スローループ

1分でわかる『スローループ』

• 両親の再婚で家族になった2人の女の子たち

• 人付き合いが上手ではないひよりと、仲良くなりたい小春

• タイプは真逆の2人が、フライフィッシングを通じて家族になるハートフルストーリー！

作品概要

『スローループ』は、まんがタイムきららフォワードで連載中のうちのまいこ先生の作品です。2021年1月時点で単行本が第4巻まで発売しており、2021年2月号のまんがタイムきららフォワードにて、アニメ化の決定が発表されています。

スローループ

表紙を見てもわかる本作のキーワードは、釣り。釣りの中でも、エサを使わないことが特徴の「フライフィッシング」が取り扱われています。複雑な家族関係というテーマを重苦しく感じさせない前向きなストーリー展開、そして彼女たちを結びつけるフライフィッシングの世界を楽しむ作品です。

あらすじ

スローループ

物語の中心にいるのは親の再婚により家族になった小春とひより。彼女たちは新しい家族を迎えると共に、それまでの家族を失った悲しみを抱える女の子たちです。

特に3年前に父を亡くしたばかりのひよりは、まだ少しだけ、新しい家族に向き合うための心の準備ができていない様子が見受けられます。

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一方で、ひよりとは正反対なほど底抜けに明るい小春。同じ悲しみを抱えていても、彼女たちは性格は全く違う者同士。一見すると相容れないように見えてしまいます。

上手くやっていけるのだろうか。そんな不安がよぎる私たちの心配をよそに、ひよりが亡き父との間に培った唯一の絆、フライフィッシングが彼女たちの物語を紡ぐのでした。

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中心人物

小春（こはる）

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明るい性格で誰とでもすぐに打ち解けてしまうような女の子。小さい頃は体が弱かったため、釣りをはじめとした外遊びの経験が浅く、ひよりと出会ってから徐々に挑戦するようになりました。

料理が得意ということもあり、ひよりが釣った魚を小春が料理する、という形で補い合う名コンビ。実は幼い頃に母と弟を亡くしており、父親の代わりにご飯を用意していたため、料理が得意になったのです。

ひより

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釣りが趣味な女の子。行動もお金も全て釣りに費やしており、ファッションまで手が回らないためガーリーな小春と比べるとボーイッシュな印象を受けます。かといっておおざっぱな性格かと言われればそうではなく、高校入学初日には緊張のあまり生唾を飲み込んでしまうほど繊細な女の子です。

普段は人見知りの彼女でも、釣りの話題となれば一転し、苦手意識を持っていたエサ釣りにも挑戦するほどの積極性を見せます。小春、恋、二葉、あらゆる人物と釣りで心を通わせる彼女の姿は、本作でもっとも注目すべき人物の1人です。

恋（こい）

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釣具屋の看板娘を務める女の子。中毒的な釣り人の父を見て育っているため、釣具屋の娘であるものの、本人はあまり釣りをすることに乗り気でない様子。

しかし幼なじみのひよりに誘われれば嫌な顔を見せずに同行し、小春やひよりのアシストをそつなくこなします。自分で魚を獲るための釣りが好きなのではなく、釣りに夢中な人を見ているのが好きだ、という心の内が後に語られており、小春とは違った角度でのひよりとの付き合い方が魅力的です。

中心人物たちと親しい人たち

一花（いちか）

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恋の誕生日会で出会った女性。恋とは面識がなかったものの、実家が釣り船屋をやっている関係で恋の父親と交友関係にあります。小学生の妹がおり、溺愛、と呼べるほどの愛を注いでいる様子。いつもお酒を飲んでいてだらしないだけの印象を与えますが、妹が泣いている姿を見ては心を痛めるような心優しいお姉ちゃんです。

二葉（ふたば）

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一花の妹。小学5年生の女の子ながらに、釣りが大好き。仲の良い女の子に男の子っぽい趣味を知られることが怖く、なかなか話を切り出せないでいるところで、ひよりたちと出会いました。女の子は女の子らしく、男の子は男の子らしくすべきなのか。子どもの頃に悩まされたテーマに深く考えさせられるキャラクターです。

藍子（あいこ）

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二葉の友達。同じく小学5年生でありながら、お母さんの化粧品を勝手に持ち出すほどオシャレに興味津々な女の子。男の子たちの遊びに対して子どもっぽい印象を受けており、あまり興味を示していません。釣り好きが打ち明けられない二葉の気持ちが藍子に届くのかどうか、という悩みは高校生たちには作り出せない彼女たちならではのテーマです。

楓（かえで）

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一花の友人の女性。普段は祖父の経営しているカフェ&バーで料理人として働いており、主にバータイムを切り盛りしています。狩猟が解禁される時期には料理人の傍ら、動物を狩りにでるハンターにもなる、頼もしい友人です。一花に対して呆れ半分の対応を見せますが、実はお互い心の置けない存在として認め合っています。

恋の父

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恋から「釣り中毒」と言われるほどの釣りマニア。恋が生まれるというギリギリに大物との対決をは開始し、結局生まれてから5時間後に病院に到着した逸話を持つほど、釣りから離れられない性格です。それはもう自他共に認めるほど、変人、の粋に達しています。

恋の母

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大企業で働くキャリアウーマン。2巻での初登場時には海外出張から帰国しており、普段から家を空ける場面が多いことから、仕事でひっぱりだこな女性であると伺えます。その姿は決して憎まれるものではなく、恋から一番の尊敬を抱かれる女性です。

一誠（いっせい）

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小春とひよりのお父さん。再婚前は小春の家のお父さんでした。物腰が柔らかく、言葉遣いは周りに安心感を与える男性です。娘を愛する気持ちはとてもつよく、女の子だけでの旅行を企画した際は、心配するがあまりに予想外なほど反対する姿勢を見せました。

ひなた

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小春とひよりのお母さん。再婚前はひよりの家のお母さんでした。ひよりと同様にあまり料理ができない様子。一誠同様に物腰が柔らかいタイプですが、子ども達の好奇心には寛容な姿勢を見せます。父が厳しくするぶん、母が優しく包み込む。とても良いバランスの家庭です。

作品の魅力

本作の魅力は、繋がり、に込められています。

最も注目が集まるのは、小春とひよりの繋がり。彼女たちは親の再婚により家族となりました。同い年の女の子といきなり家族になる戸惑いもあるのでしょうが、小春に手を引かれて、2人は仲を深めていきます。

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小春とひよりの仲を取り持つのは、フライフィッシング。

ひよりにとって、父から教わった唯一の特技です。海がない県から引っ越してくる形となった小春は、フライフィッシングと初めて出会います。元々の好奇心旺盛な性格も相まって、小春はすぐにフライフィッシングに興味を示し、釣りを通じてひよりと心を通わせるようになりました。

以降、小春とひよりは一緒に釣りに出かけるたび、家族としての仲を深めていきます。

スローループ

最初は不安だらけだったかもしれません。しかし、一緒に釣りキャンプに行き、渓流に行き、船で海に出る。そんな経験を積み重ねた彼女たちは、着実に新しい形の家族になっていきます。辛い過去を乗り越えるためのヒントは過去の中にあり、そして未来に繋がる。

釣り糸のように連続性を持った繋がりは、本作を読み進める上で注目すべき魅力の1つなのです。

フライフィッシングの魅力

本作を語る上でもう1つ欠かせないのが、フライフィッシングの魅力です。

フライフィッシングとは釣りの種類の1つで、エサを使わずに毛ばりを利用した釣り方を指します。本編の中では、亡き父から教わったひよりの趣味として扱われており、小春や恋、二葉との絆を繋ぐための橋渡し役としても重要な存在です。

スローループ

本編に出てくるフライフィッシングの知識は本格的なもので、釣りに必要な道具の解説から竿の振り方、釣り場の知識に魚のさばき方まで、丁寧に解説されています。

なによりも、うちのまいこ先生により手がけられた躍動感のある釣りシーン。大自然の中で目を輝かせながら釣りをする女の子達を見ていると、気づいた頃にはオンラインショップのカートにフライフィッシングのグッズを放り込んでいるものです。

アニメ情報

2021年2月号のまんがタイムきららフォワードにて『スローループ』のTVアニメ制作決定が発表されました。

発表に伴い、アニメ公式ホームページとアニメ公式Twitterが開設。スタッフやキャストなどの詳しい情報はまだ発表されていませんが、TVアニメ化に際して寄せられた、うちのまいこ先生からの素敵なイラストとコメントからアニメ化への期待の大きさが伺えます。

豆知識

本作には、顔はネコで体は魚の「シーにゃん」というマスコットキャラクターがいます。限りなくデフォルメされていて非常にかわいらしいこのキャラクター、実はプリントされたりグッズになったりして毎話どこかに登場するのです…！

単行本を持っている方は、是非とも確認してみてくださいね！

ノミネート・受賞歴

次に来るマンガ大賞2020

作者情報

うちのまいこ