クジラと日本人の共生を考える日。財団法人日本鯨類研究所が制定。「く(9)じ(4)ら」の語呂合わせが由来です。そんな「クジラの日」に読みたいのは...
自分の気持ちを言葉にすることが苦手な琉花(るか)は、夏休み初日にチームメイトと問題を起こし、部活禁止になってしまいます。家にも居場所がなかった琉花は、離れて暮らしている父が働く水族館へ足を運び、そこで水槽の中で自由に泳ぎ回る「海」とその兄「空」と出会います。
3人が出会ったことをきっかけに地球上では様々な現象が起こり始めます。「海」と「空」が超常現象と関わりがあることを知って利用しようとする者、彼らを守ろうとする者、そして3人の子供たちの存在が複雑に絡み合いながら進行する生命の謎に迫っていく物語「海獣の子供』は、今日読みたいマンガです。
母なる海と宇宙。神秘的で謎の多いこの2つのミステリーを海洋学、民俗学、世界各地に残る神話や伝承といった様々な側面から切り込んで語られる生命の物語です。クジラの歌が物語のキーワードになっていること、生きとし生けるものすべての共生を描いた作品は、クジラの日にぴったりだと思いこの作品を選びました。
2019年にアニメ映画化されていますが、映像も音楽も息をのむほど美しく圧巻のクオリティに脱帽です!(第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞作品)
選 /そふえ(アルライター)