9月9日は「9=ナイン」と読めることから「食べ物を捨てナイン、残さナイン」という語呂合わせで「食べ物を大切にする日」が制定されました。また、5節句の1つで健康長寿を祝う「重陽の節句」の日でもあります。そんな「食べ物を大切にする日」に読みたいのは…
昭和19年、当時日本海軍の一大拠点であった広島県呉市に嫁いできたのは絵が描くのが大好きで、少しおっとりとした主人公のすず。『この世界の片隅に』は、そんなすずと家族、周囲の人々が戦中を懸命に生きていく様子が描かれた作品です。
戦争が人々の暮らしをどう変えてしまったのかが丁寧に鮮明に描かれている本作。とくに食事のシーンは印象的です。戦況が悪化し、少しずつ食べ物の配給が減っていくなかで、わずかな食糧を工夫して大切に分け合って食べる切なさと健気さ。あらためて食べ物の大切さを考えさせられる1冊です。
選 / よね(アルライター)