『銀河のカーテンコール』モーニング・ツーで連載開始!年の差40歳の"終わった"2人が新たな物語を"始める"ことはできるのか

月刊モーニング・ツーで連載が始まって間もない『銀河のカーテンコール』。北駒生先生が描く年の差40歳の大人ラブストーリーです。

北先生の描く麗しいカラーイラストからは、端正な人間ドラマを想像するかもしれません。しかし、この恋物語はそれだけではありません。素直な感情のままに自由に生きづらくなってしまった大人が、ようやく自分の中に見つけた純粋な思いと不器用にも向き合い、前を向いていこうとする物語です。

終わってしまった2人は出会う

ガラケーさえ持っていない、メールも電話も繋がらないその人を探し求めて息を切らせる女性。彼女は合歓木眞(ねむのき・まこと)、30歳。相手の名は誠二郎70歳。その年の差、40歳

2人の出会いにはある共通点があったのです。

🙍‍♀️「恋」が終わった女性、合歓木眞

図書館司書で幼い頃から小説が好きだった。彼女には婚約者がいるのですが、とても合理的な彼に対し、自分の情緒を押し殺してまで「いい彼女」を演じることに疲弊していました。俯いた彼女の目に映りこんだのは庭で咲く星形の花。その瞬間、ふと力が湧いてきた彼女は婚約破棄を決断します。

その事実を友人に打ち明けるタイミングを逃し、半ば躍起になって第2の人生を踏み出そうとする眞。

「第1巻・終わり(完)」って感じなんですけど このあと このあとお時間ありますかァ?

引用元:『銀河のカーテンコール』第1幕

そんな恋を終わらせたばかりの眞が出会ったのが、誠二郎でした。

👨‍🦳「キャリア」が終わった男性、誠二郎

一方、誠二郎は70歳になる熟練の庭師。最後になるはずだった仕事を終えて、込み上げてきた感情が「参った、まだ足りん」。仕事に未練が残っていることに気づきます。

後輩を前に引退を撤回しようとするも、完全に見送りムードの中とうとう撤回を言い出せず、あっけなくキャリアが終わってしまった誠二郎。花束という名の未練を抱える彼の前に現れたのがです。

それが終わりの見えない片恋だったとしても

恋とキャリアが終わってしまったことをきっかけに同じ場所で出会ってしまった彼らは、2人だけの二次会で会話を弾ませます。

誠二郎の庭造りへの未練がまだまだ人生先の長い眞の心に深く刺さるのです。

「手放したくねえ」終わりの見えん片恋みたいなもんですよ。んな経験もないくせになぁ

引用元:『銀河のカーテンコール』第1幕

眞は祖母からの昔話で誠二郎が眞の家の庭の改修を手がけていたことを知ります。それが、あの婚約破棄を決意した瞬間に見ていた星型の花だったのです。

ある日、図書館で再び眞の前に現れた誠二郎。眞の足は衝動に駆られるがごとく彼の元へ駆け出していました。そしてそのまま彼の手を取ります。

少し早い人生のエンドロールが流れ出していた2人に、早くも新たなプロローグが開幕した瞬間です。怒涛の展開に読者は席を立つことができません!


年上の相手に思い焦がれた経験がある方は少なくないでしょう。それは恋ではなく憧れだったのかもしれないと思い出に浸ることもあるかもしれません。その年の差が40だったとしたら。そして、もう自分もいい大人と言える身だったとしたら。その感情に名前をつけられるでしょうか?

やっとありのままの感情を起点に新たな人生を歩もうと決意した彼女と、生粋の庭師であり植木と仕事への未練ともいうべき愛を貫く誠二郎。2人が見据える先は、まだ決して同じものであるとも、交わっているとも言えません。眞の衝動に対して筆者が彼女の立場なら、恋と名づけるにはまだ早いと二の足を踏んでしまいそうです。

しかし、眞は誠二郎のもとへ駆け出しその手を取りました。読者は終わりの見えない片恋だとしても、眞の衝動の行く末を見守る他ないのだと思い知らされるのです。

『銀河のカーテンコール』は2021年4月22日発売のモーニング・ツーにて第3話が掲載されています。物語は始まったばかり。この年の差がどのように距離を縮めていくのか、気になりますよね?本作との距離を縮めるなら今です!

ぜひ、一緒にこの物語のカーテンコールを見届けましょう。

北駒生先生が描く過去作のヒューマンドラマにも心揺さぶられる

北先生の過去作『あさめしまえ』や『火色の文楽』もオススメです。

『あさめしまえ』

朝ごはん食堂に訪れるさまざまな人間模様を描いたお腹も心もほっこりする、栄養満点ヒューマンドラマです。作中では朝ごはんに作りたくなる料理のレシピを紹介するページも描かれているのが推しポイントの一つ。お腹が空くのも当然ですが、読んだ次の日はちょっと早起きして朝ごはんを作りたくなります。

あさめしまえ (全6巻) Kindle版

『火色の文楽』

バレエ界の星」と評され期待の星だった主人公。怪我によりその道を絶たれた先に人形浄瑠璃・文楽と出会います。最上の芸を追い求めて400年の伝承を受け継ごうとする若者たちを熱く描いた物語です。第22回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門にて審査委員会推薦作品に選出されました。

火色の文楽 (全3巻) Kindle版

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OGPはモーニング公式サイト『銀河のカーテンコール』掲載ページより
https://morning.kodansha.co.jp/c/ginganocurtaincall/