孤独なオオカミの喪失と再生を描いたしたら領先生の『眠れないオオカミ』。
絵本のような世界観と色彩、そしてダークなストーリー展開は昨年SNSで公開されるやいなや大きな話題となりました。そして、その反響を受けて来る2021年2月22日に紙書籍版が発売されることになりました。
今回はそんな『眠れないオオカミ』のあらすじと、本作を大切な人たちに向けて長く読み継ぎたくなる魅力を改めてご紹介します。
荒野でひとり動けなくなってしまったオオカミ
本作の主人公は、荒野でひとり孤独にたたずむオオカミ。ある日突然ひとり動けなくなってしまったオオカミは、食事をすることも眠ることもなく朝から晩まで立ち続けます。
そんなオオカミのもとにやってきたハチは、オオカミが抱えている孤独に気付き「過去を今で埋めるんだ」と言って花の種をプレゼントします。
オオカミは、最愛のパートナー・白いオオカミとの日々を思い出しこの花を咲かせようと決意します。そして、この白いオオカミの存在こそがオオカミが動けなくなってしまったことと深い関係があるのです。
今となっては戻れない白いオオカミとの楽しかった日々...。そんな喪失感に囚われて動けなくなってしまったオオカミは、果たして再び「今」を生きれるようになるのでしょうか。
そんなオオカミに追い討ちをかけるように刺客がやってくる急展開や、徐々に解き明かされる白いオオカミとの過去にもぜひ注目してください。
👉『眠れないオオカミ』1話を読む(Twitter)
したら領先生が描く「絵本マンガ」
本作の見どころは、なんと言っても絵の美しさです。絵本のように優しいタッチや、迫力のある大きなコマと絵で展開される本作は絵本とマンガの中間的存在。まさに、作者であるしたら領先生が目指す「絵本マンガ」と呼ぶにふさわしい作品です。
ハチやオオガエルと言った個性豊かで可愛いキャラクターたちの登場。そして、刺客であるキツネたちの登場によって始まるダークな展開。ワクワクしてハラハラするストーリー展開に子どもから大人まで思わず夢中になってしまいます。
大切な人たちに長く読み継がれてほしい一作
そして一番注目したいのは、孤独なオオカミの喪失と再生という物語です。
もう戻れない白いオオカミとの過去に足を引っ張られているオオカミの姿を見ていると、誰もが一度は経験するであろう「過去に囚われる」体験と重ねてしまう方も多いはず。
大人である私たちは、この物語に触れることで過去に縛られずに生きる大切さを知り、救われることでしょう。一方で、子どもたちにとっては今はまだ「悲しいお話」くらいにしか思えないかもしれません。
ですが、やがて大きくなって再びこの物語を読んだ時、子どもの時とはまた違った感動と勇気を得て救われる瞬間がくるのではないでしょうか。
昨年から分冊版として電子書籍版が販売されていましたが、今回まとまった電子書籍版と紙書籍版が発売されることとなりました。そして特報。とあるアーティストとのコラボMVも来月公開に向けて現在準備中。『眠れないオオカミ』の世界観がどんな曲と重なって表現されるのか…、こちらも期待して待ちたいと思います!
紙で読む新しい体験、耳で聞く新しい世界、この機会だからこそ、改めて紙の『眠れないオオカミ』を購入して、自分だけではなく大切な友人や家族、そして後世に読み継いでいきませんか?
この物語が時を経てあなたの大切な人を救ってくれるはずです。
公式サイトオープン!
『眠れないオオカミ』の全てが判る公式サイトが開設されました。物語概要から登場するキャラクター達、世界に触れる前のお勉強が出来る試し読みやテーマソング、グッズ、そしてしたら領先生からのメッセージなどふんだんなコンテンツでわたしたちを出迎えてくれます。是非ご覧下さい!
18万人の心を揺さぶった名作
OGP及び記事内の画像は、CORK / したら領先生の許諾の元掲載してあります。快く許諾していただきまことにありがとうございます。
©︎Ryo Shitara/CORK