『青年少女よ、春を貪れ。』忘れられない初恋から始まる衝撃の青春群像ミステリー開幕!

あなたは初恋を覚えていますか?

2020年12月より週刊ヤングジャンプにて連載がスタートした山田シロ彦先生の『青年少女よ、春を貪れ。』はご存知でしょうか。チアリーディングをテーマに描いた前作『凛とチア。』に続き、新たな青春群像譚が開幕しています。

第1話では、甘酸っぱい初恋の予感からピュアなラブストーリーが紡がれていく、そんな未来を想像したのも束の間、そうは問屋が卸さないとばかりに山田先生の巧みな物語運びによる衝撃の展開が待ち受けていました。

第1話、爽やかな青春の始まりと衝撃の引き!

恋を知らないことに思い悩む真面目な男子高校生の近藤勝之。ある日、放課後の教室で百々瀬ハルに遭遇します。彼女はInstagramのフォロワーが2万人もいるほどの美少女で、その笑顔に一瞬心を掴まれた勝之でしたが、どこか彼女に嘘っぽさを感じてしまうのです

しかし、教室でのコミュニケーションから次第に打ち解けあっていく2人。そして、ハルの口から語られる様々な年代の人とお付き合いの経験があるという暗い事実と、それを聞き嫉妬に似た感情を抱く勝之。彼が初めて本物の恋心を知った瞬間へと繋がっていくのです

湧き上がる気持ちが本物の恋かどうかもわからない。けれど、誠実に向き合っていこうと誓う真面目な性格の勝之が非常に可愛らしく描かれ、これからの甘酸っぱい未来を想像していた筆者でしたが、その未来予想図は見事に裏切られます

これから交際が始ろうとする勝之に待っていた未来はこの三週間後にハルが亡くなってしまうというとても儚いものでした。

時が経ち、暴かれ始める青春の真実

未来あるピュアラブストーリーと見せかけてハルが死んでしまうところから本当の物語が始まる本作ですが、第2話からは社会人になって新たな恋人と人生を送っている勝之が描かれています。しかし、彼の心の時計の針は青春時代から止まったまま

ハルの命日に勝之の前に現れたのはハルの親友だった音無紗衣子(さえこ)でした。彼女の口から語られたのは、百々瀬ハルの死はただの事故死ではなかったかもしれないという一つの可能性。物語はさらに不穏な空気に包まれていきます。

音無との会話のなかで、勝之は自分がハルやハルの死ときちんと向き合うことから目を逸らしていたことに気づきます。今後の展開ではハルが死んでしまった真相に迫るため、核心を隠しているかもしれない旧友たちにどのようにアプローチしていくのかに手に汗握ることでしょう。

かき乱される勝之と読者の心

誰しもが経験するであろう初恋とは甘酸っぱくてドキドキするものだったのではないでしょうか。しかし、この作品から漂う空気感は多くのそれとはまるで真逆の性質を伴った高揚感で満ち溢れています。

徐々に明かされていく彼らの過去に触れ、勝之の心とともに読者の心も加速度的にかき乱されていくことでしょう。人間の心の闇を感じる描写と勝之のピュアな心理描写のコントラストが鮮烈です。

この衝撃、ぜひ味わってみてください!

👉『青年少女よ、春を貪れ。』1話を読む

恋心と真実が息苦しいほどにあなたの心も掴んで離さない


【先行試し読み】青年少女よ、春を貪れ。 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
山田シロ彦/著

OGPに使用している画像は、となりのヤングジャンプ『青年少女よ、春を貪れ。』作品ページより引用させていただきました https://youngjump.jp/manga/coveted_spring/ © SHUEISHA Inc. All rights reserved.