『歌舞伎町の洗濯屋さん』まるでドキュメンタリー 衣類から紐解くワケありな人間ドラマ

数ある作品ジャンルの中でも今回ご紹介するマンガは「人間ドラマ」。人間の内面に迫ったり、複雑な関係性が繰り広げられる人間ドラマは、何気ない日常に潜む非日常を味わえるところが魅力的です。

駒魔子先生が描く『歌舞伎町の洗濯屋さんでは、新宿・歌舞伎町の一角に佇むクリーニング店を舞台に、読者を一風変わった人間ドラマの世界へと誘います。

衣類から紐解く、ワケありな人間ドラマ

日本最大級の歓楽街である新宿・歌舞伎町。その街のクリーニング店に勤める、貧乏美大生・ユリ。

クリーニング店といえば、言わずもがな衣類の汚れを落とすために訪れる場所です。ですが、歌舞伎町という土地柄のせいか、ここでは来店するお客様と衣類を通してワケありな人間ドラマが繰り広げられるのです。

待ち受ける予想だにしない展開

例えば、クリーニング店でよく起きる「ポケットの中に忘れ物」事件。ついついポケットに時計やアクセサリーを入れたままにしてクリーニング店に預けてしまった...なんて方も多いのではないでしょうか?

ですが、ここは歌舞伎町。ポケットの中の忘れ物も一味違います。

さらに、可愛らしいお客様が持ってきたコートのポケットの中からは、予想だにしないアイテムが登場します。

ホスト、クラブの授業員、キャバ嬢、そして明らかにカタギではない人々...。そんなお客様がクリーニング店に預ける衣類から、ワケありでディープな人間ドラマを垣間見る物語『歌舞伎町の洗濯屋さん』。

ブラックな笑いはもちろん、物語が進むにつれて背筋が凍るサスペンス的展開やまさかの感動回、そして従業員・ユリの知られざる秘密が明かされ、まさに予想だにしない人間ドラマが待ち受けています。


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リアルさと各話に潜む社会問題

作者である駒魔子先生のアルバイト時代の経験から生まれた歌舞伎町の洗濯屋さん』。

本作で描かれている内容はフィクションですが、まるでドキュメンタリーを見ているかのようなリアルさが魅力的です。そして、ストーカーや自殺、薬物といった各話に潜む社会問題にもぜひ注目して読んでみてくださいね。

歌舞伎町の洗濯屋さん 1巻: バンチコミックス
駒魔子/著

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©︎駒魔子/新潮社