最近ゆるめの糖質制限をしていて、食事記録アプリを使っているのですが、食べた料理を入力すると、摂取した栄養素をパラメーターのように表示してくれて、これがなかなか便利。
普段わりとバランス良く食べているつもりだったのに、実は食物繊維やタンパク質が全然足りておらず愕然としたり。そのせいもあり、やたらと野菜や豆腐をモリモリ食べてます。
そんな状態で読んでしまったのが、吉田戦車先生の最新作『肉とめし』。タイトルのとおり、「肉と(白い)めし」の組み合わせしか出てこないグルメ漫画。
前作の『おかゆねこ』がおかゆオンリーだったことを考えると、ちょっと豪華になった……といえるかもしれません。
P県、戦国時代から続く名門・虎尾家。
その17代当主・岩髭につかえる駆け出し忍者のハコベは、「肉とめし」の食事になみなみならぬこだわりを持つお館様のために、レシピのヒントを収集する日々。
お館様の信念は強く
「肉とめしの間には調味料以外入ってはならぬ!」
からあげについても、
と、コロモに小麦粉や片栗粉を使うことさえ否定。なので当然、野菜を加えるなんてもってのほかです。
肉とめし(とタレ)、ただそれだけの世界。糖質制限中の今もそれ以前も、そんなプリミティブな食事をしたことって、あっただろうか、とふと考えてしまった。
子どものころから野菜を食べろと言われ続け、自炊や外食でも毎食つねに「野菜をとらねば」「ヘルシーであらねば」と心がけてきたけれど、果たしてそんな強迫観念のように追い立てられる必要があったのだろうか。
飲み放題、スイーツ食べ放題を楽しむように、たまには肉とめし放題でハメをはずしてみてもいいのではないかしら。人間だもの。
……というわけで、糖質制限中でありながら、これを再現してみました。
第7話に登場する、ラム肉の蒲焼き丼です。
キャンプ場でジンギスカンを食べ損ねたお館様のために生ラム肉を手に入れるも、タレが売り切れ。
そこでハコベの父が考案したのが、蒲焼き風の甘いタレでラムを炒めた、いわば和風(?)ジンギスカン。
ラム肉を蒲焼き風にして食べるって、どんな味になるのか気になります。
本レシピ記事はumebon(梅本ゆうこ)さん運営の「マンガ食堂」に掲載されたエントリーから寄稿いただき掲載されています。http://mangashokudo.net
材料と作り方
ラム肉を用意します(焼き肉用でも薄切りでも)。肉ってこういう包みに入ってるとなんかテンション上がりますね。
タレを作ります。
小鍋にみりんと酒を入れて火にかけて煮切り、醤油と砂糖を加え、少しとろっとするまで煮詰めます。
フライパンに油を入れて熱し、ラム肉をざっと炒めます。
火が通ったらタレを加え、焼き付けて完成。
ご飯はせっかくなので、炊きたてで。
ラムの蒲焼きをのせ、粉山椒を振って完成。
食べた感想:
普段の自分なら「もやしを…玉ねぎを…せめてタクアン一切れでも」と野菜を所望するところですが、ここは肉とめしの世界。焼いたラムと白いご飯と甘いタレ、ただそれだけのビジュアルにひるみます。
しかしいざ食べ進めると、これが衝撃的に美味しい。
ジンギスカンや焼き肉のタレって、甘いだけでなく香辛料も色々入ってスパイシーなものが多いですが、シンプルな「かえし」風のタレがラム肉の風味とこんなに合うとは思わなかった。甘辛味のなか、山椒がきいているのも飽きないポイント。
最近炭水化物も控えめだったので、どんぶりいっぱいのご飯を食べるのも久々だったのですが、思いもよらず完食してしまった。
ご飯にしみたタレがまた、ご馳走です。
やっぱり人間は単純に肉と白い飯が好きなのかもしれない。何より節制とは真逆の、やりたい放題した満足感でいっぱい。本作のキャラが一般人ではなく「わがままなお館様」というのもぴったりだな、と思ったり。
肉とめしの世界、ハマってしまいそうでちょっと怖い。
ちなみにあとがきによると、作中で「P県」と書かれているのは、実はあの『ぷりぷり県』だそう。
吉田戦車先生の90年代の代表作のひとつですが、実は私、いままで未読だったのです。これを機に読んでみたら、面白すぎていまさらハマっています。ガガーリン弁当もいずれ作ってみたい。
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