『姉の友人』でうっとりするような妖艶さを持つ"今日子さん"に翻弄される女性たちの物語を、そして『まばたき』ではどうしようもなく惹かれ合う女性たちの忘れられない恋愛を描いたばったん先生。
ツリーにくっつけたと思ったらくっつけてなかった!改めて新連載が3/10から始まります🥳 pic.twitter.com/M4KeimZ5Ku— ばったん (@battan8) February 19, 2021
私たちの心に染み付いて離れないヒロインを次々と生み出すばったん先生ですが、トーチwebでスタートした新連載『そしてヒロインはいなくなった』に登場するのは"世界一不幸な悲劇のヒロイン"でした。
飲み屋で出会ってしまった2人のヒロイン
主人公・妙子が行きつけの飲み屋で出会ったのは、ド派手なファッションに身を包み、お酒を飲みながらタバコをふかす老婆・トラさんでした。見た目からしてパンチの効いたトラさんを見て、妙子は「関わりたくないタイプ」だと思い敬遠していましたが、隣の席でお酒を飲みながらくだをまくトラさんの話を聞いていると、妙子は自分との共通点を見つけてしまいつい声を掛けてしまいます。2人の共通点、それは愛する男の帰りを待ち続けている”悲劇のヒロイン”だということでした。
トーチwebさんで新連載始まりました〜!🎉
『そしてヒロインたちはいなくなった』
こちらから読めます→ https://t.co/FQWnomBxGT
よろしくお願いします🙇♂️ pic.twitter.com/HgIyGW1R6h— ばったん (@battan8) March 10, 2021
クールに見えるけれど3年経っても元恋人に想いを馳せて陰で涙を流している妙子。そして、トラさんは見た目の派手さとエネルギッシュな言動に反して、元旦那の帰りを待ち続けています。自分たちのことを世界一不幸な悲劇のヒロインだと嘆きながらも、去って行った男たちも不幸な人生も全て愛している...。『そしてヒロインはいなくなった』は、そんな年の差ヒロインズが繰り広げる哀愁漂うヒューマンドラマです。
哀愁から漂う不思議な色気
本作の魅力はなんと言っても、トラさんから漂う哀愁、そしてそこから感じる不思議な色気です。
トラさんはド派手な洋服をまとい、タバコをふかしながらとにかくよく喋る人。そのため哀愁とは無縁そうに見えます。ですが、ふとした瞬間のトラさんから儚げな哀愁を感じるのです。それは、セリフの余韻部分やタバコを吸うときの所作。そして、愛する元旦那のことを話す時の表情...。その全てから醸し出す哀愁に陰気臭さはなく、胸を締め付けられるような不思議な色気を感じます。
喜劇のヒロインになる日を願って
どんな物語にもヒロインまたはヒーローという名の主人公がいます。ですが『そしてヒロインはいなくなった』では、ヒロインが不在になった時に物語が完結するのかもしれません。もしくは悲劇ではなく"喜劇"のヒロインになることを願って妙子とトラさん物語を見守りましょう。
OGP画像は「そしてヒロインはいなくなった」トーチ公式サイトよりhttp://to-ti.in/product/heroine