愛されキャラを創るには?主人公より人気の高いキャラから学んでみよう

マンガの魅力といえば、キャラクターに深く感情移入ができることです。小説や映画と違い、長い間、それこそ何年も作品を読み続けるわけで、思いれも強くなります。

しかし、愛されキャラとはどういうものなのでしょうか?計算で愛されるキャラクターが作れれば苦労はしないのですが、そうも行かなそうです。

そこで、「主人公よりも人気が高いキャラクターは、愛されている度が高い」という仮説のもと、どういうキャラが愛されているかどうかを考察してみました。

ツンツン頭 x 小柄 x クール x 強いキャラ

まずは、わかりやすい見た目と性質からいきます。ツンツンした頭で小柄でクールで・・・というキャラは、バトルマンガなどで人気が出ているのではないか?と思っています。

飛影(幽遊白書)

幽遊白書の飛影は非常に人気が高いキャラでした。今のようにツンデレという言葉がありませんでしたが、冷酷で圧倒的に強く、基本的に冷たくて馴れ合わないけど優しい一面もある・・・という性格です。

こういうキャラを見ると「飛影ぽい」となるくらい、のちのマンガに影響を与えたキャラではないでしょうか?

キルア(HUNTER×HUNTER)

同じ冨樫先生ということで、同じくツンツンした小柄の強キャラです。こっちは電気を使います。

強さや戦いに没頭してしまうゴンと違い、冷静に周りを見渡せる、頭をちゃんと使える、そして作中でツッコミキャラができるポジションという点で人気が出たのかもしれません。

日番谷冬獅郎(BLEACH)

BLEACHは、主人公の一護が人気投票でも強かったのですが、4回目で1位をとったのが、日番谷冬獅郎です。他の死神が癖がある中、クールで冷静にツッコミができるという点など、愛されキャラの条件を満たしていそうです。

圧倒的な天才

圧倒的な天才キャラは、主人公すら食ってしまうことがあります。

新妻エイジ(バクマン。)

マンガ業界好きなら必読の「バクマン。」ですが、圧倒的な計算や知恵、努力、試行錯誤をする主人公のサイコーとシュージンを抑えて読者投票1位になりました。

努力なしに常に楽しみながらマンガを描ける、作ったキャラが勝手に動き出すなど、マンガにおける天才的なセンス、慇懃無礼でかつちょっと変わった敬語、など、「ザ・天才」といえるキャラです。

人間、どこかで「凡人による努力」を超越した、圧倒的天才にあこがれてしまうのかもしれません。

不二周助(テニスの王子様)

1位を獲得しています。普段は優しい笑顔だけど、激情したときはめちゃくちゃ、という二面性が魅力。

通称天才で、作中最強クラスの手塚とも張り合えるレベルであり、かつ強さの底も見えない不気味さがあります。

爆豪勝己(僕のヒーローアカデミア)

粗暴で言葉遣いも態度もひどく、主人公のデクにも強く当たる爆豪も読者投票で勝っています。

性格的には「クソを下水で煮込んだような性格」といわれてしまうほどひどいんですが・・・。

デクをボロクソに扱い、見下してたけど、今やライバルと認めるほどになっている、という「最初は見下していたけど、だんだんと主人公を認めてくれるキャラ」というので、ドラゴンボールのベジータのような立ち位置なのがよかったのかもしれません。

L(DEATH NOTE)
正確には、オフィシャルサイトでの投票だった記憶がありますが、夜神月を抑えて1位です。

もちろん、月は悪人として作中でも描かれやすく、Lが正義側、という見方もできるのですが・・・。やはり、天才的頭脳で先を読みまくれるところのキャラの魅力は半端じゃなかったです。

わかりやすいイケメンではなく、目の下にクマがある、独特の顔つきだったのもよかったのかもしれません。

蛭魔妖一(アイシールド21)

ヒルマは悪魔的な知能を持っているキャラです。そして毒舌もとてつもない。学校内から恐れられているキャラです。しかし、そのすべては、アメフト部を強くし、勝利するために使われているのがポイント。

身体能力は普通で、特段秀でていないものの、その天才的な図のであらゆる奇策や珍策を行使し、トリッキーなプレイをする点もいいですね・・・。肉体的な強さで勝つよりも、優れた知能で勝つ、というキャラは人気が出やすい傾向にあるかもしれません。

めちゃくちゃ頼れるキャラ

はたけカカシ(NARUTO)

師匠キャラとしてのはたけカカシは人気が高く、ナルトやサスケを抑えて人気投票1位になったりします。

ちょっと抜けていてマイペースな感じですが、めちゃくちゃ強く、そしてちゃんと大人です。頼れる感じです。

リヴァイ(進撃の巨人)

ハパ

リヴァイの決断(20巻)

進撃の巨人

1回目、2回目の読者投票で1位になっています。冷酷で強い言い方をすることも多いですが、強さは圧倒的。読んでいても、巨人の力に対して対抗できる安心感があります。

成長する凡人

ポップ(ダイの大冒険)

ポップは正確には読者投票では1位をとっていないのですが・・・。大人になってからダイの大冒険の話をするときに、周りの大人はみんな「あれは、ポップのマンガだよな・・・」としみじみいうくらい人気が高いです。

もともとは、どちらかというとやられ役であり、自分だけよければいいような、卑怯なポジションでした。器も小さく、能力も低い。しかし、だんだんと旅を続けていくうちに、仲間を守るようになり、勇気を出すようになり、最終的には大魔道士と名乗るまでになります。

作品を読み直してみると、ポップは思ったい以上に称賛されているんですよね。シグマからは「君は自分で言うよりはるかに恐ろしい男だ!」といわれ、ラーハルトからは「はじめておまえを尊敬した」といわれ、キルバーンからは「人間をナメちゃいけません。成長度だけで言ったらポップはダイ以上ですよ。」といわれるわけです。

師匠のマトリフからも「・・・今日ほどおまえを大した奴だと思ったことは・・・無い」といわれるなど、作中でも高い成長度を評価されています。

ダイのように、血筋がよく、生まれながらの勇者であるわけではないポップが、愚直に成長していき、最後には欠かせないキーマンになる姿は、愛されて当然ではないでしょうか。

アンチヒーロー

球磨川禊(めだかボックス)

通称裸エプロン先輩。圧倒的に不気味な敵キャラとしてでてきて、どう勝てばいいのかわからないくらいの恐怖に叩き落としたキャラクターです。

大嘘憑き(オールフィクション)という、「なかったことにする」というチート能力も持っており、圧倒的強者であるめだかちゃんも勝てないのでは・・・と連載時は思っていました。

しかし球磨川は「決して勝負に勝てない」という運命のキャラでもあり、作中でも負け続けます。

それでも、不敵にヘラヘラし、カッコつけたり(「」つけたり)する、他のマンガではあまり類を見ない魅力的なキャラクターです。

主人公を圧倒的な差をつけて1位をとっています。ジャンプ史上でももっとも圧勝の結果かもしれません。

しかし、主人公のめだかちゃんは完璧すぎて、それがむしろ不気味になっていき、キャラとして愛されにくい形になっています。あれもおそらく狙ってやっていて、すごいですね。

おわりに

ということで、読者投票などのデータを参考にまとめてみたのですが、、やはり色々見ても、主人公が1位を取るケースが圧倒的に多いです。

そんな中、主人公以外のキャラクター勝っている作品は、そのキャラがとにかく魅力的だと言えるのではないでしょうか。

参考になれば幸いです!