鈴木おさむ×したら領×コルク佐渡島『ティラノ部長』新しい波に翻弄される"おじさん"恐竜の会社物語

時代が変われば習慣や価値観は変わる。時の流れは時として残酷ですよね。

今回ご紹介する作品の主人公は、バブル時期に入社して90年代はバリバリと仕事をしていたとある会社員。時は経ち、部長になり50代に突入します。あの頃は仕事もプライベートも肉食が当たり前だったけれど、どうやら今は時代が違うみたい...。

そんな時代が変わってしまった今を生きていく悲哀を、ティラノサウスルスのキャラクターで描く『ティラノ部長』。仕事終わりには会社のある大塚で銭湯に入り仕事の汗を流し火照った身体を庶民派の居酒屋の酒でキュッと締める、どこかにいるような部長の、特には悩み時にはあの頃を懐かしむそんな物語のあらすじや見どころについて迫ります!

哀愁漂う"おじさん"恐竜の物語

食らいつくようにパソコンと向き合い、命をかけて仕事をすると豪語する...。「気合いと根性」そんな言葉が似合う働き方をしていたこの男の名はティラノ部長。

そんなティラノ部長の最近の悩み事は若手社員との距離感。

若手社員の働き方をみて、過去の「常識」が時代の変化とともに変化していっていることに気付きます。

これを読んでいる若手社員のみなさん。「でた!昔だったらおじさん!」と思うのはまだ早いですよ!この先にティラノ部長の悲哀、そしてなんだか憎めない魅力が詰まっているのです。

ティラノ部長は、今と昔は違うのだとしっかりと認識しているのです。悩んだ結果、ティラノ部長は自分が代わりに仕事をやっておくと伝えるのですが、この後登場するプテラ課長の一言によって、自分にとっては優しさだと思っていたことが逆に「パワハラ」になっていると指摘されて更に頭を抱えることに...。

👉『ティラノ部長』1話の続きを見る

"自分にとって当たり前だと思っている働き方や考え方は今の時代では通用しない"と、理解しているティラノ部長。だからこそ、今の時代に寄り添いたいと必死に努力をするのですが、適切な行動に移せず結局空回りしてしまう。そんなティラノ部長の姿は哀愁が漂っていて、なんだか憎めない不思議な魅力を醸し出しています。

ティラノ部長を手掛けるのはあの豪華クリエイターたち

放送作家の鈴木おさむさん原作、「cakesクリエイターコンテスト2020」の受賞者であるしたら領さん作画、そして作家エージェント会社コルク代表の佐渡島さんがプロデュースという豪華クリエイター陣でお送りする『ティラノ部長』。

それぞれのSNSや媒体で以下の日程で更新されています。いち早く最新話を楽しみたい方は鈴木おさむさんのInstagramを見ることをおすすめします!

毎週金曜

鈴木おさむさん Instagram

毎週水曜

cakes

平日12:00

したら領さん Twitter(2021年1月19日から投稿開始)

cakesでの連載は過去記事が有料コンテンツになっている場合もあるので、1話から読みたい方はしたら領先生のTwitterも悪くないチョイスですよ!

原作を担当するのはティラノ部長と年齢が近い鈴木おさむさん。ティラノ部長が頭を抱える、残業、SNS、飲み会...といった時代とのギャップによる問題の数々は、自身の実体験が元ネタなのでしょうか?

そして、作画を担当するしたら領さんの代表作の1つである『眠れないオオカミ。主人公のオオカミがモグラを食べるという衝撃的な1話から始まり、孤独や喪失感をオオカミに投影した緻密なストーリー展開は大きな話題となりました。

『眠れないオオカミ』は、Twitter連載時から100ページ近い加筆を加えた保存版といっても過言ではない書籍の発売も決定しています。

眠れないオオカミ 上 (MFC)
したら領/著

「哀愁」のティラノに対して、「孤独」なオオカミの物語もぜひチェックしてみてくださいね!

ティラノ世代も若者も

ティラノ部長と同世代の方はもちろん、実はエピソードによっては若者世代にも刺さるところが魅力的です。最後に、ティラノ部長が日頃頭を悩ませている若手社員とド世代の筆者が選ぶ、珠玉の『ティラノ部長』エピソードを2つご紹介します。

ZOOMの使い方が...

今やすっかり仕事で必須アイテムとなった「ZOOM」。使い方に四苦八苦したけれど無事、ZOOM会議に参加できたティラノ部長...。ですが、このあと初歩的なミスをしていることに気付きます。

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家族が体調不良なので早退しても良いですか?

母親が体調不良なので早退したいという若手社員に対して、疑いの目を向ける周囲の社員たち。けれど、ティラノ部長は気持ちよく送り出します。その背景には、ティラノ部長の悲しい過去の思い出が関係しています。『ティラノ部長』には珍しい感動回です。

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今を生きるあなたの物語

新しい波を受け入れても、それに乗るのは簡単ではありません。正面から意見を言うことさえはばかれる時代、真面目に生きてきたティラノ部長の明日はどこに向かうのでしょうか。それは、もしかしたらあなたの物語かもしれません。

OGP及び記事内の画像は、CORK / したら領先生の許諾の元掲載してあります。快く許諾していただきまことにありがとうございます。
@Ryo Shitara/CORK