外務省と国際協力事業団(JICA)が1987年(昭和62年)に制定。1954年(昭和29年)10月6日、日本はアジアや太平洋地域の国々の経済や社会の発展を支援する地域協力機構「コロンボ・プラン」への加盟を閣議決定し、発展途上国に対する政府開発援助(ODA)を開始しました。そんな「国際協力の日」に読みたいのは...
『国境を駆ける医師イコマ』は、「命に国境なし!」を信条に国際医療援助活動に身を捧げる男、生駒勇作が、発展途上国で勃発している内戦や、民族紛争、大地震が起こった直後の現地に赴き、人命救助の最前線で、悩み、もがきながら自分に課せられた罪と責任と向き合う物語です。
情報でしか「戦争」や「発展途上国の現状」を知らない私たちに、今日も世界のどこかで起きている「国」や「民族」、「宗教」の名のもとに正当化された「殺し合い」の実情を伝えてくれる重い作品です。
現地で活動するNGOやジャーナリストのお陰で、終わりのない戦争にアメリカをはじめとする経済大国の介入は難しくなってきたように思います。プロパガンダ(特定の主義・思想についての政治的な宣伝)の一環で戦争を繰り返している、政治と戦争の関わりを知ることで「真の国際協力って何だろう?」を考えずにはいられない一冊となっています。
選 / そふえ(アルライター)