「Twitterでバズるマンガ」とはどういうものか?を考察してみた。

インターネットが日本で普及してから、最初に来たのは、いわゆるWeb漫画です。

たとえば、『めしにしましょう』などで有名な小林銅蟲先生は、90年代は「ねぎ姉さん」などのカルト的な漫画を掲載していました。

いわゆる「ホームページ」と呼ばれる自分のサイトを作り、そこに掲載していくスタイルです。大ヒット漫画であるワンパンマンなどもこの形態でした。

そして、その後、pixivやニコニコなどの、イラストやマンガをアップできるプラットフォームに公開する人も増えてきます。マンガ投稿サイトも多くなり、『王様ランキング』などの名作が投稿されているマンガハックなども人気です。

そんな中、もっともマンガ業界にインパクトを与えた場所としては「Twitter」がやはりあげられるでしょう。Twitterの大きな特徴としては、RT(リツイート)により、どんどんと拡散されていくことです。マンガに興味がない人でも友達のRTからついつい読んでしまい、またRTをする・・・という好循環があります。

そこで、「Twitterでバズったマンガ」を元に、「どういうマンガがTwitterでバズるのか?」という点を考察していきたいと思います。

王道のマンガの一番いいところを切り取る

まず、SNSだからといって、もちろん刺さる作品は通常の商業マンガとあまり変わりません。しかし、Twitterの中で見てもらうには、長いコンテキストを作るのは向いていないかもしれません。

このように、背景をわかりやすく表現しつつ、「一番おいしいところを切り取った」ような場面をわかりやすく表現できるとバズりやすいのかもしれません。

上記のマンガは王道でキュンとできる恋愛マンガですが、非常に前後も想像しやすく、すごいです。

とにかく癒やされる体験談

多くの人が賛同しやすく、拡散しやすいのは「体験談」です。そして、癒やされてクスッと笑えるのはやはり動物。

動物を買っていなくても体験できるのは、犬カフェなどではないでしょうか。

このように、かわいい犬、おもしろい犬の話は、いろいろな犬カフェなどにいくことで得られるので、ネタに困った際にはいいかもしれません・・・🐶🐱

家族

家族ものも永遠のテーマですね。いろいろな切り口があると思いますが、たとえば以下のように

おじいちゃんと孫の何気ない日常を描くのもいいかもしれません。これは、少ないページ数で、マンガ内で描かれていない二人の関係性がとても想像しやすく、素晴らしいです。

古典テーマの切り口を現代風に

古典テーマ、たとえば「妖怪と人間の関係を描く」などがありますが、これをTwitterで現代風にする、などはあるかもしれません。

このように座敷わらしがとてもかわいく描かれていると・・・勝手に指がRTボタンを押してしまう・・・かも。

ノスタルジックな気持ち

いい話は拡散しやすいですが、「ちょっと盛っているのでは?」という、いい話くさすぎると、Twitterで敬遠されたりします。

以下の漫画喫茶のマンガは、大きな事件もなく、思い出を描いているだけなのですが、とても感情移入してしまいます。

多かれ少なかれ、このような思い出の場所ってあるよね、というのを呼び起こしてくれるからかもしれません。

あるあるネタからはずす

「あるあるネタ」はTwitterと相性がいいのですが、逆にいうと、飽和しやすいネタともいえます。

猫や赤ちゃんのあるあるネタは鉄板ともいえますが、差別化が難しいものであります。

そんな中、以下のように、「みんなの想像する猫像と違う猫について描く」などは、とても紹介したいな、と感じました。

しかし、正直、うらやましすぎますね、こんな猫・・・。

対比で描く

犬ネタ、猫ネタなど、どちらも人気で多くの人が投稿しているようなテーマの場合、対比させてみてもおもしろいかもしれません。

犬も猫もかわいすぎるし、どちらのおもしろさも伝わってきます。

共感ネタ

共感ネタはとても人気ですが・・・。あまり不条理などに「怒り」をぶつけてしまうと、リプライ欄も荒れやすく、オススメしません。

しかし、以下のようなものだと、共感しやすく、多くの人に知ってもらいたい!と拡散したくなり、かつ見た時にいやな気持ちが呼び起こされづらいのでいいなと思いました。

めちゃくちゃ共感。怒らないでほしい!マジで!

現代風のテーマに

魔女は永遠の題材だけど、非常に現代ぽくていいです。

ファンタジーぽさ、現代ぽさが共存していて、うまい。。

シンプルにイケメン

イケメンはみんな好きですが・・・。シンプルに、イケメンにさらわれるというのもいいなと思いました。

しかも最後には別の萌えポイントも作っており、非常に上手です。。

短編並に構成する

Twitterが分散してしまうため、ちょっと難易度はあがりますが、スレッドで連投することで、1話の短篇を投稿するパターンもあります。

30ページくらいのボリュームがありますが、切なさと暖かさが共存します。素晴らしい作品ですね。

不条理すぎるテーマ

マンガは自由に!描いてもいいはず!

というので、黒ギャルが宇宙になったりしても許されます。

どういう話かというと、黒ギャルが宇宙になる話です。

え?黒ギャルが宇宙になる?と思うかもしれませんが、ストレートに黒ギャルが宇宙になるマンガになっております。

啓蒙

啓蒙系のマンガもよくバズりますよね。ただ、普通に啓蒙するだけでは、説教臭くなってしまったり、主張が強すぎたりして、なかなかRTしづらかったりします。

その点、以下のポカリ君は誤解を解きたい、は非常に上手に啓蒙をネタとして使えているなと思いました。

しかし、この誤解、なんで広まったんでしょうね・・・。

シンプルな一コマ

Twitterの画像でパッとみておもしろい、と思わせる1コマも相性がいいです。この場合、Twitterの文章に何を入れるのか?というのも重要です。

おほしんたろうさんの1コマは常におもしろいです。LINEスタンプも全部買っちゃっています。

セリフを詰め込む

1コマがいい、という話をした理由としては・・・。

Twitterはスマホで見る人が多く、コマ割りを複雑にしたりすると読みづらかったりするからです。

そして、画像の枚数も決まっているので、あまり多くもできない・・・という都合もあります。

そこで、逆に「2コマにして、セリフの掛け合いを多くして、漫才のようにする」というパターンもあります。

個人的に大ファンなんですが、なをををををを先生の2コママンガは、言葉遊びや掛け合いが秀逸ですごいです。頭いいんだろうな・・・。

毎日投稿するのを武器にする

週刊連載などと違うのが、毎日投稿し、その即時性を武器にできること。

超絶話題ですが、「100日後に死ぬワニ」などは、見ている人が「これ100日目にどうなるの?」と話題にできるので、非常にSNSをうまく使っています。

一日一日では何も起こらないのに結末だけ決まっているという点が、とてもTwitterにフィットしている感じがしますね。すごい。

100日目はどうなるの・・・。

というわけで

人気のバズったマンガを元に、こういう切り口があるかな?というのを紹介してみました。

SNSでは無数の情報が飛び交い続けているわけなので、そこで目立つの大変ではあります。しかし、既存の連載マンガとは違った切り口でクリエイティブを作って、すぐに反応が見れる場でもあります。

漫画家の方は、バズるマンガのテーマのネタとしてお使いいただき、読者の方は、「こういうマンガもあるんだ」という発見として使ってもらえれば幸いです!