ジャンプ+読切作品『深海とごちそう』深海に取り残された人々の究極の選択

本日(2021年4月23日)のジャンプ+の読切作品は、安芸勘谷(あきかんや)先生の『深海とごちそう』が掲載されました。

本作は、投稿サイト「ジャンプルーキー!」で毎月開催されている月間ルーキー賞において、2021年3月期ブロンズルーキー賞を受賞された作品です。

本作のみどころ、そして、作者の安芸勘谷(あきかんや)先生の過去作についてご紹介します!

『深海とごちそう』のあらすじ

青年が目に涙を浮かべて血だらけの包丁を持ちながら、「ごめんなさい いただきます」。

本作は、そんなシーンから始まります。

太平洋水深7,500メートルで深海の調査をする探査艇「ゆうえい丸」。船内には、船長と3人の調査員が信頼関係を築きながら、深海の未知なる領域を調査していました。

彼らの任務はとある瞬間に、一変します。

大きな衝撃とともに船体は制御不能に。岩礁にぶつかった船は復旧不能なダメージを負い、重傷者も出てしまいました。自力での生還は不可能になってしまいます。

彼らは、深海という密閉空間で徐々に死が近づいていく恐怖の中で、奇跡の救助を待ち続けます。

作品を理解するプチ情報

深海調査について

作中では7,500メートルの深海を調査しており、「超深海」というワードが出てきます。

この「超深海」とは、水深6,000メートルより深い層のことで、光が全く届かない闇の世界です。日本では「しんかい6500」という潜水調査船が開発されていますが、名前の通り6,500メートルまでの調査を目標にしています。

本作では、それより深い7,500メートルの深海を調査していました。まさに未知の場所を調査しているんですね。

極限状態における究極の選択

奇跡の救助を待つ調査員にできることは、ただただ生き延びることでした。残された食料を少しずつ消費し、ただただ救助を待ちます。

しかし限界が近づきます。極限状態の中、彼らは究極の選択を迫られます。物語の後半には、目を覆いたくなる展開が待ち受けています。

その展開は、倫理や道徳に大きく反する行動なのですが、彼らは仲間を助けるために自分自身を犠牲にします。それぞれの選択、その選択の背景にある想い、その物語に強く引き込まれました。

日常では味わえないマンガだからこそ描ける重みのある物語が、本作にはありました。

作者紹介

作者である安芸勘谷(あきかんや)先生は、なんと今回の作品が処女作とのこと!

処女作がこの作品で、ジャンプ+に掲載…!すごいデビューですね!

ジャンプルーキー!には、本作以外にも「カラーイラストノベル」と呼ばれているイラストと小説を組み合わせた作品を掲載されています。

『深海とごちそう』とは違った作風で、先生の表現の幅広さを味わえます。ぜひ過去作も読まれてみてください。

そしてTwitterの発言によると、新しい作品を準備されているとのことです。

安芸勘谷先生の次回作を楽しみにしていましょう!

OGP画像はジャンプ+『深海とごちそう』掲載ページより
https://shonenjumpplus.com/episode/3269632237331072687