2021年3月11日、東日本大震災から10年の節目を迎えます。
筆者は現在仙台に住んでおり、あの日を仙台で震災を体験した一人です。
そしてもちろん、仙台以外の各地で被災した方々の状況、想いもまた計り知れません。当時、人々はどんな想いで過ごされたのでしょうか。
今回、東日本大震災に関する作品を紹介すると共に当時の様子を振り返ります。そして震災を過去のものにせず次に備え学びになるものとして触れて欲しいです。
東日本大震災を描いた5作品
『漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311』
『ホタルノヒカリ』の著者でマンガ家のひうらさとる先生が立ち上げたプロジェクト「ストーリー311」から発行されたドキュメンタリーコミックです。
長く読んでいただいてありがたいです!電子版も出ておりますので、ぜひ!漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311 (カドカワデジタルコミックス) https://t.co/SBzuhKcPJq @amazonJPより #東北ボランティア #story311 https://t.co/7AdnYXv7Kw— ひうらさとる@聖ラブサバイバーズPalcy連載中 (@marikosatoru) March 3, 2021
上田倫子先生、うめ先生、おかざき真里先生、岡本慶子先生、さちみりほ先生、新條まゆ先生、末次由紀先生、ななじ眺先生、樋口橘先生が宮城、福島、岩手で震災を経験した方々を現地で取材し当時の様子をマンガで記す事で「語り部」の役割を担っています。
被災を経験した人々の生活が丁寧に描かれており、先生方が取材を通して気付いた事や変化した心情が描かれた後記も見所です。
当時から3年後の様子を描いた第二弾『漫画で描き残す東日本大震災 ストーリー311 あれから3年』ではひうらさとる先生、青木俊直先生、うめ先生、おおや和美先生、岡本慶子先生、さちみりほ先生、新條まゆ先生、ササキミツヤ先生、ななじ眺先生、二ノ宮知子先生、葉月京先生、松田奈緒子先生が寄稿されています。
こちらの2作品の印税は全額、被災地復興のために寄附されています。
『わたしたちの震災物語〜ハート再生ワーカーズ〜』
仙台に在住し育児や介護等様々な分野を取材するマンガ家・井上きみどり先生が被災地の現場で支援活動をする方々を中心に描いた作品です。
赤ちゃんを一時避難させるプロジェクト、子供のケアの為の遊び場を作るNPO団体について等、読んでいて震災の現場で衛生面や教育面の支援がたくさん必要であった事を知りました。
尚、こちらの作品では宮城県気仙沼市で被災したサンドウィッチマンのお二人の当時の様子、その後の活動についても描かれています。
井上先生は現在WEBサイト「きみどり Book Café」にて現在の気仙沼市を舞台にしたマンガ「海辺の図書館物語」を連載しています。
『3.11東日本大震災~君と見た風景~』
宮城県仙台市で被災した平井寿信先生のエッセイ。
筆者も同じ仙台市で震災を経験しており当時の記憶が蘇りました。
作中には「震災時の必需品チェックリスト」というコーナーや震災時に意外と役立ったものが紹介され、次の災害に生かされる情報が詰まった作品です。
『はじまりのはる』
端野洋子先生が描く福島県南部の高校生達を中心とした若者達が主人公の作品。
震災をきっかけに学ぶ事の重要さに触れる表題作「はじまりのはる」、ふくしま駅伝を目指す陸上部の生徒達を描いた「故郷」等震災後を悩みながら懸命に生きる姿が目に焼き付きました。
『ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社 明日へ 』
岩手で活躍する女性新聞記者・坂東さきるが主人公の『ゴーガイ! 岩手チャグチャグ新聞社 』の特別編。
実際の岩手在住の方々の取材を基に読み切り形式で陸前高田、恋し浜、遠野、釜石に住む人々の様子が描かれた作品です。
1話毎に岩手の人々の優しさ、温かさが伝わって来ます。
これからもマンガで想いに触れる
今まで読んだ作品を通じて新しい事や気付かなかった視点に出会えたり、癒される事も多くありました。
皆さんも震災から10年の月日を乗り越えて来た事や知らなかった事、気持ちについてマンガを通じて思い返してみてはいかがでしょうか。