死体の一部にお湯をかけると3分間だけ命を復活させることができる...。そんな不思議な力を通して、極限の生と死の間で揺れ動く人間模様を描いた『インスタントライフ』。待望の単行本第1巻が4月9日に発売されます。
死者にお湯をかけると...
死者にお湯をかけると、まるでカップラーメンのように3分間だけ命を復活させることができるという、不思議な力を持つ青年・闇市。彼は助手である女子高生・石橋乙女と共にインスタントライフと名乗り町を彷徨います。
インスタントライフへの依頼方法はとてもシンプル。彼らが街に来ている時は電柱に広告が貼られているので、記載されている地図をもとに彼らを訪ねるというもの。利用料は10万円で、遺骨や亡くなった方の体液や皮膚が付着したものさえあれば3分間だけ蘇らせてくれるのです。
3分間の命から垣間見る人間の愛と闇
死者を蘇らせるという禁断の領域に挑んだ依頼者たちの思惑はもちろんですが、一番注目したいのはこの世に蘇った死者が3分間で何をするのか?ということです。
あるペットは飼い主に最後のメッセージを伝えるために、とある少年は妹を救うためにたった3分間という短い命を必死に使い果たします。そんな死者の姿から見えてきたのは、依頼者も知り得なかった想像を超えた感動的なエピソードから残酷な真実まで実に様々...。
言うなれば本作は、それぞれの死者の3分間の過ごし方から人間の奥底に潜む愛と闇を炙り出す究極のヒューマンドラマです。
お湯をかけると死者が3分間蘇る...そんな都市伝説のような不思議な力の先に広がる、重厚なストーリーにぜひ注目してください。
江戸川治先生の読切作品にも注目
『インスタントライフ』は、新潮社のWEBマンガサイト「くらげバンチ」にて絶賛連載中です。
作者の江戸川治先生が昨年発表した読切作品『体がだんだん金になる女と盗賊男』では、体がだんだん金になってしまう奇病を罹った女性と借金苦で彼女を狙う男性の悲哀を描いています。ダークさを秘めた物語から感じる、力強くて感動的な愛に触れてみてください。
OGP及び記事内の画像は、新潮社と江戸川治先生の許諾の元掲載してあります。快く許諾していただきまことにありがとうございます
©江戸川治/新潮社