繋がって戦う!電子世界のアスリート達を描く、esportsを舞台にした作品達

ゲームが好きでした。やっと買って貰った携帯用ゲーム機を肌身離さず持ち歩き、あの頃、いつでもどこでも僕はゲームと一緒でした。

今ではそれがスマートフォンに取って代わり、ガチャという醜悪な集金システムで子ども達の財布からお金を巻き上げるようになると、作り手が徹底して作り込んだ作品世界を我が事のように楽しむエンターテインメントの本質が時代とともに変貌したようさえに思え、寂しさを憶えたものです。

バトル・アリーナ

しかし、それは杞憂でした。現在、ゲームというエンターテインメントは多様性を持ち、大きく分化しつつあります。その中での進化が例えば、金に糸目を付けず勝利を目指すガチャであり、未だ見ぬ世界を相手に遊びの輪を広げるオンラインであり、そしてフィールドを必要とし筋肉で競い合う競技から、ディスプレイの中で反射神経と動体視力によって戦う電子世界のアスリート達の戦い「esports」でした。

そして何より、esportsはゲームに大きな変革をもたらしました。それまでゲームの主な対象は「プレイヤー」でした。ですがesportsはそこに「観客」という新しいユーザーを大量に産み出したのです。観客が生まれればそこには熱狂や興奮、ファンや支援がうまれ、そこからゲームを取り巻く新しい経済圏が誕生しました。

新しいスポーツの誕生を目撃する

全てはゲームというエンターテインメントが正しく進化した結果生み出された新しい遊び方。

今回、それらesportsを主題とした今ではまだ希少カテゴリーのesportsマンガ5作品をご紹介します。

GGWP! -グッドゲームウェルプレイド!-

ジャンル:バトルロイヤル系ゲーム

観察力と記憶力と分析能力を使い「できること」をする青年・青葉がバトルロイヤル系ゲームに夢中な情熱と直感の黒JK・千鶴と出会い、やがてesportsの世界にはまっていく。

ゲームで勝利する為の唯一無二の大原則は「慌てないこと」。敵のすべての行動には理由があるので、それを観察して理由を紐解けばやがて勝利への解法に近づける!

大量のクローンを産み出した大ヒット作、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)」や「フォートナイト」に代表されるバトルロイヤル系ゲームが描かれています。

Good Game

ジャンル:リアルタイムストラテジー系

アーケードゲームの大会で初出場した姫野エレナにあっさりと敗北、約束通り奴隷(という名のゲームパートナー)になった高橋大吾は、実は練習もなしにあらゆるゲームをやりこなす本物の才能を持つ男、そして日本のeスポーツを変える最高の逸材だった!

キーボードとマウス、もしくはコントローラー。ただただボタンを高速連写するだけのゲームから、目の前でリアルタイムに変化するバトルフィールドに対応する技量が必要となるこのジャンルはesportsの登竜門とも言えます。

正確な判断と精密な操作が要求されるリアルタイムストラテジー(RTS)系ゲームが描かれています。古くはスーパーファミコンの「伝説のオウガバトル」にも通じ、馴染みのある人が多いかも知れません。

バトル・アリーナ

ジャンル:マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ系

帰国子女の都塚みなみは、eスポーツを公式の部活と認めてもらうために大会での優勝が必要だった!その為の「将来の部員候補」として鳴沢直をスカウトする。彼は人並み外れた反射神経と集中力をもった男だった…!

戦略は、ゲームのみならずあらゆる場面において必要とされます。必要な事は冷静な分析と、それに伴う的確な行動。ゲームもリアル社会も同じですね。

韓国でのプロゲーマーを産み出す切っ掛けともなった「スタークラフト」や「ウォークラフト」などのリアルタイムストラテジー(RTS)から派生したマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ系ゲームが描かれています。

青天

ジャンル:アクションゲーム系

23世紀の世界で最高の人気を誇るゲーム「遙かなる霹靂」。最強のゲーマーが国宝と称される世界の中で開催された大会に突如出現したのが最強の技「晴天」を繰り出す「空ビヨンド」と名乗るプレイヤー。あまりに強くあまりに正確無比なプレイから、それはCPUではないかと噂されたが、だがただ一人、トウト・ルイは空ビヨンドは人間だと確信し見つけ出し倒すことを決心する。

まるでプログラムを超えたかのような奇跡の動き。それがアクションゲームの達人が魅せる技です。熱狂への近道は、人知を超えるテクニックを見せつけることなんです。

そこはもう一つの世界。そこで自由に動き自由に戦う。最近では「スプラトゥーン」に代表されるフィールド型アクションゲームの未来を予見させてくれます。24世紀、プレイステーションのナンバリングはいくつになっているんでしょうね。

東京トイボクシーズ

ジャンル:格闘ゲーム系

eスポーツ科の新設を決定した私立白郷学園に集められたのは、ゲームともう一つ、様々な人生の傷を背負った若者達だった。
「ゲームはスポーツという言葉を纏うことで何を手に入れ何を失うだろう」eスポーツという場を舞台に描かれる新しい青春群像劇。「東京ボックス」シリーズの最新作が登場です。

対戦格闘ゲームはフレーム単位の戦い。その間に起きることを予見し、対策し、実行する1/100秒の戦いです。あらゆる戦いは、時間の長さが問題ではなく、その時間内に何をしようとしたのかが大事なんです!

かつて「10年に一度の天才」と呼ばれた対戦型格闘ゲームの達人にして世界中の格闘ゲームファン憧れの人・梅原大吾(ウメハラ)の背水の逆転劇を知る人は少なく無いでしょう。わたしたちが大好きなゲームの原点、格闘ゲームの今の形が描かれています。

esportsマンガは金脈だ

esportsというジャンルが誕生してまだ日が浅いように、esportsを扱った作品はそう多くありません。サッカー、野球、F1、将棋、それらはすべてスポーツであるように、「電子世界で競う」こともいつかは普遍的になり、そのプロは憧れの職業として定着するでしょう。

バトル・アリーナ

時間も場所も、性別も人種も、貧富も年齢も関係ありません。繋がった先に仲間はいる。そのesportsの世界で「輝く」能力を持つ熱い主人公達を、僕は待っています。


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