Netflixで人気急上昇中の韓国ドラマ「梨泰院クラス」をご存知でしょうか。
辛い過去を持つ主人公が梨泰院街でレストランを開き、仲間と一緒に不公平な世の中に立ち向かい亡き父の敵に復讐をする痛快なサクセスストーリーです。
日本国内の「今日の総合TOP10」で連日上位にランクインするほど人気の本作は、韓国発のデジタルマンガWebtoonが原作で日本では『六本木クラス』というタイトルでピッコマで配信されています。
「梨泰院クラス」以外にもドラマ・映画化された話題のWebtoonが沢山あります。Webtoonは外見差別や経済格差などの社会問題をテーマにした作品が多く、そんな困難に立ち向かう主人公の姿に思わず胸を打たれます。
今回は、日本でも話題のWebtoon作品についてご紹介します。
目次
- 韓国発のデジタルコミック Webtoonって？
- ミステリ仕立ての恋愛マンガ『チーズ・イン・ザ・トラップ』
- 会社員の群像劇『未生 ミセン』
- 目覚めたら超イケメンに？！『外見至上主義』
- メイクで絶世の美女に『女神降臨』
- マンガでその国の歴史とカルチャーを感じる
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韓国発のデジタルコミック Webtoonって？
...話題の作品をチェックする前に韓国のマンガ事情をご説明します。
韓国では、Webtoon（ウェブトゥーン）と呼ばれるデジタルコミックが主流です。
「web」と「cartoon（漫画）」を組み合わせた造語で、日本のマンガとの大きな違いはスマホ向けに縦読み形式になっていること。そして、デジタルファーストで制作されることからモノクロでなくフルカラーで描かれている作品が多いところもWebtoonの特徴です。
日本ではモノクロが多いので、韓国マンガを読み始めた時はその華麗さに引き込まれる方も多いはず。
Webtoonはポータルと呼ばれる掲載サイトに掲載されていて、日本では一部作品がLINEマンガやピッコマで配信されています。
これからご紹介する作品も全てWebtoonで公開されたもの。スマホでスクロールすることを想定して設計されたコマ割りや、フルカラーで進むストーリー...。ぜひ、Webtoonならではの特徴を感じながら読んでみてください。
ミステリ仕立ての恋愛マンガ『チーズ・イン・ザ・トラップ』
苦学生の主人公・赤山雪は生真面目だけれど、たまにお人好しなところが欠点。平凡な大学生活を送る雪ですが、成績優秀、お金持ち、イケメンの三拍子揃った学園の人気者・青山淳が最近気になる...。それは恋愛感情ではなく、淳が時折見せる冷淡な本性に気付いてしまったから。
雪が本性に気付いてからというものの、何かと雪に関わろうとする淳。時には身の危険を感じる嫌がらせをしてきたかと思えば、突然甘い笑顔を振り撒いてきたり...？
一見恋愛マンガと見せかけ、巧みな心理描写がまるでミステリマンガさながら。また、読み進めると、年上に対する絶対的敬意や家柄のしがらみなど日本との文化の違いも感じられます。
先の読めない展開で人気に火がつき韓国で社会現象にもなった『チーズ・イン・ザ・トラップ』は、2016年にドラマ化され、2018年には映画化されました。
話数でいうと300話超えの超大作！
この機会にぜひ読破してみてはいかがでしょうか。
会社員の群像劇『未生 ミセン』
プロ棋士を目指して10歳で韓国棋院の研究生となった主人公・チャン・グレ。ですがプロ入りの道はそう簡単ではなく挫折し囲碁の世界を去ることに...。夢も希望もないチャン・グレでしたが、縁が重なり大手総合商社のインターン生として働き始めます。
そんなチャン・グレを待ち受けていたのは、一筋縄ではいかない上司に、優秀なインターンたち。今までいた世界と別世界すぎて、コピー機の扱いすらままならないチャン・グレ。けれど、持ち前の負けん気と囲碁で培った思考力を武器に正式採用を目指し立ち向かいます。
会社員の群像劇を描いた本作は、働く全世代の心を掴み大きな話題となりました。
韓国では、2014年にドラマ化され、その人気ぶりは国境を超えて、日本でも2016年に『HOPE～期待ゼロの新入社員～』というタイトルでドラマ化されました。
...タイトルの『未生 ミセン』は囲碁の言葉で"弱い石"を意味します。
新年度がスタートした今、新しいことにチャレンジするあなたの背中を教えてくれるような作品です。
目覚めたら超イケメンに？！『外見至上主義』
容姿をいじられ学校で酷いイジメに遭っていた主人公・蛍介。そんな毎日をリセットするために、超有名な芸術高校に転校することに。
転校を機に一人暮らしを始めた蛍介がある日目覚めると、自分とは正反対な超絶イケメンの姿に...！日中はイケメンの体で学校に通い、夜は元の容姿でバイトをする不思議な二重生活を送る蛍介でしたが、元の容姿の姿の自分では考えられないようなドタバタな学園生活に巻き込まれて行きます。
主人公がイケメンの姿で学校へ行くとクラスメイトたちが急に掌を返す姿からは根深い外見信仰を感じます。
正式には発表されていませんが、作品の人気から実写化が噂されています。
メイクで絶世の美女に『女神降臨』
主人公・谷川麗奈は、自分の顔にコンプレックスを持つ地味な女の子。
ですが、失恋をきっかけに猛勉強したメイクでまるで別人のような美女に！
その美しさから”女神”と呼ばれ華やかな高校生活を送りますが、ひょんなことから同じ学校に通うイケメン・神田俊に、すっぴんを見られてしまいます。麗奈の”女神”な高校生活やいかに...？
麗奈がメイクアイテムを使って女神に変身していくシーンがフルカラーで描かれいて、まるでビューティー雑誌を見ているかのようなリアル感。
また、韓国アイドルさながらのおしゃれでスタイル抜群なキャラクターたちが魅力的です。
作品はもちろんのこと注目したいのが作者のyaongyi先生。
instagramで自身の写真を公開しているのですがその姿がまるでリアル麗奈！
『女神降臨』も作品の人気から実写化の噂が流れていますが、正式な発表はまだありません。原作を読み返しながら朗報を待ちましょう。
マンガでその国の歴史とカルチャーを感じる
韓国でここまでWebtoonが発展した背景には、90年代末の出版業界の不況があります。当時は、空前のインターネットブームでオンラインゲームが娯楽として主流となっていました。その結果、マンガ雑誌は販売部数が低下や廃刊に追い込まれました。この状況のなか、アマチュアのマンガ家たちが自分のウェブサイトを作り作品を載せ始めたことがWebtoonの始まりと言われています。
表現の場が紙からウェブに変わった時に生まれたWebtoonという新たな文化。その文化は、マンガを読む時の新しい感動や体験を私たちにくれました。
最近の日本では、TwitterやnoteなどのSNSでマンガを発信されるマンガ家が増えてきました。その先には、韓国のWebtoonのように新しいマンガの在り方があるのかもしれません。
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