおこるのでしょうか?

キャンペーンの結果は、他社の私にはわかりませんが、観測した範囲にすぎませんが、

  • 無料を逃した人でも、興味を持つ接点が増える

  • 作品を読んだ人も、記事を読むことで多角的に読めて理解が深まる

  • 昔から読んでたファンにもメリットがあるキャンペーンになる

などです。

すでに購入しているファンにとっては、無料キャンペーンはメリットがないように思えてしまったりするのですが、その瞬間に盛り上がり、考察記事などが増えていくと、ファンが楽しめるコンテンツも増えるので、その点は良かったなと思いました。

次の展開

というわけで・・・。よい面もたくさんあったのですが、もっとよくできそうな気もしたので、今後も無料キャンペーンの効果をあげるにはどうしたらいいのか?というのは考えて行きたいなーと思いました!

「こうしたらいいのではないか?」という案などがあれば、是非はてなブックマークなどで、コメントしていただけると嬉しいです!

はてなブックマークでコメントをする