王貞治選手が日本初となる「国民栄誉賞」を受賞した日です。以降、スポーツ選手やマンガ家、作曲家、俳優など様々な方が受賞しています。そんな「国民栄誉賞の日」に読みたいのは...
『岳』の主人公で山岳救助ボランティアの島崎三歩は、そして冒険家として初めて国民栄誉賞を受賞した植村直己さん。どちらも山に生き、その魅力を世に広めました。山を通じて繋がる人の絆や、一瞬一瞬を切り取る山の様子に胸躍ると共に、その怖さも痛感できる作品です。
登頂の達成感、澄んだ空気、眼下を遮る物のない絶景、その快感はどれほどでしょうか。一方で山の怖さがありありと伝わる話ではページを捲る手が躊躇するほど。それでも主人公・三歩のひた向きな山への思いに触れ、きっと山が好きになります。
選/うなぎ(アルライター)