本日発売『まんがタイムきららフォワード』9月号最速レビュー!牛木義隆先生の注目の新連載『追風のジン』など6作品を紹介!

2021年7月21日の本日は「まんがタイムきららフォワード」9月号の発売日!

表紙は新連載の『追風のジン』より、ヒロイン・ココロが描かれています。今月号から始まったばかりの新連載作品というだけあり、新しい風を感じさせるように爽やかな表紙ですね…!

今月はゲスト作品が3本、新連載1本、センターカラー(巻頭カラー含む)が1本ありました。この記事では「まんがタイムきららフォワード」の9月号に掲載されている作品から、連載作品3本、ゲスト作品3本の合計6作品をご紹介いたします!

『追風のジン』(新連載)

今月号から新連載となる『追風のジン』は、牛木義隆先生により描かれていく作品です。牛木義隆先生は以前「まんがタイムきららフォワード」にて、『夢喰いメリー』(全24巻)を執筆されていました。長く連載を続けていた牛木義隆先生が満を持してスタートさせる新連載なだけに注目が集まっています。

夢喰いメリー

(※『夢喰いメリー』第1巻のコマを使用しています)

『追風のジン』は配達人の少年・ジンと食堂「緋鯉亭」の看板娘・ココロの出会いから物語が幕を開けました。母の代わりにココロが店主を務める「緋鯉亭」に、食材を配達するためにジンがやってきます。

荷物を無事に届けたお礼としてジンは朝ご飯をご馳走になることに。出されたのは絶品のカレーうどん。ジンがそのおいしさに感動していると、なにやらガラの悪い集団が店にやってきました。飲食代を踏み倒そうとしている彼らがチラつかせているのは「手裏剣」。

そう、この世界は秩序を失った忍者たちが欲望のままに生きる世界だったのです。


面白い…!

その一言が最初に出てきました。まんがタイムきらら系列では珍しく、男性の主人公で描かれる本作。第1話の中で起承転結がハッキリ展開されており、忍者が暮らすという現実離れした世界観でもすんなりと内容が頭に入ってきました。66ページの大ボリュームでも一気に読めてしまう巧みな構成です。

話の流れとしては、一度は退けたはずのガラの悪い集団が再び戻ってきてココロが誘拐されてしまう、という展開が繰り広げられます。王道ではありますが、盛り上がらないわけがない…!縦横無尽に駆け回る戦闘描写には、素直に心が惹かれました。

そして何と言っても、ヒロインのココロがかわいい。料理上手で力持ちというオカン気質を持ちながら、体の弱い母のために笑顔を絶やさず1人でお店を切り盛りするその姿は、応援せずにはいられません。この世界にいたら常連になっちゃう…。

物語もキャラクターも文句なしに面白い新連載でした!牛木義隆先生、おかえりなさい!

夢喰いメリー
牛木義隆/著

『音のレガート』

仲間と一緒に音楽を楽しむことに憧れていた女の子・が、「アンサンブル同好会」の仲間と共に音色を奏でる物語。『音のレガート』は、すいと先生により描かれている作品です。

9月号では、柚季が遊園地に行くお話が描かれています。

朝が弱い柚季を起こしに来ることが日課になっている葵。「どうしてこう毎日家にくるんだ…」と柚季が眠たそうに答える今日は、オフの日でした。いくら日課とはいえ休日どうして休日に…?と葵に向けた視線の先には、遊園地のペアチケットが握られていたのです。


以前より幼なじみとして仲が良さそうな2人でしたが、2人で出かける様子は初めて描かれました。気の置けない2人の「夫婦かよ!」とツッコみたくなるようなやりとり。見てるこちらとしては微笑ましい限りです。

柚季はどうやらアトラクションが得意ではない様子でしたが、「テーマパークで流れてる曲って良いよな」というセリフからまんざらでもない様子が伝わってきます。2人の仲の良さって、きっとこういうことなんだよね…という妄想に1つの答えが出た9月号でした!

2021年8月11日にはコミックス第1巻の発売が決定!おめでとうございます!

『すぱいしーでいず!』

伊豆大島に引っ越してきたお嬢様・すてらが、個性豊かな友達とスパイスたっぷりのカレーに出会い刺激的な日々を送る物語。『すぱいしーでいず!』は、原作:蒼山サグ先生、作画:きんつば先生、料理監修:伊藤 雄一先生(ベルコルノ)により描かれている作品です。

連載2話目となる今回は、伊豆大島で出会った友達と親睦を深めるすてらが描かれています。

カレーを一緒に食べて打ち解けたすてらとあいたち。状況が落ちついてきたところで改めてお互いの自己紹介を始めました。筆者含め読者が気になっていたであろう、なぜ喫茶店で小学生がカレーを作っていたのか、という疑問にも触れていきます。


小学生が働くのが当たり前の島なのか…!?と思っていたのですが、全然違いました。お店はなつみに関係が深い場所であり、小学生だけでカレーを作っていた理由はなつみの家庭の事情に隠されています。

経緯を聞いた後は、カレー作りを応援したい気持ちがなおさら強くなりましたね…!

「レシピがないからカレーの宝探しだぞー」というあいのセリフが印象的だったのは、この作品の魅力が詰められていたからでしょうか。これから先の「宝探し」に期待が高まる連載2話目の9月号でした!

『赤ずきんとオオカミ少女』(ゲスト)

『赤ずきんとオオカミ少女』は、うなぽっぽ先生により描かれているゲスト作品です。

好奇心が強く、心優しい女の子・赤ずきん。彼女はみんなから愛されていましたが、みんなとは少し違う考えを持っていました。「おおかみさんは みんな悪い生き物なの?」と。やがて時は流れ、成長した赤ずきんは誰もが怖れているオオカミと初めての出会いを果たすのでした。


誰もが知っている童謡が、もし違う結末だったら。そのような文脈で描かれる作品でした。

童謡の通りに本作でも赤ずきんは掟を破ってしまうのですが、話の展開は童謡と同じようには進みません。展開の分かれ道には「おおかみさんは みんな悪い生き物なの?」という赤ずきんの考えが効いてくるのです。果たして、初めて本物のオオカミを見た赤ずきんはどのような行動を取るのでしょうか。ぜひともお確かめください!

『ゾンギャル』(ゲスト)

『ゾンギャル』は、橘まなり先生により描かれているゲスト作品です。

交通事故で親友のもぐを亡くしたゆいな。なんとか生き返らせようと懸命に知恵を絞った結果、ゾンビ映画の知識で生み出した「ゾンビパウダー」を使って、ゾンビとしてのもぐを蘇らせたのでした。


最初の5ページの情報量がとても濃密でした。

親友を交通事故で亡くしたという衝撃的な出だし。そこから心を落ちつかせる間もなく出てきたのが、ゾンビ映画の知識で作った「ゾンビパウダー」でした。なにやら飲ませるとゾンビになれる薬のようですが、飲ませるために用意したドリンクは黒糖タピオカ。水じゃないんだ…。だめだ、情報量が多すぎる…!

圧倒的な情報量でしたが、読み終わるのが早く感じるテンポの良さは本作の魅力です。ギャルとゾンビ、まぜるな危険とも言わんばかりのコンビネーションが織りなす怒濤の展開に、ぜひとも飲み込まれてください!

『もみじコンプレックス』(ゲスト)

『もみじコンプレックス』は、『枯れセン』を連載していた青木渚子先生により描かれているゲスト作品です。

2021年3月号掲載の読み切りの続きとなる今回は、もみじの新しいコンプレックスについて描かれています。

クラスメイトに対して無口を貫いていた女の子・もみじが、誰とも口をきかなかった理由は「自身の広島弁をコンプレックスに感じていたから」でした。アキの力を借りて無事にコンプレックスは克服したように思えたのですが、今回はもみじの新しいコンプレックスが明らかになったのです。


触れてしまうと友達でも気まずくなってしまうコンプレックス。心のどこかでは、なるべく触れずにやりすごしたいと思ってしまうものです。にもかかわらず、もみじはコンプレックスとアキにしっかりと向き合っていました。それだけでえらい。

作品にはコンプレックスの重苦しさを感じさせない2人のほわほわした雰囲気が漂っています。平和な2人の物語が帰ってきてくれた…と安心してしまうようなゲスト作品でした!

枯れセン (全3巻) Kindle版

次回10月号は2021年8月24日に発売!

がっこうぐらし!

(※『がっこうぐらし!』第1巻のコマを使用しています)

次回10月号は2021年8月24日に発売です。第2話が掲載される『追風のジン』や、8月11日にコミックス第1巻が発売される『音のレガート』を初めとする作品たちは見逃せません!

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まんがタイムきららフォワード 2021年8月号 [雑誌]
まんがタイムきららフォワード編集部/著

OGP及び記事内画像はTwitterまんがタイムきらら編集部公式アカウントのツイートより
https://twitter.com/mangatimekirara/status/1417499549187272704