トリンドル玲奈さん主演でドラマ化、そして朝食ブームの牽引役となった『いつかティファニーで朝食を』が7年の連載を経て、ついに完結!
おいしそうな朝食にうっとりしたり、主人公の麻里ちゃんをはじめ登場人物やエピソードがあまりにリアルすぎて他人事とは思えなくなってしまったりした方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
2019年10月14日、「『いつかティファニーで朝食を』14巻発売&完結記念 マキヒロチさんトーク&サイン会」が開催されました!整理券がすぐにハケてしまったという、レアなイベントをレポートします!!さて、どんなお話が飛び出すのでしょうか?
会場はHMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE。聞き手は、直木賞よりも受賞作品が売れるという「新井賞」を創設したカリスマ書店員 新井見枝香さん。書店では文芸担当でありながら、連載当初から『いつかティファニーで朝食を』をプッシュしていたんだとか。彼女の私物コミックスが会場に持ち込まれ、会場のお客さんたちから事前に集められた質問を交えながらのトークが始まりました!
いつかティファニーで朝食を最終回脱稿しました。自分なりにみんなを幸せにしたつもりだけど、エンディング、みんな気に入ってくれるのかなーと少しドキドキします。描き終えた感想などはイベントでお話しますので、お近くの方はぜひいらしてください。7年間ありがとうございました🌹 pic.twitter.com/68oGRMqHUI— マキヒロチ (@makihirochi) September 6, 2019
明日のトークイベント前に読み返す『いつかティファニーで朝食を』
みんないろんなことあったね!
当日 会場で質問用紙をお渡しすることにしました。
マキヒロチさん @makihirochi に聞きたいこと 書いてくださいね! pic.twitter.com/goXwfSP0IP— 新井見枝香@HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE (@honya_arai) October 13, 2019
「もはや全員自分の友達」リアルなキャラクターたちのモデルとは?
左:新井見枝香さん 右:マキヒロチさん
新井さんが「もはや全員自分の友達」と言うほど、「マンガの中の人」とは思えないリアルな登場人物たちが魅力の本作。そのせいか多かったのは「キャラにモデルはいるの?」といったキャラクターに関する質問。
麻里ちゃんとリサはマキヒロチさんのお友達がモデルだそう。マキさんが「めんどくさいの極み」とまで言った麻里ちゃんのメンヘラ元彼、高浪さんは友達の元彼がモデルだとか。あの受け答えは、架空で作れるものではないのでは?と思っていたら、やっぱり実在するんですね…。
そして読者がイラっとしまくったであろう創太郎はマキさん曰く「男の嫌いなところを全部つめた」とのこと。どうりであんなにイラっとするわけですね!マキさんの観察眼と描写がすごすぎる。ちなみに忘れちゃいけない菅谷は、麻里ちゃんのモデルのイラッとする後輩がモデルだとか。
「一番友達になりたいキャラクター」「自分に近いキャラクター」としてマキさん、新井さんのお二人から名前が挙がったのは、きみちゃん。本とおいしいものが好き、安定している友達がいい、という理由から。彼女の恋愛の仕方、性格、決断にグッときた方も多いのでは?
私もあれ食べたい!行った人続出のお店選びは?
作品が好きすぎてニューヨークのヨーグルト屋さんに行ったというお客さんも会場にいたほど、美味しそうな朝食と魅力的なお店が毎回紹介されていた『いつかティファニーで朝食を』。
当初は朝食の紹介がメインだったので、パンチがあるお店をマキさんと担当さんが一緒に選んでいたそうですが、次第にストーリーに合わせたお店を選ぶようになり、マキさんがセレクトするようになったとか。ご自分で掲載交渉されることもあるので、NGだと心が折れることもあったそう。作者自ら足で稼いだ貴重な情報のおかげで、作品にさらに厚みが増しているんですね。
新井さんの私物コミックス。新井さんも作品内の数々のお店に足を運んでいる。
マキヒロチさんにとって『いつかティファニーで朝食を』とは?
「もっと続けてほしい」という声も多いこの作品。マキさんの中では12巻くらいで描きたいことを描ききれたので、後はみんなを幸せにするだけ、と思っていたそう。始めの頃、マンガはいつ打ち切りになるかわからず1〜2巻で終わるだろうと思っており、一話ごとの完結なので、先のことは考えていなかったのだとか。また当初は「朝食」がメインで、登場人物は朝食を出すためのツールのような位置付けだったので、こんなにきみちゃんが出てくるなんてことは予測していなかったそう。
マキさん曰く、デビューして10年間売れていなかったため連載開時には本作も売れるとは思っていなかったそう。でも『いつかティファニーで朝食を』が代表作になって嬉しい、ドラマ化もしたし、と加えます。
この作品はマキさんの友達の協力も大きいというエピソードも飛び出しました。彼女たちが愚痴や職業について教えてくれたことで、改めて友達の魅力にも気づいたそう。リアルなお話はマキさんがこれまでに信頼を重ねてきたご友人の助けもあるんですね。なるほど。
そんな作品を連載当初からプッシュしてきた新井さんはこう言います。「こんなに自分ごとになるマンガはない」と。小説であれば、登場人物の外見や設定などは自分で決められるから「自分ごとになりやすい」。一方、マンガは服装をはじめ、あらかじめ作者によって決められた情報が多いにも関わらず、『いつかティファニーで朝食を』は「もはや全員自分の友達」と思えるほど自分ごとに感じてしまいます。その気持ち、本当〜〜〜〜によくわかります。架空の人物でありながら、私は麻里ちゃんたちと同じ時間を過ごせたことを嬉しく思うほど。
「マンガは完結しないと読み始めない」派のために、全14巻が完結したこの機にたくさん『いつかティファニーで朝食を』を届けたいと思います、と新井さんが締めくくりました。
サイン会
アラサー女子だけでなく、男性やお子さん連れの方も集ったこのイベント。マキさんは70名近くの読者のみなさんと言葉をかわしながら、お一人お一人にサインしていらっしゃいました。
私もサインいただきました!かわいい〜うれしい〜♪
7年間にかけがえのない友達と一緒に人生を歩んだ気持ちにさせてくれた『いつかティファニーで朝食を』という作品。私だけでなく、イベントに足を運んだ皆さん、そして紙や電子書籍のページをめくったりした方それぞれに心に響くエピソードがあったと思います。主人公たちと泣いたり笑ったり成長したり、人生の豊かさを教えてくれました。
朝食を巡る旅はひとまず終わりを迎えましたが、きっと、どこかでまた、彼女達と出会えたらと願っています。
いつかティファニーで再会を。