ニュクスの角灯

高浜寛

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手塚治虫文化賞マンガ大賞『ニュクスの角灯』アンティークが織りなす人間ドラマ

ニュクスの角灯

高浜寛(かん)先生『ニュクスの角灯(ランタン)』が、第24回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞されました。おめでとうございます!

『ニュクスの角灯』は、明治時代の長崎を舞台にした明治アンティーク浪漫です。異国情緒あふれる本作の魅力を早速ご紹介します。

文明開化の長崎を舞台にした明治アンティーク浪漫

1978年(明治11年)の長崎。主人公・美世(みよ)は、鍛冶屋の道具屋「蛮」(ばん)に奉公へ出ることになります。

そこでは、店主の小浦百年(こうら・ももとし 通称モモさん)がパリ万博で仕入れてきた最先端の品々との出会いが待っていました。

先進と享楽の都、パリ渡来からやってきた夢の品々に導かれ、美世はまだ見ぬ世界へ歩き出します。

美しいアンティークが織りなす人間ドラマに胸が高鳴る

まず、物語の中心となる美しいアンティークの数々にうっとり。ドレス、シューズ、ミシン、幻灯機…今ではなかなか目にすることのない歴史ある品々を、美世と同じわくわくした気持ちで眺めることができます。

ニュクスの角灯

そして、そのアンティークたちが紡ぐ人間ドラマが魅力的。

ニュクスの角灯

「神通力」の持ち主である美世は、その力を使って物の持つ過去と未来を覗き見ることができます。

ニュクスの角灯

物と人の思い出を繋ぐ美世の力を通して、読者は登場人物たちの人生に触れることができます。

ニュクスの角灯

まだ見ぬ世界への好奇心が止まらない

学もなく、お前はなんの取り柄もないと身内から囁かれ続けていた美世は、自信のない内気な女の子でした。

ニュクスの角灯

そんな美世が、モモさんと行動を共にし異国の文化に触れることで、まだ見ぬ広い世界への好奇心を芽吹かせていきます。

ニュクスの角灯

回を追うごとに活気の色に染められていく美世の表情がとっても魅力的です。

ニュクスの角灯

美世の成長は、知ること、学ぶことが人間の心の栄養である、と改めて気付かせてくれます。

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明治アンティーク浪漫にゆったり浸ろう

異文化がまざりあった明治時代の長崎を鮮やかに映し出す『ニュクスの角灯』。大型連休は、自宅でゆったりと長崎の香りに包まれるのもいいのでは?文明開花の最先端だった長崎を舞台にした豊潤な人間ドラマを、じっくり堪能してください。

ニュクスの角灯 (1)
高浜寛/著


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